ネット小説 「魔界」

ネット小説 「魔界」

副題「闇は見えなきゃ、自分で照らす っ 文句あるかっ」


前書き

世の中には、新聞を隅から隅で読んでも、片っ端から噛み砕いて飲み込んでも、テレビのニュースを延々と10時間見ても、 テレビをぶったたいて四の字がためにしても、水をぶっ掛けても、わからないものはわからない....ことがあります。解らないことをそのまま放置しておくと、ストレスで体を壊したりします。 わからないことは、とりあえず、探求する。それが科学のアプローチの基本的手法です。脳細胞は使うためにあります。

911同時テロ

911とそれ以降の米国の軍事行動はわけのわからないことだらけです。むしろ理解できることの方が数えるほどしかありません。

イラクに侵攻したのは、大量破壊兵器を所持しているはずだと判明したからですよね?それで、実際に占領してみたら、何も見つからなかったですよね。それなら、「占領の名目はなかった」のですから、米英は即時撤退すべきではないんですか?さらには、 何の関わりもない日本が派兵するなんて、どう考えても理解できないのですが?大量破壊兵器は、侵略のためのいい訳だったのですか?本当の目的は何だったのですか?小泉首相は、なんでこんな異常な米英の行動に追従するのですか?なにか、密約でもあるんですか?誰の差し金ですか?

2003年03月26日 毎日新聞

IAEA:米の「イラクウラン輸入文書」は偽造 高官が明示
【ウィーン福井聡】国際原子力機関(IAEA)高官は25日、米国が主張する「
イラクニジェールからウラン500トンを輸入しようとした」とする証拠文書について、「(同機関の)数時間の調査で偽造と判明した」と明らかにし、「イラクの核開発計画の再開は確認されていない」との立場を確認した。

ロイター通信によると、IAEAのイラク核査察チームのボット団長(フランス人)は仏語で書かれた同文書を入手後、(1)既に4年前から無効となっている旧憲法の権限下での大統領からの手紙の形となっていた(2)大統領の署名が明らかに偽物と分かる(3)「00年10月からのウラン輸入」とする文書にある署名の外相は89年に退任した外相のものだった(4)文書の用紙は現存しない99年以前の「最高軍事評議会」の題字を使っていた−−などの疑問点を数時間で発見した。その後、米国人を含む専門家による裏付け調査の結果、偽造文書と断定したという。

ブッシュ・ブレアは、イラクが核開発目的で、ニジェールからウランを購入しようとしたという「証拠書類」を提示して、フセインの大量破壊兵器計画の証拠だと主張しました。だが、IAEAの手により、あっという間に、その書類が捏造だと暴かれてしまいました。なぜ、捏造したのでしょうか?大量破壊兵器なんて最初からないことを英米は知っていたんじゃないのですか? イラクを攻撃する名目として利用しただけではなかったのですか?この著しく犯罪性のある行為、全く、理解不能です。

北朝鮮の脅威から守ってくれるのは米国だけだから、日本は米国に追従しなくてはならないなんて主張する人もいました。けれども、まともな神経を持った人なら、そんな詭弁に同意はしないでしょう。北朝鮮が怖いから、イラクの民衆が米軍に殺戮されても よいはずがありません。本末転倒です。隣のヤクザが怖いから、遠方のヤクザが他人のシマ荒らしをやっているのに加担する?強いヤクザにミカジメ料を払って、用心棒になってもらう?.....冗談じゃありません。仮にもわが国は、独立した国家です。

ビンラディン氏 ビデオにテロ実行犯の名前 アラビア語翻訳者
【ワシントン布施広】同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏が同事件について語ったビデオの中で、実行犯のリーダー格とされるモハメド・アタ容疑者以外の複数のテロ実行犯の名前を挙げていたことが20日、明らかになった。アラビア語の翻訳に当たった専門家、ジョージ・マイケル氏がAP通信に語った。ビデオは国防総省が13日に公開したが、マイケル氏によると、公開のための翻訳は、約12時間という「厳しい時間的制約」の中で行われた。同氏はさらにビデオの音声を聞き直し、より詳細な翻訳を19日に国防総省に提出したという。
同氏によると、ビンラディン氏はビデオの中でテロ実行犯のナワク・アルハムジ、サレム・アルハムジ、ワイル・アルシェハリら「多くの名前」を挙げ、「神が彼らの行動を受け入れますよう」と語っていた。その他の名前は明らかにされなかった。米メディアは、ビンラディン氏が多くの実行犯の名前を挙げていることで、ビデオの証拠能力はさらに高まったと報じている。
[毎日新聞12月22日]


容疑者19人中、3人は別人か
【カイロ小倉孝保】同時多発テロで、米捜査当局が容疑者として発表したアラブ系19人のうち3人が18日までに、アラブ紙に「Kは事件当時、米国にいなかった」などと語った。パスポートを盗まれた人もおり、なりすました別人が犯行を行った可能性もある。アメリカン航空11便に乗っていたとされるアブドル・アジズ・アルオマリ氏は93年、米コロラド州の大学に留学。95年、アパートに泥棒が入りパスポートを盗まれたという。同年12月に新しいパスポートを発行してもらい、現在はリヤドの通信系企業に勤務。テロ事件当時も会社にいたという。同氏は「米国が発表した人物は生年月日、名前がKと一緒だが、紛失したパスポートを別人が使ったと思う」と話す。また、ユナイテッド航空93便に乗っていたとされるサイード・アルガムディ氏はサウジアラビア航空のパイロットで、8カ月前からチュニジアで研修中だ。CNNテレビで容疑者として自分の名前と顔写真が報道され驚いたという。アメリカン航空77便のサレム・アルハムジ氏も「この2年間サウジから出ていない」と関与を否定している。
[毎日新聞9月20日]

ビン・ラディンが殉教者として名前を挙げていて、FBIも容疑者リストの載せている9-11実行犯のうちに、生きていて無関係だと名乗り出たサウジ人がいます。そんな馬鹿な。人違いなんでしょうか? ビン・ラディンもFBIとたまたま同じ間違いをして発表したのでしょうか?FBIは、19人の実行犯のリストを撤回していません。全部で7人が無関係だと名乗り出ているのですが。主犯とされるモハメッド・アッタの父親は、911の翌日に、息子が電話をしてきたとメディアに語っています。死後の世界から電話してきたのでしょうか?それとも、WTC突入機に彼は搭乗していなかったのでしょうか?なにがなんだか、わからないですね。

指名手配されている筈のラディンが、米系の病院に入院し、宿敵の筈のCIA要員と会っていた。なぜ?

朝日新聞:2001年10月31日
http://www.asahi.com/international/update/1031/014.html

31日付仏フィガロ紙は、オサマ・ビンラディン氏が今年7月、アラブ首長国連邦のドバイにあるアメリカン病院に入院していたと報じた。同氏はその場で米中央情報局(CIA)のスタッフと接触していた可能性もあるという。AFP電によると、病院側は報道を否定した。同紙や仏ラジオが病院関係筋の話として伝えたところでは、同氏は7月4日、主治医や看護士、側近のエジプト人アイマン・ザワヒリ氏に似た男性らとともに、パキスタンからドバイに到着。腎臓結石を専門とする医師の診察を受け、14日まで入院した。病室をサウジアラビアからの訪問者ら多数が見舞った。アラブ首長国連邦駐在のCIA代表者もいたという。同氏が腎臓病を患っているとの情報は以前からあり、同紙によると、96〜98年に治療のため何度もドバイを訪れた。同氏については米国を敵視する以前の80年代、CIAとの密接な関係が取りざたされていた。

ビン・ラディンは、米国にとって憎き仇敵のはずです。ところが、911の直前に、ビン・ラディンがドバイのアメリカン病院に入院して、腎臓病治療を受けていた。そこにCIAの支局長が何度か見舞いに訪れていたというニュースを、フランスの一流紙が報道したのです。CIAの最重要の仕事は、ビン・ラディンを捕縛することだったはずです。これが事実なら、全く理解できません。

Bush Senior Met With Bin Laden's Brother on 9/11
Paul Joseph Watson
http://www.propagandamatrix.com/041203metwithbinladen.html
Comment: Despite studying September 11 for two years solid, one fact I only just discovered is that George W. Bush's father was meeting with Osama bin Laden's brother, Shafig bin Laden, in the Ritz-Carlton Hotel, Washington, on the morning of 9/11. They were on Carlyle Group business just a few miles from where hijackers supposedly acting on behalf of Osama bin Laden would fly a plane into the Pentagon.

Recall that the chief financier of the so-called hijackers, Pakistan's Chief Spy General Mahmoud Ahmad, was meeting with Bush administration officials the week before 9/11. He also met with Bob Graham and Porter Goss on the morning of the attacks, who would later go on to head the first 9/11 investigative committee.
http://www.propagandamatrix.com/new_revelations_on_911
The Bush senior/bin Laden meeting was reported on by CBC. See
http://www.propagandamatrix.com/021103fifthestate.html

日本では、全く報道されていないようですが、911の当日、ブッシュ大統領の父親とビン・ラディンの兄弟がワシントンで会議を持っていました。アメリカ最大の敵の一族と大統領の父親はどんな関係なのでしょうか?ビン・ラディン一族は、ブッシュ元大統領が経営に参画しているカーライルグループの重要な投資家でもありました。911直後に資本を引き上げているようですが。なんだか、おかしいことばかりですね。理解できません。

さらに、面白い話があります。イスラエルの著名な記者が漏らした情報では、「ビン・ラディンの母親はユダヤ人で、その一族はイスラエルに住んでいる。ビン・ラディンがかくまわれているとしたら、イスラエルかもしれない。素性がばれた時にビン・ラディンの安全を守れるのは、イスラエルだけだ。」というような、とんでもない話なのです。一体、なにがどうなっているのやら。

ほかにも911では理解不能なことがたくさん発生しています。そして、当局の手でそれらが解明されることもなく、放置されています。むしろ、証拠がどんどんと消されていってしまっている感があります。一体、なにが隠されているのか?

こういった疑問には、新聞もテレビも答えててくれません。なにがあったのか、誰も教えてはくれません。だから、自分で調べるしかない。誰も教えてくれないのだから、真実は自分で探すしかありません。現代には、ネットという新しい武器があります。ネットを駆使すると、今までにできなかった情報の 選択、集積と解析が可能になります。ネットを用いて疑問に自らメスを入れていくと.....次第に見えなかったものが見えてきます。理解できなかったことが説明できるようになります。隠されていた「真実」、メディアがあえて報道しなかった「真実」が姿を現してきます。

イラクに侵攻した米英を小泉政権が支持した理由も明快にわかります。その米英と日本の真の支配者が同じ人物だからです。勿論、ブッシュなんかではありません。小泉さんの仕事は日本の国益を全うすることではなく、その真の支配者に利益誘導することです。ですから、その意味で小泉さんは、忠実に真の支配者の要求を果たして続けています。日本国民の利益は最初から、無関係です。小泉さんは、そんな枝葉末節な責任は担当していません。日本の未来なんか、どうだっていいことなんです、彼には。

ビン・ラディンが殉教者として名前を挙げた人物が生きていて不思議はありません。9−11のどの機にもアラブ過激派など一人も搭乗していませんでしたから。9−11突入機は、軍事技術の粋を集めて作り上げた「遠隔操作機」の傑作でした。アラブのへぼ・パイロットなど最初から必要 のない新鋭機でした。アラブパイロットの仕事は、飛行訓練に従事していたという事実を残すことだけでした。彼らは、「テロの実行犯」として名指しされることだけが、与えられた使命だったのです。実際のテロは、悪いですけれど、彼らよりも最新鋭のコンピューター と知能の高いユダヤ人専門家にやらせた方が、確実に成功します。そして、だいたいは予定通り成功しました。さすがにユダヤです。

「米国の宿敵、ビンラディン」は、表向きだけの話です。ビン・ラディンがいるという名目でアフガニスタンが侵攻され、ビン・ラディンとつるんでいるという言い訳で、イラクも攻め落とされました。ビン・ラディンは、ブッシュ政権が軍事行動を起こす理由を作ってくれる、ブッシュの仲間内なんです。「敵役」を演じることが、CIAエージェントとしてのビン・ラディンの仕事なんです。彼が、ユダヤ人であるという情報、極めて現実味を帯びてきますね。

オヲム事件

オヲム事件もまた、信じがたい疑惑まみれの事件です。なぜ、未解明の部分をメディアも司法も放置するのか、むしろ意図的に避けて通ろうとする、その姿勢が理解できません。いったい、どんな外部の力が働いているのでしょうか?

2001年1月31日付朝日新聞朝刊 裁判の「サリンプラント建設事件」の」詳細尋問から....

1月に開かれた3回の公判では、サリンプラント建設事件に関し、 滝澤被告に対する弁護側の反対尋問が続いた。建設されたサリンプラントでは、実際にはサリンは製造されなかったとされる。サリン製造が可能だったとする検察側主張について疑いを掛けたい弁護側は、詳細な尋問を繰り返した。

異臭騒動 
: 
第181回公判から、弁護側はプラントが建設された山梨県上九一色村の「第7サティアン」の検証調書を示しながら、プラントの内部構造について詳細に聞き始めた。「このタンクに入っていたのは」「この配管の繋がり方は」。。。。「質問が細かすぎる」と検察側から異議が挟まれたが、「必要があって聞いている」と主張する弁護側は尋問を続ける。

滝澤に対する質問!:
弁護人「塩酸基はどこに行くのですか」
検察官「一つ一つ聞いていくと、時間もかかるし、関連性もない」
弁護人「主尋問で聞いていない。この部分については立証しない、 ということか」
検察官「そうではない」
阿部裁判長「証人ができた、と言っているんだからいいじゃない」
弁護側「そんな!!」と声があがった。

自分でプラント設計したはずのオヲム信者が、なんで、サリンの作り方を説明できないのですか?なんで、裁判官や検事が、弁護側の詳しい質問を阻止しようとするのでしょう?どうして、裁判がまだ中途なのに、第7サティアンを取り壊してしまったのでしょうか?なにか消し去ってしまいたい 忌々しい「証拠」でもあったんですか?

2003年12月24日付朝日新聞

オヲム松本被告主任弁護人・安田弁護士に無罪 東京地裁


2億円にのぼる顧問先企業の財産を隠して債権者による差し押さえを封じたとして、強制執行妨害罪に問われた弁護士安田好弘被告(56)=第二東京弁護士会所属=に対し、東京地裁は24日、無罪(求刑懲役2年)を言い渡した。川口政明裁判長は、安田弁護士との共謀を認めた同社元従業員らの供述の信用性を否定。「関係者の取り調べには捜査官の不当な誘導があり、一種の司法取引のような形で迎合する供述をしたとみられてもやむを得ない」と捜査を厳しく批判した。一方、検察側は判決を不服として控訴する方針を明らかにした。

なんで、麻原の弁護士は、全くの濡れ衣で別件逮捕されたんですか?一体、なにが目的だったんですか?弁護士の口を封じたいワケでもあったんですか?どういう権力が、別件逮捕をさせ得たのですか?

★阿修羅♪K氏の投稿1/4
早 川  大阪府大農学部ー神戸大で卒研 (緑化ではなく環境工学)  卒業後神戸の建設会社(=暴力団と同義)
その後自分の事業(=
統一協会フロント):この間の事情不明.   オヲムの経営中も事業を続けていた世界統一通商 
早川
メモここで発見)

オヲム真理教ナンバー2の早川は、強制捜査の時点までも、統一教会系の世界統一通商なる企業の経営者をやっていたと報道されています。 オヲムと統一教会は一体どういう関係にあったんですか?ほかにもオヲムと創価学会の関係を伺わせる情報もたくさんあります。これらの巨大宗教とオヲムは、何の関係があったんですか?どうして日本のメディアは、ここのところに一切、メスを入れないんですか?

【日蓮正宗大石寺をサリンで襲撃する計画も】 オヲム松本被告の公判で明らかに(出展不詳)
 
オヲム真理教が、日蓮正宗大石寺をサリンで襲撃する計画を立てていたことが新たに明らかになった。 これは、東京地方裁判所で行われた松本智津夫被告の公判に証人として出廷した元教団幹部、中川智正被告の証言でわかったもの。証言によると、中川被告は、松本サリン事件の前の1994年6月、遠藤誠一被告、新実智光被告とともに、静岡・富士宮市にある日蓮正宗大石寺にサリンをまくための下見に行ったという。中川被告はこれについて、「サリンをまくための候補地だったと聞いた記憶があるが、なぜ大石寺を襲撃
しようとしたかはわからない」と述べた。

オヲムはなぜ、大石寺を叩こうとしたのでしょうか?大石寺といえば、創価学会の天敵です。創価学会は、過去にも暴力団、後藤組を使って大石寺を襲撃したようなこともあったようです。 オヲムと創価の間には、どんな関係があったのでしょうか?記事に名前の出てくる新見被告は、元創価学会の信者と聞いています。なんだか、闇がとっても深そうですね。 

さて、それでは種明かしです。

オヲムの滝沢がサリンプラントの技術説明ができなかったのは、至極当然です。第7サティアンはもとよりサリンプラントなどではありませんでした。 あれがサリンプラントなら、オヲムの信者も上九一色村の住民の半分も、もうこの世にはいないはずです。第7サティアンは、覚せい剤とLSDの製造設備だったのです。だからこそ、そそくさと取り壊されたんです。闇の世界の麻薬シンジケートの皆さんのご意向で。

麻原の弁護士が逮捕されたのも当たり前です。麻原に真実を語らせれば、裁判自体が最初から全て虚構の積み重ねだとばれてしまいます。 麻原はオヲム事件の主人公ではなかったのです。端役・広告塔に過ぎない人物なのです。オヲム事件は、オヲムなどといった取るに足らないカルト組織の犯行ではありませんでした。その道のプロの仕事です。 余計な真実の追求をする弁護人は、「組織」が口を封じて当然です。

オヲムにほかの宗教団体が関与していたのは、何も不思議はありません。ほかの巨大宗教団体の傀儡として育成されたのがオヲムなんですから。 本家の教団ではできない裏仕事を遂行する場所として、オヲムが作られ、利用されたのです。既存カルトの傘下組織に過ぎないのです。オヲムもほかの巨大宗教組織群も、ひとつの同じ勢力なんです。日本人ではない単一の勢力なんです。

ユダヤ

もっと古い話ですけれど、ユダヤにまつわるお話にも理解不能なことがたくさんあります。
 

ジャーナリストの発見した陰謀機関

1938年の
ユダヤ人口は、ユダヤ人協会発表では1568万1259人としている。また、1948年のニューヨーク・タイムズ紙上では、世界のユダヤ人口は1870万人と発表しています。そしてこの間600万のユダヤ人が死んでいるとしているのです。

三年前の終戦直後、ユダヤ人口は960万人であり、それが三年後の1948年に突如、1870万人に増えてしまった。そして、この問題に対しては、ユダヤ人であるジョセフ・バーグという国際調査団のメンバーが、ヨーロッパ中の収容所を視察し、アウシュビッツにも居た、彼は伝えられているような拷問や残虐行為は無かったと言って、本に纏めている、しかしユダヤ協会の圧力を恐れた西ドイツ当局は、世界世論に恐々として、バーグ氏の本を発禁とし、彼を逮捕しようとしている、と答えたのです。

第2次大戦でナチスは、ユダヤ人600万人を抹殺したそうです。とんでもないことをしました。ところが、戦争が終わって3年たつとユダヤ人の人口は、戦前に比べて300万人も増えてしまっています。600万人減った筈なのに.....全然、計算が合いません。ユダヤ人はハツカネズミのように子作りに励んだのでしょうか?それとも600万人という数字に大幅な誤りがあるのでしょうか?その600万という大きな犠牲を払ったユダヤ人は戦後、悲劇の主人公として世界から保護され、特権を与えられてきました。しかし、その600万という数字が嘘だったとしたら....

アウシュビッツでは狭いガス室にユダヤ人を詰め込んで大量殺戮したそうです。ですが、どこをどう探してもそんなガス室の痕跡が見つかりません。ガス室があったという証言すら、まともにありません。とても処分しきれない数の処刑が、狭い施設で行われたことになっているのですが、死体を焼く焼却炉はないし、焼いた後の灰も残っていない。確かに収容所で死んだ人たちはいるのですが、多くがチフスにやられたようです。アンネ・フランクもそうでした。なんだか、とても大きな嘘がつかれているように思うのですが。

ユダヤ人の仇敵、アドルフ・ヒットラーにユダヤの血が流れているのでは?という噂はかなり以前からありました。最近の研究では、ヒトラーの祖父に当たる人物が、欧州ユダヤ社会の頂点に立つ、ロスチャイルド男爵家の当主だったのではないかという疑惑が持ち上がっています。信憑性はかなりあると思います。そして、ヒトラーのナチスに資金を注入した資本家たちの名前もわかってきました。ワ−ルブルグ、モルガン、ロックフェラー....驚いたことに錚々たるユダヤ財閥の名前が並んでいます。ヒトラーのスポンサーはユダヤだった。なんということでしょうか?頭をかきむしりたくなります。 

ナチスと対峙して戦ったのは共産党のソ連でした。壮絶な戦いでした。そして、不思議なことに、ソ連共産党を作った人たちは、みな、ユダヤ人でした。マルクス、エンゲルスという思想家は勿論のこと、実行行為者であったボルシェビキのレーニンもトロツキーもユダヤ人だったのです。そして、驚いたことに、ボルシェビキのスポンサーもまた、ユダヤ人でした。レーニン、トロツキーは、ロックフェラー、ロスチャイルドの支援を受けて、アメリカと英国からモスクワに送り込まれ、ボルシェビキを指導したのです。ソ連の赤色革命はユダヤの革命だったのです。

帝政ロシアは、日本と苦しい日露戦争を戦っていました。日本は決して優勢ではありませんでしたが、クーン・ロエブなるユダヤ人が、アメリカで日本国債が売れるように取り計らってくれました。アメリカのユダヤ人は、ユダヤ人に圧制を加える帝政ロシアを日本の手でたたかせようと、こぞって、日本の戦時国債を買いました。おかげで帝政ロシアは倒れ、代わってユダヤ人・レーニンのボルシェビキが、世界初の共産国家樹立に成功したのです。

ということは、ナチスもソ連も同じユダヤ人が資金援助して作り上げ、互いに戦わせたということです。一体、なにを考えているのでしょうか?気でも狂ったのでしょうか?

ユダヤ富豪たちは正気でした。全然、気など狂っていませんでした。ナチとソ連の両方を資金援助した成果は十分現れています。ナチのユダヤ人迫害のおかげで、欧州のユダヤ人たちは、故郷を追われ、イスラエルに入植しました。ナチスは、民族意識の薄れつつあった欧州のユダヤ人に民族の自覚を取り戻させ、イスラエルという牧場の囲いの中に、そのかわいそうな羊たちを追い込むことに成功したのです。結果、人様の土地に勝手にイスラエルを建国することが許されるに至ったのです。ヒトラーは、シオニズムの悲願であるイスラエル建国を可能にした最大の功労者です。ヒトラーにユダヤ富豪の血が混じっていても少しも不思議はありません。手法はどうであれ、ユダヤ・シオニストの野望達成に大いに貢献したのですから。ヒトラーは、ユダヤ民族の救世主です。勿論、ユダヤ富豪たちは、戦争に乗じてたっぷり儲けました。今でも昔でも、ユダヤ金融資本は、戦争に関わる金融を独占し、武器弾薬の製造にも関与してきました。戦争は、最大の儲けの手段なのです。戦争が利益を生む。だから、21世紀の今も戦争が止む事はないのです。そして、戦争を引き起こしているのは、200年も前から同じ人たちです。ユダヤ富豪です。

こんな風に、一気にまくし立てると、 ちょっと混乱されたかもしれません。でも、解ってくると何もかも横につながった「ひとつの事象である」と知ることになります。最終的には、「9−11とオヲム事件が同根であり、黒幕が同じ人物であった。」 「人類は長い間、同じ連中に騙され続けてきた。」という結論に、あなたも合意されると思います。日本と世界を支配する一握りの人たちが、911に続いて、これからなにを引き起こそうとしているのか、一緒に追求してみませんか?(もっとも、ある程度の知性を必要としますが。)メディアは真実を伝えてくれません。さあ、それではKたち自身の手で、真実を掘り起こそうではありませんか。誰も代わりにやってくれないのだから。


さて、世界の大局を論ずるために、身近なところから、ミクロの目で、真実をほじくりまわして見る必要があります。真実は目の前に転がっています。だが、知恵を使わなければ、どこにどんな形で落っこちているか、見えてきません。保護色で巧妙に隠蔽されているからです。911の不思議探求も オヲム事件の真相解明も、全て、Kの場合は、杉並の住宅街の街角探検から出発します。世界の構造を知る鍵は、そこの妙法寺近くのタバコ屋さんのある角を曲がったところの坂の中腹の古い建物の三階で見つかるかもしれないんです。ですから、まずは、杉並探検です。それでは、杉並探検です。大冒険です。チョモランマ級の大冒険です。よろしくお付き合いください。

復 讐 
(ここからが小説です。)


檜垣登志子は、男を恨んでいた。男社会を呪っていた。英語学校を出て就職した大手商社では、入社数年で社内恋愛し、普通に結婚した。相手の男は、 まあまあの大学を出ているし、それなりの家庭の出身だった。夫の会社は、十大商社の下位の方だったが、出世は順調で、収入もそこそこだった。一男一女をもうけ、一応は幸福な人生の初期展開だった。だが、夫は、若い女を作り、檜垣と子供を置いて出て行ってしまった。檜垣は、男という身勝手な動物を呪った。なぜ、男がほかに女を作るに至ったかは、考えもしなかった。相手を一方的に責めた。自分に 非があるなどと、微塵も思わなかった。自分の作った家庭が、夫にとって安らぎの場ではなかったことには、気づかなかった。未だに気がついてはいないが。ひたすら相手を責めた。責めて責めて責めた。だが、いくら責めても相手は、遠ざかるばかりだった。必死の形相で檜垣から逃れようとした。檜垣は男と男社会を恨んだ。

檜垣は家計を支えるため、仕事を捜した。だが、30半ばの子持ち女を使ってくれる会社はみつからない。丸の内など、最初からノーチャンスだった。新宿も諦めた。前の夫からもぎ取った唯一の資産である「自宅」の、荻窪に近い住宅街を、あてども無く、彷徨った。青梅街道の丸の内線の駅から10分ほど南に下がった住宅街に、あまりぱっとしない3階建てのやぼったい事務所を見つけた。 機械設計事務所と煤けた看板に書いてある。ここなら、もしかしたら雇ってくれるかもしれない。女は値踏みした。

「いけるかもしれない。」 そう直感した檜垣は、玄関のガラス戸をそっと押し て、事務所に足を入れる。安っぽい、タイル地の床材がきしんだ音を立てる。玄関近くのトイレからあまり気持ちの良くない臭いが漏れて来る。薄暗い湿った玄関の先には、もう一枚のガラス戸がある。そのガラス戸を少し押すと、事務所の喧騒が一気に漏れ出 してくる。誰もが電話にかじりついている。次から次に電話が鳴る。奥の方の営業部らしき一角は、タバコの煙がもうもうと漂い、霞んでよく見えないような気もする。受付の前に立ち、社員たちの顔色を伺った。忙しそうに机に向かう社員たちは、誰も檜垣の姿に気を止めなかった。蚊の鳴くような声で、近くの女性社員に声をかけてみた。社員は気づいてもくれない。青い顔をした檜垣は、諦めて、踵を返し 、今入ってきた玄関に戻ろうとした。背中を丸めて。

事務所の一番奥に座っていた中年の男が、ふと、日刊工業新聞から、目を上げる。鼻の上でずらした老眼鏡越しに女の顔を嘗め回した。男は、「ほうっ」と好奇心を少しばかり含んだ息を吐き、 年上の女房の作った 、趣味の悪い花柄のクッションから腰を少し浮かして、女のほうに向かって一歩を踏み出した。男の世代にしては、かなり大柄だ。175CMはあるだろうか? その一歩が、男の晩年を何もかも台無しにしたのだが。

男は、その中堅の機械メーカーの創業社長であった。 名古屋の子沢山の家に生まれてすぐに、杉並のクリーニング屋に貰われてきた。本来は、双子の弟の方が、杉並に貰われていく手はずだったが、当日、風邪気味で熱があった。代わりに、男が、東京へ向かう列車に乗せられた。男は、 クリーニング業の養父の事業の失敗で苦学した。日大の理工学部機械科の夜間部をアルバイトしつつ何とか卒業した。就職した機械メーカーを同僚数人と一緒に飛び出し、二十代半ばで、杉並の自宅敷地で創業した。真面目一徹で、こつこつとやってきた。小さいながらも、傘下に子会社が増えていき、企業グループといえるようなもののオーナーと呼ばれるようになった。 セロファンの製造設備には自信があった。セロファン業界が、プラスチックに移行して、加東も追従した。プラスチックがもてはやされた時代だった。何を作っても売れた。プラスチックの加工機械は、競争が限定されていた。競合はほんの数社しかない。大手のトップメーカーよりも少し安い。下位メーカーよりは、少しは格式がある。技術はないが、外から見れば、あるように見えるらしい。客が殺到する。 順調に売り上げは伸びていく。そして、 いくつかの機械製造事業以外に、包材加工や商事部門にも事業を拡大した。潰れかかった企業を引き受ける。一社の再建に一応成功すると、次々と、売り上げ20億くらいの企業の再建を懇願される。あまりハイテクとはいえないが、ロウテクがゆえに、給料も安く済む。一度は倒産の痛みを経験している企業の従業員たちは、贅沢は言わない。仕事があるだけで満足だ。給料は低く抑える。設備は更新しない。それで、そこそこ利益は上がる。結果、優良企業グループの総帥と呼ばれることになった。銀行も商社も一目置いてくれるのが嬉し い。早くに結婚した。姉さん女房は、すぐに息子二人を生んでくれた。家庭的にも、 幸せだった。あの、女が現れるまでは。

男は、今まで真面目にまっすぐに必死に突っ走ってきた。女もろくに知らずに中年の域を迎えていた。女遊びをするような度胸は無かったし、どこで誰とどう遊んでいいかもわからなかった。 度胸も勿論無かった。興味はあったが、誰も教えてくれなかったし、何より、女房が怖かった。結婚できなければ死のうと思いつめた挙句一緒になった女房が、一番怖かった。 高円寺の安いスナックで、40過ぎのママ相手に、安い酒を飲むのが精一杯だった。その真面目 一徹の男の目前に、30を少し超えた熟れ頃の女が現れた。京風の端正な顔立ちだ。男は、ひと目で虜になった。女も丸い尻を向けて、男を誘った。

女は総務で経理を担当することになった。経理の経験は無かったが、仕事ができてもできなくても、社長の後ろ盾があるという暗黙の了解が、すぐに全社に浸透した。だれにも文句は言えない女王の 静かなる誕生である。 社長は、女をものにしたかった。だが、誘う勇気は無い。女も気配を感じて、わざと社長から距離を置く。四六時中女の丸い尻が忘れられない社長は、意を決して、女を誘いはじめた。 経理方針の打ち合わせをする必要があると、外で会うことを、震える声で提案した。女は、何度か誘われても断り続けた。男は、 狂った。どうしても、なにがなんでも、女が欲しい。我慢できない。一時も忘れられない。仕事が手につかない。女は、男のそんな心理状態を冷静に観察していた。そして、充分な計算の末に、4度 断った後に、ついに青梅街道近くの飲み屋に付き合った。胸の少し開いたドレスを選んで。

「そのワンピースは、よく似合うね。」

ろくに女の褒め方も知らない中年男の純情に、ツーピースを着た女は、苦笑いした。何人かの男を手玉に取ってきた女には、「初級クラス」の相手に思えた。これなら、過去のノウハウ活用 とちょっとした応用で、さして苦労もいらないだろう。

「今日は少し酔ったろうから、送っていくよ。」

社長は期待に胸と股間を膨らませて、両側から樹木の生い茂る、古くからの住宅街の暗い坂道を、檜垣の少し先になって上っていく。 戦前から開発された住宅街の庭の木々は、今では大きく成長して、枝を道路の上に堂堂と広げている。せり出した枝葉は、中年カップルの歩く姿を一瞬、月の光から隠してくれる。二人は、枝葉の下の暗闇を選んで歩き、次第に接近していく。少し酔ったふりをした檜垣は、よろけて、社長の 上腕に薄い乳を押し付ける。 女の下着に付随するスポンジ状の上げ底部品が、男を喜ばせる。なんて、柔らかい感触だろうと。当たり前だ。スポンジは柔らかい。発泡プラスチックの物性には詳しいはずの男は、それがスポンジの柔らかさだとはわからなかったのだ。それを契機に、中年男の腕を取り、肩にもたれかかる。社長の 色道「初心者クラス」の心臓は、急速に心拍数を増す。血流が、男のあまり実用に使ったことの無い海綿体構造に急速に流れ込む。その夜、男は、結婚後20数年を経て、初めて女房以外の女と唇を合わせた。 枝葉の作った暗闇の下で。心拍数はさらに昂進する。男の生殖器は、期待に 鎌首をもたげる。

だが、女は簡単には体を許そうとはしない。何ヶ月かの間、男と女の間に攻防があった。男は、徹底的にじらされた。大好物のドッグフードを目前にして、ひたすら「待て」を強要されている飼犬のようだった。人間はじらされればじらされるほど、欲しくなる。 恥も外聞も無く、ひたすら、求めた。涎を垂れ流して、女に「お手」をし続けた。尻尾を千切れんばかりに振って、女にアピールした。女は、男の欲望を最大限に引き出した後、ついに体を与えた。初めて熟れた女の味を知った社長は、 女の肉に狂った。その肉欲しさに女のいいなりになった。女は、体を開くことでえられた特権を最大限に利用した。

女は、男社会を恨んでいた。男社会に復讐を誓っていた。男を騙してやれ。馬鹿な男どもから盗み取ってやれ。檜垣の経理犯罪が始まった。檜垣は少しづつ、手口を大胆に展開していった。最初は、社員の仮払いを誤魔化す 事からはじめた。出張清算の多い社員を狙いうちした。やってみると面白いように現金が手に入ることがわかってきた。 出張の多い社員は、帰社する都度、旅費経費の清算を済ます時間が無い。勢い、3、4回分まとめて清算をするようになる。自分がいくら仮払いをして、いくら返済すべきか、とても忙しくて自分自身では管理できなくなる。経理に計算してもらい、経理の言いなりに 清算する。「12万円返してください。」と言われれば、疑いもせずに、財布を開く。まさか、経理に誤魔化されるなんて、想像すらしない。そこに檜垣は付け込んだ。経理のシステムも社員が自分で管理しにくいように書式を考案した。 社員に見せるための偽の仮払い帳簿を作った。そして、考え付くたびに、ほかの小さな不正にも手を出していった。小額でも誤魔化せるものは、とりあえず誤魔化した。人を騙すスリルを覚えた のだ。金額の多寡はあまり重要ではない。人を騙すスリルが、格別の味だった。男社会へ復讐している実感が味わえた。経理不正は 何年たっても発覚しない。やり放題だ。愛人の社長は桧垣の不正の概略を知ってはいたが、愛する女を咎めることはなかった。 多少の金のことよりも女と一緒にいられることの方が、女の肉に自らを埋没させることの方が、社長には優先事項だった。40近い中年女の股間に付随する洞窟状の臓器を存分に堪能できるかどうかが、ほかのすべての事項に優先したのである。社長は、女の犯罪を黙認した。女は、それを悟って、社長に、小遣いを回すようにした。

「ねえ、社長。今月少し経理操作で余っちゃったんです。お小遣いにしてください。社長も何かと物入りでしょうから。」

近くに立った社長の視線が、少し開いたブラウスの胸元に注がれるのを意識して、あえて襟元を片手で隠し、好色な視線をさえぎる。貞淑をつくろった方が自分を高く売れると、女は知っているのだ。その方が、より男も燃えるものだとも。男は、そのグローブのような大きな手の平でもう一度、女の乳房を包んでみたい欲望を抑えきれない。それから、おもむろに女は社長に囁いた。 社長の目の前には、ここ二週間ほど肌を許してくれない女の、赤いルージュの唇が半開きで誘っていた。年齢不相応な鮮やかな色だったが、社長の性ホルモン分泌を促す効果は充分すぎるほどあった。社長は断らなかった。女と秘密を共有する「喜び」の方を選んだのである。社長を共犯者に引き込んだ女は、以前にもまして大胆になった。女の秘密口座の残高はみるみるうちに増えてい く。裏仕事の増えた檜垣は、信用のおける経理課員の 女子社員を仲間に引き入れていった。 小さい方の応接室で、社長指示の上の脱税行為なのだから、協力しろと檜垣から打診された中年の女子社員は、頭を垂れたまま、いちもにも無く承諾した。近所の主婦にしてみれば、ちょっと驚くほどの昇給も告げられて。不正行為が膨大で複雑になった今、ひとりではとても処理し切れない。事務所の近くに秘密の1DKも借りた。二重書類の類を贋作する日々が続く。仲間の二人の経理課員も定時後の裏仕事の消化に忙殺される。共犯者が増えると、月々のお小遣いも馬鹿にならなくなる。収入を増やさないと自分の取り分が取り崩される。「ボスの アタシの分け前が減るなんて、許せないわ。」檜垣は新たな経理不正の種を必死に探す。1円でも多く誤魔化せる方法は無いか?「アタシのように頭の切れる女はいないんだから。」増長と傲慢。とぐろを巻く悪意。 別れた夫が、この女から逃げ出したのは、間違いなく正解だった。

誤 算

檜垣は、技術部の三十代の係長に目をつけた。あまり金に頓着しない人物だった。出張も多い。ターゲットに指定された高椙係長の出張仮払いは「いくら返済しても、未清算が残ってしまう。」状態が何年も続いた。差額は、 次々と檜垣の懐に取り込まれていった。

高椙は疑問に思った。なんだか、いくら返しても仮払いが消えないじゃないか。まさか、経理が不正をやっているはずもないし。だが、それから、数ヶ月黙って檜垣の対応を見ていた高椙は、証拠をつかんだ。昼休み、檜垣を小会議室に呼び出した。不正の証拠を突きつけて、詰った。檜垣は初めての不正発覚に狼狽した。 絶対にばれないと確信してやっていた不正が、こんなことになるとは。 単純ミスだと抗弁してみた。だが、明白な証拠を握り締めた高椙は、決して引き下がらない。高椙もまた、このネタがカネになると計算していたのである。女は 皺の目立ち始めた目尻に涙をためて許しを乞うた。檜垣は、お詫びの印として毎月、簿外給与を出すと約束した。それから、檜垣は不正経理で手にした金の中から、毎月、高椙に20万円を渡すことになった。高椙は思わぬ臨時収入に喜んだ。

板橋の高島平の巨大な公団住宅に住む高椙は、 東北地方の工業高校卒でありながら、女子大卒の女房を貰っていた。背伸びした結婚だった。かわいい息子は私立の学校に通わせている。金が掛かる。それに悪銭身につかずである。檜垣から渡される裏金はすぐに遊興費に消えてしまう。高椙は20万では我慢できなくなった。檜垣に増額を迫った。檜垣は月40万まではなんとか約束した。だが、キャバクラ遊びを覚えてしまった高椙は、際限なく金を欲しがる。檜垣が裏金を出せないのなら、仮払いを出せと迫ってくる。仕方なく、30万、40万と仮払いを出してや る。高椙の仮払い残額は500万円を超えた。BMWを乗り回し、毎日キャバクラに入り浸る高椙。キャバクラに女もできた。汚い整形おんなだが、若ければなんでもいい。社内で、この異常な500万円仮払いが噂になってきた。一般社員はせいぜい2、30万の仮払しか許されないのに、なぜ、高椙だけが500万円なのか?疑惑の目は、檜垣にも向けられた。愛人の社長も事態を知っていた。だが、高椙に不正の証拠を握られている以上、社長にも何もできない。黙って、檜垣のグチを聞くことしかできない。檜垣の焦燥は募った。いつまで、この苦境が続くのか。「あの人が 、事故かなんかで死んでくれたらいいのに.....」

社長は、高椙の簿外給与を増やす代わりに、課長に昇進させてやった。高椙には、昇進で収入を増やしてやり、懐柔したのだ。古参の常務や部長が、「なぜ 、あいつなんですか?」と社長に、疑問をぶつけてきた。だが、ほかに方策は無い。 社長は、古参の役員の言葉に、ひたすら、沈黙する。「ま、いいじゃないか。人の評価ってのは、難しいぞ。」社内の誰もがこの人事に驚いた。あの「500万の高椙が....なぜ」と。

檜垣は、高椙問題で心身ともに疲れ果てていた。四六時中、心の休まる場所が無い。体もあちこちが痛い。睡眠が浅いし、朝方めがさめてしまう。 いつ何時も、高椙のあの蔑んだような笑い顔が、眼前にちらつく。痛む体を引きずりながら家路についていた桧垣に、ひとつの看板が目に入った。「ヨガ道場」と書いてある。ヨガって、あのインドの整体術みたいなのかしら?なにかに押されるかのように檜垣はヨガ道場に吸い込まれていった。ヨガ道場の 若い先生たちは、親切だった。 どんなつまらないグチ話でも、静かに冷静に、そして真剣に聞いてくれた。何週間か通うううちに、先生と心より親しくなったような気がした。 心なしか、肩の重みも取れてきたようだし、朝方目の覚めることも少なくなってきたような気がする。道場を信用した。半ば、崇拝した。今話題のオヲムとかいう宗教の道場らしいけれど、みなさん、教育も有りそうだし、そんなに変な感じの人たちではないではないか。医師免許を持った人もいるし。「世間で言うほどヘンな人たちじゃないわ。」

週末、少しじっくりと道場で過ごす時間ができた。 その日は、初めて道場特製の「リラックス・ドリンク」なるものを処方してくれた。そのちょっと酸味のあるピンク色の液体を飲んだら、なにやら、やにわに意識が混濁してくる。世界がグニャグニャと踊りだ す。不思議にいい気分だ。近くにいた先生から「今、一番悩んでいることを話して御覧なさあいー」と、声を掛けられる。 遠くから、山彦のように聞こえてくる先生の声が、とてつもなく優しく、心に響く。なにを告白してもいいような、解放された気分。今まで、なにがあっても絶対に口にしなかった「高椙の一件」を 、檜垣は無意識にべらべらと話始めていた。経理不正を、社員に見つけられて困っていること。なんとか、始末したいこと。不思議なことに、自分が何を喋っているのかには、意識があ る。「話すべきではない」と言う脳からの指令が、声帯に届かない。ブレーキがまるっきり働かない。何もかも告白してしまう。

それから、数日後、道場の先生から会社に電話が掛かってきた。電話に出た檜垣に先生は、手短に伝えた。

「この間の高椙さんの件、うちの方で穏便に片付けて差し上げる手筈をとりましたから。あとは、安心して、結果を待ってください。」

「ちょっと、待ってください。ワタシはそんなこと頼んで....」

そう半分口にしたとき、既に相手は電話を切っていた。檜垣には、わからない。穏便に片付けるとは、どんなことをするのだろうか?高椙を吊るし上げて、脅すのだろうか?浮気の現場写真でも突きつけて、もう二度とつきまとわないように話をつけてくれるのか?まあ、どちらでもよい。檜垣は、数日後には、ぐっすり眠れることになると期待して、狡猾に微笑んだ。これでおわりだ。先生へのお礼はどのくらい包めばいいのだろうか?社長に頼んで少し 私財を切り崩してもらおう。その分、ベッドでサービスすればいい。あの親父、ワタシの言いなりだし。40ち過ぎの、自分の女としての値打ち が激減しつつあることを知らない中年女は、頬に皺を作って、ほくそえんだ。

その日、高椙は千葉東金の関連工場に設備の組み立ての打ち合わせに赴いた。東金駅から車で15分ほど離れたところにある工場だった。 まだ、外注からの部品関係が4割がた届いていない。取りあえずは、機械のフレームを今週末から組み始めることにしよう。後は、ドライヤー部分の設計に、少し手直しを加えないとまずい。入り口と出口のガイドロールを数本増やして、蛇行を防がないといけない。杉並に帰って、絵でも描くとするか。昼過ぎに仕事が終わった高椙は、東金駅までのタクシーを呼んだ。不思議なことにいつもとは違う 、頼んだタクシー会社とは違う会社の車が来たが、さほど気には留めなかった。東金タクシーの子会社なのかな? ボディーの側面に書かれたタクシー会社の塗装が、ついさっき書かれたようなテカリを見せていたのが少し気になったが。

駅までは、小高い丘の山林の中を縫って抜けていく県道を通過する。タクシーは、東金駅に向かって県道を登っていく。だが、丘の頂上に登りきったあたりで、突如、いつもの道とは違う山道に左折して入っていった。

「運転手さん、こっちでいいの?いつもと違うみたいなんだけど。」

ええ、 さっきから、この先で緊急の工事やってるんで、ちょっと迂回ですよぉ。」

そういわれて、高椙は浮かした背をシートに戻した。高椙が、この世で最後に言葉を交わした人物は、悲しいかな、この制帽の下は坊主頭のカルト系運転手ということに なってしまった。山林の奥深くで 、唐突に停車したタクシーの前に、3,4人の若者が藪から、はじけるように飛び出してきた。髪の短い目つきの鋭い、白っぽい服装の若者たちだった。

「運転手さん、あいつら、なんだ?」 「さあ....」

何がおきたのかと、きょとんとした眼差しの高椙が、不審そうにドアを開けて外に出ると同時に、背後から、後頭部を強打する鈍器が振り下ろされる。一言も無く崩れ落ちる高椙。かわいい息子に会うことも二度とない高椙。 後日、高椙の夫人は捜索願を出した。夫の屍がもはや、富士山のふもとで灰になってしまったことも知らずに。

次の朝、道場の先生から、檜垣に電話が入った。「檜垣さん、高椙の処分は予定通り終了しました。あなたのご要望どおり始末しましたから。」始末...? 一体、何をしたのか?血の気の引いた桧垣の頬に痙攣が走った。

「いやね、檜垣さんのご依頼どおり、拉致して、撲殺して、後はうちの教団の施設で焼却処分しましたよ。オタクの依頼でやったんだから、オタクも共犯ですよね。いや、依頼者なんだから主犯だな。報酬なんかいりませんから。道場の修業の一環ですよ。 あ、それから、この間のカウンセリングで、檜垣さんが高椙の一件を話した時のビデオテープとってありますんで、そこのところを、よろしくお願いしますよ。 なんだったら、ダビングして差し上げましょうか?」

殺人事件の主犯................そう呼ばれて、檜垣はその場で硬直した。世間知らずの小悪党の中年女とその愛人の社長は、巨悪に完全にくわえ込まれ、骨の髄までしゃぶられることになったのである。 一方で、檜垣とその一味は、高椙が借金取りに追われえて失踪した、女と一緒だという噂を社内に振り撒いた。500万仮払いの噂を耳にしていた無知蒙昧単純思考の社員たちは、喜んでその嘘を受け入れた。誰も、高椙の失踪を疑うものはいなかった。 その頃、上九一色村の電磁波焼却炉で焼かれた高椙の遺灰は、オウム信者の手で、無造作に近くの森林の不法投棄されたごみの山に投げ捨てられたのである。

オヲムの阿佐ヶ谷道場では、早速ながら、加東の会社の舎弟企業化作戦が開始されていた。檜垣は、朝から晩まで、何回と無くオヲム教団からの個人名の電話に悩まされるようになった。その内容は「お布施してくれ」であった。「報酬なんかいりませんから」と言ったのに.....連中が要求してきたのは報酬ではなくお布施だった。檜垣と愛人の社長、加東は苦しんだ。 いわれるがままに出せるものは出した。だが、もはや、手持ちの金も無い。オヲム神霊教の要求にこたえるには、経理不正を全社的に拡大するしかない。二重給与制を敷き、大掛かりな組織的脱税もしなくてはならない。今の体制では、とても規模的に足りない。多くの犯罪仲間を召集して、完全な裏経理 システムを確立する必要がある。カルト組織も裏金の作り方を指南してくる。裏組織の組織の仕方から、構成員の勧誘の仕方まで、懇切丁寧に犯罪の手口が伝授される。檜垣と加東は、社内の犯罪者グループの組織化に乗り出した。まず、檜垣と親しい子会社の古参女性社員、白沢は、実に簡単に悪のサークルに参加した。「月に 20万円も余計に貰えるのぉ?うれしいわぁ。臨時ボーナスも出るのぉ?やるわ。」 年齢の割には張りのある白い頬を膨らませて、白沢は答えた。誇らしげに突き出した自慢の乳房を強調しつつ、白沢は、組織への参画を約した。檜垣は白沢のいる子会社の経理をも担当していた。というよりも、社長と結託して、子会社の経理をブラックボックスにして横領・脱税 に手を出してきたのである。 その局面で、白沢は、桧垣の横領作業の協力者であった。だから、悪のサークルに最初に勧誘されるべき存在であったのだ。次に、その白沢なる古参女性社員の10年来の愛人である本社営業部の課長、仲村龍二が、組織に引き込まれた。白沢と毎週一度、 会社に隣接する、独身寮の空き部屋で、汚い 中年同士の馬鍬いを繰り返していた仲村には、最初から、犯罪仲間に参加する以外の選択肢が無かった。10年間世話になった不倫相手の年上の女の生殖器には服従するしかない。仲村は直属の上司である首藤 光一をも組織に誘った。計算高い、首藤は、社長も檜垣も一味だと知った時点で、すばやく、脳内保身計算を行い、組織への参画を受諾した。 小心者の首藤は、本心では怯えながらも、この会社にいる限り、 グループに参加するより他にとる道は無いと計算した。 ほかにも何人かの若手や役員の一部がグループに勧誘された。会社の寮や近所に住んでいるから、裏仕事をやらせやすいなどといった単純な事情で選ばれた者もいた。彼らは、ちょっとした経費の誤魔化しや、女遊びの証拠を檜垣に突きつけられ た後、恭順の意を示し、組織に組み込まれていった。こうして、犯罪グループの組織化は進んでいく。 グループの構成員は、通常業務が終わると近くのマンションの秘密アジトに集合する。与えられたノルマにしたがって、偽の領収書、請求書類を作る作業に没頭する。こうして、加東の会社は、 せっせと裏金作りに精を出し。毎月、オヲム神霊教にお布施をさせられることになったのである。

同時にカルトは、社員の宗教的洗脳をも開始した。裏仕事の遂行のためにアジトに集まったグループの面々は、北朝鮮の主体思想にそっくりの理論を、教団のセンセイ方から植えつけられた。教団は、加東の会社を完全に舎弟企業化するため、メンバーに犯罪的・反社会的行為を実行させるために、宗教教育を必要としたのである。センセイは、「理想の実現のためには、犯罪的行為も許される。被害者も理想世界の実現のために犠牲になるのだから、最終的には救われる。」と説いた。 オヲムとそっくりの論法である。グループの面々に罪の意識、罪悪感を払拭させるのが目的である。グループのメンバーたちもまた、センセイの説教にすがった。そして、罪悪感から逃れ、犯罪に手を染める自分を納得させた。宗教とは、便利なものである。犯罪を 自己正当化する道具にも使えるのだから。

緊急避難

1995年始め頃、オヲム神霊教の存在は既に社会問題化しはじめていた。檜垣たちは、とんでもない巨悪に目をつけられてしまったことにはじめて気がついた。檜垣と社長は、暗澹とした。そして、お互いに中年の体を貪りあった。不安をかき消すために。

地下鉄サリン事件がおきた。オヲム神霊教は、警察に包囲されつつあった。教団内部に保管してある膨大な量の薬物や武器弾薬をどこかに安全に移動させる必要があった。 摘発されれば、オヲムだけでなく、政治家も第三国もヤクザも困る。教団は、安全な保管場所を血眼になって探した。
ムに対する強制捜査が予定された時期だ 。警察内部の友好カルト組織からも、摘発情報は逐次、教団にもたらされる。時間が無い。山梨のサティアンにあ化学物質や兵器類の始末は、緊急に行わなければならない。今のところ、警察庁トップにオヲムの後ろ盾になっていた中根曾や前藤田から圧力を掛けて、強制捜査を順延させているが、いつまでも伸ばせられない。どこか、見つかりにくい安全な保管場所がすぐに欲しい。ムと全く関わりの詮索されない民間企業の倉庫を使えれば、発覚の恐れは小さくなる。一番都合がよいのは、オヲム神霊教に深入りしていた政治家、山朽敏雄の地盤の埼玉県東松山だった。山朽は、親分筋の首相経験者、中根曾の指示で、オヲム教団に関与していたのである。中根曾は、半島系のカルト宗教、統率協会、さらにはCIAと近い政治家である。オヲム教団の背後には、外国勢力が蠢いていたのだ。東松山、あそこなら、警察や役所に、山朽の威光が光っている。山朽の圧力で、なんとでもなる。東松山に受け皿となる企業、倉庫を持っている企業はどこか無いのか?

オヲムの幹部は、組織内で情報を求めた。そして阿佐ヶ谷のヨガ道場から耳寄りの情報が入ってきた。道場に出入りしていた中年女の勤める会社の子会社が、東松山に工場と倉庫を持っているらしい。その中年女は経理犯罪者で、女を脅していた社員を教団で 焼却処分してやった関係で、女の会社は、毎月、教団にお布施をしている。 既に、舎弟企業化は半ば完成していると言う。女はワンマン社長の愛人であり、社長も犯罪仲間だ。この企業グループを利用しない手は無い。脅して、教団の言いなりにしろ。オヲムが民間の殺人を代行してやるのは、これが初めてではなかった。薬物密売の関係で教団に出入りしている山朽組系権藤組から、他殺死体の処分を頼まれることも、なんどかあった。上九一色村のサティアンには、拉致した人物を、この世から抹消するための電磁波焼却機なる設備すら、稼動していた。

加東の会社の2軒となりのマンションにオヲム信者が居住し始めた。既に世間は オヲム騒ぎで持ちきりの頃だった。警視庁の車両が、加東の会社の玄関の近くに四六時中駐車し、私服の刑事らしき人物たちが常時信者を監視していた。社内は、オム信者の話で持ちきりだった。誰もが額を寄せ合い、噂話をした。だが、この噂話に決して加わらないメンバーがいた。全く意に介さないかのような態度で、オム信者の居住など一言も触れない連中だった。加東檜垣も勿論そのメンバーだった。そして、白沢も仲村も首藤も。

オヲム教団は、近くに信者を住まわせることで、直接、檜垣と加東に圧力を掛けてきたのである。子会社の東松山の倉庫を使わせろ。オヲムから逃げてくる信者を受け入れる場所を提供しろと。オヲム信者を見張る役割を与えられている刑事たちは不思議に思った。もはや、踏み込んでオヲム信者の家宅捜索をするぐらいの指示は出てもいいはずなのに、本部から、手を出すなと指示が来る。警察幹部には、オヲムの背後の勢力が圧力を掛けていた。加東の会社をオヲムの受け皿として舎弟企業化するために、警察には手を出させるなと。 オヲム信者は自信たっぷりに、居住を続けた。自分が捉まらないことを知っているかのように。

近隣のオヲム信者は奇異な行動に出てきた。サマナ服を着たまま、加東の会社の敷地内に進入を繰り返す。その姿を見つけた社員は、驚きおののき、噂をしあった。しかし、例のメンバーたちだけは、全く気づかぬのか、気がつかない振りをしているのか、反応を示さなかった。既に社会問題化していたオヲムが、身分を隠そうともせずサマナ服のまま、近くに居住し、敷地内を闊歩することで、彼らは檜垣と加東に強烈な圧力を掛けたのである。言いなりになれ、宗教舎弟企業になれば、恩典もあると脅したのである。 加東は、さすがにオヲムが何を持ち込もうとしているのかわかっていた。あまりにも危険である。臆病な加東には、どうしてもオヲムの要求を聞き入れる勇気がわいてこなかった。だが、オヲムの脅迫攻勢は日に日に強化されてくる。オヲムにも時間が無い。

それより少し前だが、営業部に1本の電話が掛かってきた。相手は、はっきりとオヲム神霊教と名乗った。応対した渡辺栄治営業係長に、信者は機械設備の引き合いを伝えた。液体を入れるプラスチック袋の製造装置の話だった。渡辺係長は、相手が中古を欲しがっていると知り、他社を紹介した。渡辺係長は、興奮気味にオヲムの引合の話を 事務所の同僚に誰彼と無く話した。例のメンバーは、沈黙のままだった。ムの資材調達は、以前からフロント企業を介して行われていた。オムの名前を出しての商談など皆無だった。明らかに加東と檜垣に圧力を掛けるのが、オヲムの目的だった。

舎弟企業

加東と檜垣は、オヲムの要求を完全に呑む道を選んだ。それしか、選択肢は無かった。受諾とともに、オヲムのサティアンから軍需物資や化学物質が一挙に大量に運び出された。それを待って、強制捜査が一斉に開始された。見つかってはまずいものが搬出された直後に。それらの貨物は、追跡者がいないことを見極めたうえで、 山梨から埼玉への山中を迂回しつつ、東松山の工場と倉庫に運び込まれた。倉庫の責任者は、あらかじめ、「 裏仕事グループ」に勧誘されており、既に犯罪仲間だった。現場の作業員たちには、入ってくる貨物は、杉並本社から依頼された大事な保管物だから、絶対に触るなと通達が出された。膨大な貨物が工場と倉庫に山積みされた。

だが、触るなと言われると触りたくなる。保管してある貨物の中身を云々する作業員が出てきた。「ありゃあ、なんだかヘンな白い粉がたくさん詰まってるみたいだぞ。もしかして、覚せい剤じゃないの?それに、あのモデルガンの山、ホンモノっぽいぜ。」昼休み、おどけて同僚にそう話したモデルガンマニアの作業員は、なかなか鋭い感性の持ち主だった。だが、その感性がゆえに、彼の一生は短縮されてしまった。作業員の会話を耳にした裏組織の現場責任者は、震撼とした。早速本社に報告すると、本社はオヲムに指示を仰いだ。オヲムの判断は敏速であった。「わかりました。こちらで処置します。」

次の週の週末、 作業員は、終業間際になって上司から残業を指示された。今日は、子供をつれてファミレスで食事をしようと思っていたが、これも仕方が無い。 残業を断れるほど、実力は無い、「俺の代わりはいくらでもいる。」ほかの社員はみな帰ってしまった 薄暗い倉庫で、作業員は一人黙々と残業を続ける。男の背後から、二つの黒い影が近づいてくる。突如、両腕をとられて、頭から小型の作業用エレベーターに首を突っ込まされる。必死にもがく作業員。もうひとつの黒い影がエレベーターの脇の操作パネルの前に立 つ。暴れる作業員。 その首筋に、黒い影が用意した注射器が突き刺さる。作業員の動きが急に静かになる。操作パネルの上の上昇と書かれたボタンが押される。作業員の体は、胸の辺りでエレベーターの箱と枠の間に挟まれて潰される。いやな音を立てて骨が きしみ、折れ曲がる。 体液が飛び散る。

表面上は、労災事故であった。翌日、自宅に未亡人を訪ねた本社総帥の加東は、杉並に戻ってきてこう報告した。「今日、通夜に行ってきたけれど、かわいい子供が二人いてね。全く、こんな事故起こしちゃ、やり切れない。」  会社に戻る前に考えたシナリオどおりの台詞だった。誰もが事故と疑わなかった。作業員には会社保険が掛けられていた。1000万単位の金が勤め先に入る。その中から捻出される手はずの200万の見舞金の札束に、未亡人は何度も頭を下げて感謝した。 勿論、会社保険の存在など知りはしない。会社が夫の死で儲けることなど、彼女は知らずに終わる。この家族は子供たちは、父親がなぜ死ななければならなかったのか、永遠に知ることなく人生を送るのだろうか? 加東は、労せずして、会社保険で1000万以上のカネが入ってきたことに、にんまりした。なんだ、こんな儲け方があったんじゃないか。

東松山の警察幹部は、3日前に、この「事故」がおきることを、自分の属する宗教組織経由で連絡を受けていた。そして、裏社会筋の要請に応じて、この一見労災事故に見える死体を解剖もせずに、自然死と認定して、闇に葬った。警察幹部は、にやりと笑って、呟いた。「山朽先生がらみのヤマは、お小遣いの桁がひとつ違うんだよな。今年は、同僚 信者と チェンマイにでも買春にいけるかな。もう5年も行ってないし。」  ある仏教系の宗教に属するこの中堅警察幹部にとって、宗教の望むとおりに捜査を捻じ曲げ、宗教に利益誘導することこそが、「正義」であった。なんら、後ろめたさは感じない。そんなまともな感覚など、とうに宗教が奪い去ってしまっている。 裏社会筋からの報酬は、何ヶ月かあとに、警察署の層和警官のボス格の人物のところに入る。それを、数人のカルト関係者で分けるのだ。

いったん、オヲムの要求を受け入れると加東の会社に教団からの接触が日常的になってくる。近所のマンションからは撤収してくれたが、杉並の本社に顔を出すことは無くても、近くの1DKアジトに常駐するようになった。オヲムとの共同作業が増えるにつれ、秘密アジトは手狭になった。 近くの3LDKに借り替えた。それと同時に、檜垣にも教団の実態が少しづつ解ってきた。驚いたことに、オヲムのメンバーは、どれもこれももともとは統率協会の信者だったのである。統率は オヲムを内部から操縦するために送り込まれていたらしい。というよりも、もともと、オヲム自身、統率本部ではできない裏仕事をやるために、統率幹部の早河が軍資金を持ち出して作り上げた宗教ということらしいのだ。

 

90年に浅原らが総選挙に大挙して立候補し、当然ながら一人も当選せずに終わった。この時に、教団は資産を選挙で食い尽くしてしまった。 早河がオヲムの主導権を外部宗教に委譲させるために、浅原をそそのかし、勝てない選挙で資産を費消させたのである。その予定通りのオヲムの経済的窮状を、外から眺めていた統率協会は、これを契機にオヲム教団に乗っ取りを し掛けようと行動を開始した。規模的に充分使用に耐えうる教団に成長したオヲムを、統率の裏仕事の拠点として利用する。それが、聞賎明の目論見だった。

聞は、盟友の田池太作に依頼し、層和の金を引き出し、これをオヲムに注入した。同時に、統率、層和の半島系譜の信者が、大量にオヲムに移っていった。オヲムの信者数は一挙に一万人単位に達したのである。 桧垣のところに出入りする信者の中には層和学会の元信者も多数混じっていた。層和からオヲムに潜入していたのだと思った。だが、ややこしいことに真相はもっと複雑だった。彼ら の多くは、ももともとは、統率信者であり、層和学会に潜入していたものが、さらにオヲムに潜入していたのだと言う。 結局のところ、オヲムも層和も統率もすべてはひとつの同じ勢力と言うことらしいのだ。

逮捕前にアサハラは自分は、もはやオヲムのボスではないと漏らしている。実際、90年以降は、オヲムには別のスポンサーがつき、スポンサーである層和、統率の意向で動かされていた。アサハラは実権を奪われ、象徴として祭り上げられていたに過ぎない。勿論、アサハラに私淑してついていった日本人信者はたくさんいた。だが、彼らはオヲムの中心的存在ではなかったのだ。「アサハラのオヲム」という表看板を誇示するための、教団の表面を飾る装飾品のようなものだったのだ。実質的な支配力は、アサハラにも彼の周囲の「敬虔な」日本人信者にも無かったのである。

もっとも、アサハラ自身も半島人を父親に持ち、北朝鮮と関与してきた犯罪者に違いはない。ただ、アサハラ風情には指揮させずに、背後から教団を操縦して、目的を達成しようとした、もっと高位の黒幕が暗闇で目を光らせていたのである。

今、東京地検で行われているオヲム裁判では、不思議なことにアサハラは全く証言をしようとしない。意味不明の不規則発言や下手な外国語を呟いたりする。なぜ、アサハラは、オヲムの主人公が自分ではなかったとはっきり証言しないのだろうか?アサハラの法廷での異様な振る舞いを観察してきた人たちの中には、アサハラが薬物でコントロールされているのではないかと勘ぐる人たちが出てきた。実は、それが正解だったのだ。 アサハラが、オヲムの背後の層和、統率、北朝鮮に触れないように、拘置所の内部で薬物による工作が行われているのである。オヲムのどの事件も、アサハラの直接の指示があったと証言している弟子たちが、実は統率・層和から送り込まれた偽信者だと、アサハラの口から語られるのを予防しているのだ。食事に薬物が投与され、法廷に出たアサハラは半酩酊状態で、証言のできない状態に置かれているのだ。東京拘置所のアサハラを扱う部署には、計画的にカルト信者の職員が集められ、アサハラの証言を阻止するための計略が実行されてきたのだ。しかし、そこまで、公務員である法務省務職員を組織的に悪用する力が、裏組織にあるのだろうか?だが、考えてみれば、政権党である民自党は、統率協会に、公正党は、層和学会に支配されている。しかも最大野党の根幹である旧民舎党にも党率の息のかかった議員が山ほどいる。日本の政治政党は、与党も野党も、二大在日宗教の支配下にあるのだ。だから、公権力を使って、アサハラの口封じをすることも可能なのであった。

だが、こういった裏からの日本支配の構造を作ったのは、半島系譜人そのものではない。もっと、高いところにいる権力者が、半島人を傀儡に立てて、日本を間接支配しているのだ。日本の中のマイノリティーであり、反日的な半島人に秘密裏に日本を支配させる。日本の国益に反する政治を、姿の見えない半島人のネットワークを使って執行するのである。その黒幕は、アメリカも英国も実質的に支配してい る。さて、それがどんな連中であるのか、先を急がずに紐解いて行こうではないか。


半島人

檜垣と加東の前に現れたオヲム信者とは、そういった「もともとは統率信者であり、オヲムに潜伏していて、強制捜査前に逃げてきた」連中だったのである。 そして、一番、檜垣を驚かせた事実がある。出入りする統率の信者同士が、聞きなれない言葉を多用するのだ。日本人には理解はできないが、よく耳にする言葉だ。そして、組織内で流通する書類関係にも 判読できない文字のものが多用されているのだ。子供の頃、父親の仕事の関係で朝鮮の京城にいたことのある桧垣には、どこかで見たことのある文字だった。 そして、話す言葉は、京城に行く前に、檜垣が子供の頃、京都の朝鮮部落でよく耳にした言葉と同じだ。 驚いたことに、 この信者たちは、どれもこれも在日朝鮮韓国人か、もしくは、帰化人の一族だったのである。 オヲムの内部には、日本人ではないグループの組織内組織ができあがっていた......ずる賢いだけの世間知らずの中年女、檜垣には、オヲムの実態が何であるかなど、知る由も無かったが。浅原を中心とする仏教の新興宗教団体だという知識ぐらいしかなかった。浅原の父親が半島人であることも知らなかった のだ。

オヲム事件の後に、浅原が在日ではないかとの情報が流れた。だが、「調査の結果、そうではなかった。」というまことしやかな否定論が流され、疑惑の火は鎮火 された。しかし、海外では、浅原の父親が、半島出身者であるとの情報が、あいかわらず確認情報として、伝播されていたのだ。浅原が半島系譜人であると認識されることは、オヲムの黒幕にとって、極めて危機的な事態である。オヲムが、日本の中の半島系譜人、そして北朝鮮シンパ勢力を集めた謀略組織だったという事実は、なにがあっても隠蔽しておく必要があったのだ。「浅原は在日ではない」というデマを流し、事件の真相究明を阻止する役割を果たした中心的存在が、 広告代理店、雷通だった。

オヲムだけではない、オヲムの実質的母体と言うべき、統率も層和もまた、半島人によって支配される構造になっている。どの教団も表向きは、日本の新興宗教である。半島の影は見えにくい。だが、どちらの教団も、幹部の大半には、純粋の日本人ではない、特殊な人たちが 、要所要所に配置されている。彼らは、表面上は、坂本さんであり金井さんである。日本人にしか見えない。だが、坂本さんは、親の代に日本国籍を取ったものの、魂までは日本人化していない帰化人である。金井さんは、あくまで通称であり、本名はれっきとした、北朝鮮国籍のキムさんである。こんな人たちが、宗教の重要なポストに、日本人の顔をして座っている。その下に位置する大多数の日本人一般信者は、幹部の素性を全く知らない。指導力のある先輩信者 くらいとしか思っていない。どの支部も、幹部、地区長さんが、こんな半島系譜の人物で固められていることに、一般信者は全く気づいていないのである。一方で、半島系譜の幹部同士は、誰が、半島人の仲間なのか、勿論、よくわかっている。 半島人による内密の組織内組織が確立しているのだ。彼ら半島系譜幹部の責任は、日本人信者を操縦して、実質的な半島利権集団である教団のために、いかに寄与させるか、いかに日本人を利用 し、搾取するかという点にあるのだ。日本人信者に無意識のうちに半島人幹部に貢がせ、奉仕させる構造なのだ。

檜垣は、層和学会の田池太作が、帰化人であることすら知らなかった。無理も無い。層和学会の日本人一般信者の大半も、同様に、田池名誉会長が在日だなどと考えもしない無邪気な宗教被害者たちである。日本人の多くが、田池一派によって、騙され続けてきたのである。田池の両親は、半島生まれである。朝鮮名、成田作(ソンジョンジャク)という名の父親と「池」姓の母親は、日本国籍をとる際に、二人の名と姓を連結して、「田池」という苗字を創出したのだ。従って、名誉会長に朝鮮名があるとすれば、「成太作」(ソン・テチャク)となるはずだ。 田池のルーツは大森の朝鮮部落にあるのだ。
 
百万人単位の一般日本人信者をごく少数の半島系譜人幹部が、隠密に支配している。彼ら半島人の一部は、宗教をあくまでも「裏仕事の隠れ蓑」として利用するために教団に寄生している。宗教の非課税特権は、得体の知れない素姓の解らないカネが教団に流れ込んでくる 要員となる。暴力団の麻薬利潤もまた、宗教団体の手で、南米やヨーロッパで洗浄されてきたのだ。なかでも、山朽組系権藤組は、オヲム、統率、層和の三者とも裏のつながりを持つ、在日裏社会専属の暴力団である。もっぱら、権藤組の手で、北朝鮮の覚醒剤が関東地区で捌かれる。その流通に、在日宗教の信者も関わって儲けるのだ。権藤組が安全に麻薬商売を続けるためには、巨大宗教との絆がどうしても必要なのである。

在日裏社会は、巨大宗教団体を裏から操ることで、絶対的な治外法権的特権を享受する。犯罪を摘発されない構造が出来上がっているのである。巨大宗教の信者の大半は、「敬虔なる信徒」であり、善男善女である。宗教の犯罪性など感知せず、宗教の教義に翻弄されて、洗脳されてしまっている一般信者である。彼らは、盲目的に教団幹部の言を信ずる。半島人幹部は、ソ連の共産主義体制やCIAが開発した組織心理学的手法で、これらの一般信者を実に簡単に奴隷化してしまう。一旦、言いなりになった信者たちは、確実に票の読める「投票ロボット集団」となる。教団の指示通り、間違いなく、指定の候補者に投票する。さて、政治家たちは、この固定票がどうしても欲しい。たとえば、民自党の候補は、公正党支持者の票が上積みされるか否かで、即刻当選・落選が決まってしまう。そうなると、候補者は、千切れんばかりに層和学会に尻尾を振る。層和の関係者が多少の不祥事を起こそうと、犯罪に関与しようと、議員たちは票ほしさに、層和には手を出さない。むしろ、層和の犯罪を幇助する。 政権党が党を挙げて犯罪者集団の擁護に回る構造だ。こうして、層和の組織を悪用した犯罪者が跋扈するようになる。権藤組のように。また、統率の場合は、議員の活動資金を肩代わりし、秘書を無償で派遣し、場合によっては、議員の性欲の処理まで配慮してくれる。そんな、統率の飼犬議員が200人以上もいる。こうなると、統率にたてつくようなことをするわけが無い。 統率から送り込まれた秘書たちは、殆ど給与を取らない。だからこそ、議員たちは重宝して統率信者を採用するわけだが、それが、議員をがんじがらめに束縛することになる。「議員秘書給与の横領」が多くの議員の失脚を呼んだ。社明党の看板娘も、それで失脚した。統率協会員の秘書を使っている議員たちは、軒並み「議員秘書給与の横領」犯に相当することになる。秘書に秘密を暴露されれば、政治生命が費える。結果、どの議員も、統率の言いなりとなる。統率の思惑通り、行動せざるをえない。小泉内閣が見楽に自衛隊を派遣すると言う。統率協会が、その小泉の方針を全面バックアップしている。統率の裏政治資金で政治活動を行い、複数の統率秘書を抱える民自党の代議士、200余名は、イラク派兵に反対はできない。既に統率協会の奴隷となった政治家には、統率の指示に従わなければ、「スキャンダルによる失脚」が待っているだけである。そして、統率の総帥、聞賎明の在日盟友、田池太作もまた、聞と行動を共にする。つまり、自公連立とは、統率と層和という二つの巨大在日宗教の野合を意味するのである。

統率協会と言えば、諸外国では、「麻薬密輸・マネーロンダリング機関」として名高い存在である。南米での麻薬密輸とマネーロンダリングで名高い統率協会が、日本では麻薬商売に手を出していないと考える方が異常である。統率は、政界を背後から裏金と桃色サービスで買収し、その見返りに「摘発されない」特権を受け取っているのだ。日本の麻薬蔓延の責任は、統率にある。 そして、何も知らない一般日本人信者たちは、教団の半島人幹部の犯罪を幇助する強力な防波堤となってくれる。狂信者である彼らは、教団への批判に激しく反発する。教団幹部の半島人の犯罪行為でも追及しようものならば、完全に洗脳された中年婦人の群れが、どかどかと大群でなだれ込んできて蹂躙する。結果、だれも半島人犯罪者の行為を非難できなくなり、犯罪は自由に行われるようになるのだ。

檜垣は、少なくとも統率の創始者が韓国系だということは、一応どこかで聴いたような記憶があったが、聞賎明が、現在の北朝鮮の生まれで、スターリン・金日成により南に潜入させられた 共産スパイであることなど、この中年女に知っておけと言っても最初から無理な話である。 当の当率信者でさえ、聞賎明の真の姿を知っているのは、ごく一部の、北朝鮮系の在日信者だけであるのだから。所詮は、狭量のカネの亡者、魂の穢れた目先しか見えない馬鹿な女に過ぎない。


檜垣も加東も、 オヲムが北朝鮮に連なる日本国内の半島人勢力を糾合した組織であり、北朝鮮のために資金稼ぎや軍事行動の準備をしていたなどと、全く想像すらしなかった。無理も無い。日本人の大半が、意図的に事実を隠蔽した政府とメディアの謀略に騙されていたのであるから。そして、事実を知ったときには、既にどっぷりと深みに嵌り、半島勢力の謀略の坩堝から抜け出せなくなっていたのである。こうなったら、彼らの組織の正規の構成員とな り、組織と運命を共にするしか、道は残されていない。完全舎弟化である。

組織の裏事情を知るにつれ、檜垣は自信を取り戻してきた。組織が北朝鮮とつながっていることは確かだが、それだけではなかった。 オヲムの実態である統率協会は、日本の政界に強大な支配力を誇っていることを檜垣は知った。民自党の議員のうち200人以上が、統率協会の政治資金で議員活動をしていると知った。これらの議員の秘書も、大半が、統率協会から送り込まれているという。民自党だけではない。最大野党にも、党率協会の息のかかった議員が多数いる。統率協会に日本の政治が半ば支配されている。これなら、大丈夫だ。この組織と組んでいる限り、どんな犯罪も露呈することは無い。統率の組織力で、どんな告発も潰せるし、警察や司法も黙らせられる。檜垣は、ホット一息をついた。しかし、北朝鮮と直結した右翼宗教が、日本政界を支配していると言う不思議な構造が何を意味するのかは、檜垣にはいまだに理解できていないのである。 この人物にはこれ以上の理解は不可能である。

さらには、組織の背後には、信じがたいことにアメリカの情報機関までいるようなのだ。北朝鮮の傀儡であるオヲムに北朝鮮の仇敵であるアメリカの情報機関が肩入れをしていると言う事実を、どう解釈すればよいのか、檜垣には皆目理解できなかった。桧垣のような凡人は知りもしないが、 表向きは鋭く対立しているように見えるブッシュと北朝鮮だが、実態は互いの利害が一致して、「対立」を演じているだけなのだ。

北朝鮮とつるんでいたのは、オウムだけではない。オウムにスパイを大量に送り込んでいた層和も統率も、北朝鮮とは切っても切れない関係を持っている。北朝鮮の拉致問題、核開発批判などで先頭に立ち、強硬姿勢を見せている人たちがいる。反共議員と言われる政治家たちで、反共連合なる在日右翼団体に協賛している。彼らの大半は、同時に大日本会議と言う団体にも関係が深いようだ。どちらも、統率教会という、聞賎明率いる在日宗教の関係団体だ。大日本会議には、切支丹の幕屋なる原始キリスト教団体が関与している。ユダヤ教に近い宗教だ。切支丹の幕屋が、会議の事務局の運営に当たっている。実は、この信者たちが、統率協会から送り込まれた偽信者なのだ。統率が直接関与しているとわかると、大日本会議が反共連合のダミーであるとばれてしまう。統率は、霊感商法で社会的信用を完全に失っている。だから、名前を極力隠したい。そこで、切支丹の幕屋なる隠れ蓑を使っているということだ。だが、どう隠しても、大日本会議は、結局は統一がやっている傀儡組織ということになる。統一の名前が出ると社会的に相手にされないので、隠しているだけだ。統一が他のカルトに入り込んで乗っ取り、ダミー化して「統一」の名前ではできないことをやる。オウムのケースと同じだ。だから、作る会を中心とした右傾化扇動も、結局は、統率協会の策謀だ。一方で、同様に層和学会にも統率信者が潜入して、乗っ取りを進めているとみられる。最近、層和も日韓摩擦促進にご執心であるし、かなり、統率のリモコンロボット化しているとみる。日本の右傾化扇動は、隠れ北朝鮮カルト、統率の利益となる。

反共議員たちは、防衛族議員の中心になっている。MD計画推進を主張しているのも、この人たちだ。日本版ネオコンと呼ばれる人たちも、やはり同じグループの人たちである。週刊誌の調査では、この反共議員、つまり、聞賎明の主催する右翼団体から、政治資金を得て活動している議員が民自党と野党第一党に併せて200人以上いるというのだ。さらに、反共連合から、これらの議員に秘書が派遣されている。無給ないしは非常に安い給与でよく働いてくれる。議員は重宝して、反共連合からの秘書の数を増やす。だが、同時に秘書は、議員のウイークポイントを握ることになる。給与は、議員に返上するか、小額しか受け取っていない。これが発覚すれば、「秘書給与横領疑惑」が発生する。どこかの野党の女性議員のように職を失うことになる。議員は、秘書を通じて、反共連合、さらには統率協会に支配され使役されることになる。また、統率信者が身分を隠して、議員になりあがった例も多々ある。彼らが、北朝鮮の拉致問題を声高に非難し、核開発疑惑を糾弾する先鋒である。だが、不思議な話だ。彼らの指揮系統は、統率協会である。北朝鮮と直接繋がった統率協会系の議員が、なぜ、北朝鮮を攻撃するのか?実は、日本で、北朝鮮批判を展開することが、北朝鮮の延命に寄与するのである。

さて、日本の「右翼」勢力の総元締めである反共連合だが、総帥は、聞という外国人だ。聞は、現在の北朝鮮の生まれだ。キリスト教者であったため、共産国家北朝鮮では、迫害虐待を受け、何度も死にそうになったそうだ。だが、それは事実かどうかはわからない。本人がそういっているだけだ。当時の北朝鮮では、宗教はご法度だったので、宗教者と解れば、即刻処刑されていた筈だ。また、聞の述懐する内容の拷問や虐待が本当に行われていたなら、聞は、何度も失明し、少なくとも3、4回は死んでいたことになる。命からがら韓国に逃げてきて、後に統率教会なる宗教団体を設立したということだそうだ。この人物が、「北朝鮮の核ミサイルに対抗するために、プッシュの推進するMD計画に日本も参画すべきだ。」と熱烈に主張してきた反共議員たちの黒幕だ。プッシュ親子や、ブッシュのスポンサーのロッケンフェラー、さらには、シャルンとも深い関係を持つ、国際的に暗躍する宗教家だ。

この文鮮明が、1990年頃から、北朝鮮に擦り寄り、金親子と非常に濃密な関係を築き上げている。金日成と義兄弟の杯を交わし、北朝鮮で大々的な事業展開をしているのだ。巨大なホテルや自動車製造工場まである。数千人の日本人信者が常駐しているそうだ。(ただし、日本には、半島から帰化した「日本人」がたくさんいる。彼らが、教団から、日本人として派遣されている可能性が高い。)また、日本の統率信者には、北朝鮮の飢餓状態を訴え、北の庶民を救うために援助しようと呼びかけている。結果、信者たちはかなりの無理をして、献金したようだが、食糧援助には使われず、なぜか、ミサイル開発の費用の方に回されてしまったようだ。どういうことなのだろうか?統一は、南米では名の知れた麻薬密輸業者、マネーロンダリング業者だが、統一の北への接近以後、北の麻薬生産が急増している。また、従来は中国製が殆どだった日本の覚醒剤も、大半が北朝鮮から入ってくるようになった。なにか、統一とかかわりがあるのだろうか?ある。おおいにある。

また、統一と同じ時期に、アメリカの福音派の有力伝道者、ビル・ブラハムも北朝鮮に足繁く通うようになっている。ブラハムは、ブッシュをアル中から救った、ブッシュの導師と形容される人物だ。(アメリカの福音派指導者は軒並み、聞賎明に買収されている。)また、文・ブッシュの黒幕と目されるD.ロッッケンフェラーも、北朝鮮にパイプを作っている。北朝鮮では、日本海側でも黄海側でも石油の埋蔵が確認されている。そしていつのまにか、これらの採掘権の交渉が、北とアメリカの石油会社との間で始まっているのだ。「石油」は、ロッケンフェラーと盟友のユダヤ商人の独占事業だ。ロッッケンフェラーが関わっているだろう。国家同士は対立しているように見えるけれど、ロッケンフェラーとピョンヤンは、そうでもないかもしれない。また石油ではなく、タングステンなどの鉱物資源では、ロックケンフェラーは既に北朝鮮に触手を動かしている。94-95年頃、ロックケンフェラーの名代の共和党議員が、何度も北朝鮮に足を運んで、鉱山の試掘契約を結んでいる。これは、両者の直接の接触を意味する。 だが、ロッケンフェラーが狙っている本命は、北朝鮮の豊富なウラニウム資源かもしれないが。

北朝鮮を強烈に非難し糾弾する勝共議員の背後にいる文鮮明や、ブッシュに近い福音派、さらには、ブッシュの黒幕のロックケンフェラー、こういった人たちが、北朝鮮に直接の利害関係を持ち、ビジネスまで展開している。そして、北朝鮮が飛ばす、ノドンやテポドンミサイルの脅威に対抗する為のMD計画を担うのは、北朝鮮で鉱山開発をやろうとしている、当のユダヤ商人の会社なのだ。MD推進を声高に叫ぶ勝共議員やアメリカの共和党タカ派は、金日成の義兄弟である文鮮明から資金援助を受けている身なのだ。

こんな馬鹿な話があるだろうか。北朝鮮の軍事的脅威を煽り、それを商売に繋げて儲けようとしている連中がいる。そして、連中こそが北朝鮮に一番近いところにいる。ふざけた話だ。彼らが儲けるためには、北朝鮮にはいつまでも「脅威」「ならずもの国家」でいてもらいたいはずだ。北朝鮮が崩壊すれば、MD計画の名目はなくなる。 ここで、北朝鮮とロッケンフェラー・プッシュの利害が一致する。北の封建体制を維持したい金正日。北の軍事的脅威を言い訳にして稼ぎたいロッケンフェラーとプッシュ。かくして、両社の裏取引で、半島の軍事的危機が演出されるのである。その両社の仲を取り持ってきたのが、聞賎明の統率協会なのだ。

北朝鮮は、工作員を敵国に送り込み、宗教活動を隠れ蓑に使わせる手口をとりる。日本で摘発された北朝鮮スパイも、キリスト教の宗教団体をでっち上げて正体を隠していた。同じことが、もう少し大きなスケールであるようだ。聞をはっきりと、スターリンと金日成が送り込んだ共産スパイの成れの果てだと見極めるべき時期が来ているようだ。北の延命を望む金正日と聞賎明が、同じく北の延命が利益に繋がるブッシュとロックフェラーと組んで、MD詐欺を展開している最中のようだ。彼らにとっては、迎撃ミサイルに迎撃能力がなくとも、が当たらなくても一向に構わないのだ。金が儲かれば。

層和学会も極めて不思議な動きをしている。層和はフランスでは危険な「カルト」と認定されている。フランスの内務省は、層和の謀略組織的側面を見逃さなかったのだ。層和は、フランスで軍機密の核開発施設の近くに不動産を買って、核技術を盗もうとしたのだ。地元の有力者も組織に取り込もうとしたそうだ。盗んだ各技術を北朝鮮に技術供与するつもりだったのだろうか?そういえば、層和と関係の深いオヲムも原発技術を収集して、北朝鮮に供与していた。北の核兵器開発には、層和も寄与しているのだろうか?

層和の軍事技術泥棒には、三米商事のパリ支店を悪用したようであるし、どうやら、外務省内部の層和信者団体、大阿呆会も組織的に関与していた様子だ。三米は、全社まとめて、層和の巣窟と化したようだ。層和学会という団体の性格をもう一度吟味すべき必要があるようだ。層和は、名誉会長を含めて、「在日」主体の団体であり、在日の祖国のひとつは、北朝鮮だ。宗教を隠れ蓑に、軍事スパイまでやっている恐れが強い。これが、層和学会の真の姿なのである。

また、ネット上で、怪しい情報が流れている。層和学会が、南アフリカで武器弾薬を調達していると言うのだ。155榴弾砲、40ミリグレネードランチャー、自動小銃etc. ....一体、何に使うつもりなのか?後述するが、これから、層和が計画していると思われる「オヲム事件の本番」の際に使う予定の武器なのだろうか?層和外交官の外交特権を利用して、これらの武器は既に日本に持ち込まれているのだろうか?この異様な行為の裏には、層和と北朝鮮の濃厚な関係があるのだ。層和は、北朝鮮の出先機関である、統率協会と境界線のない、北朝鮮シンパ勢力に変容してきているのである。そして、その北朝鮮と蜜月関係にある在日宗教は、一方で、ロッケンフェラー、プッシュと手を結び、半島の緊張を煽ることで互いの利益を図っているのである。

北朝鮮は、極東における脅威であり続けることが、 封建国家体制存続の条件であり、プッシュ一味にとっては、北の体制が今のままであり続けることが、黒幕のユダヤ商人にとっての利益になるのだ。オヲムの母体である統率協会の聞賎明が、アメリカのプッシュ大統領親子と親しい関係だと言うのは周知の事実である。そして、大プッシュは、CIA長官を歴任したCIA人脈のボスである。 そして、プッシュの背後にはウオールストリートのユダヤ人大資本家が控えている。一方、統率協会は1990年ごろから北朝鮮に接触をはじめ、数千人の信者をピョンヤンに送り込んできている。ピョンヤンでは、麻薬事業に信者を従事させているほか、乗用車工場まで経営しているのだ。つまり、プッシュは、聞賎明を通じて、北朝鮮とのパイプを持っている。ミサイル防衛計画でぼろもうけできるユダヤ人が、プッシュを、そして、統率協会とオヲムを動かしているのである。そして、統率とオヲムが北朝鮮の王朝に働きかける。北朝鮮の軍事的挑発 行動は、MD計画で金儲けしたいユダヤの老人の望むところである。テポドンは、ユダヤの老人の意向で、プッシュが指示して、北朝鮮が発射したのである。お互いの利益のために。


檜垣の接触相手である裏組織に、半島人のみならず、米国の情報機関、CAIまでが関わっていたのには、こうした複雑な関係があったのだ。オヲムは、その意味で、CAIの指揮系統下にあったといえるのだ。 在日宗教の舎弟企業として巨大組織の末端に組み込まれた加東の会社に、ひとつの変化があった。今まで、取引先として長い関係のある非常に大きな機械メーカーが、裏からアプローチしてきたのである。つまり、「WELCOME TO OUR UNDERGROUND SOCIETY」という歓迎の意を内密にあらわしてきたのである。在日宗教の裏組織は、その大機械メーカーにも入り込んでいたのだ。三米重工業は世界最大の機械メーカーであり、日本最大の軍需産業である。軍需産業は、日本右翼社会の元締めである統率協会及びその政治部門である反共連合と切っても切れない関係にある。 さらには、巨大仏教系在日宗教団体の信者が、非常に多く、採用されていることも事実だ。歴代の防衛庁長官は、軒並み、反共連合の息のかかった右翼色の強い政治家が就任することになっている。統率協会 も層和学会も、30年も以前から、三米重工業の内部に深い根をを張っていたのである。
 

三米重工もまた、統率協会と層和学会の背後には、ニューヨークの老人がいることを熟知している。ニューヨークの老人は、世界の防衛産業のボスでもある。統率・層和に歯向かえば、三米は、ニューヨークの老人に歯向かっていることになる。そんなことをすれば、防衛商売で飯が食っていけなくなる。ニューヨークの老人の一族は、代々、大きな戦争の当局者双方に資金を融通することで、戦争に油を注ぎ、結果、武器弾薬を両方に買わせて、たっぷり儲けてきた。信じがたいことに、スターリンのソ連も、ヒトラーのナチスも老人の一族が中心となって、資金援助されていたのである。軍需産業に従事する限りは、この老人のご機嫌を損ねることはできないし、老人に唯々諾々と従っていれば、仕事は確実に回してもらえるのである。その意味で、統率 ・層和の舎弟企業のひとつになることは、企業としても、安泰を意味するのだ。

三米重工業は、ミサイル防衛構想の重要な部分を担うことになる企業でもある。北朝鮮のテポドンミサイルの脅威を理由にした極東におけるMD計画は、日本の設備するミサイルやイージス艦や偵察衛星を部分的に日本企業が製作する方向で話が進みつつある。 (この計画は絶対に実現しない無駄遣い計画である。米の民間研究者たちも、迎撃が現実的に不可能であるとの結論を出している。だが、ブッシュ政権にとっては、迎撃が成功しようがしまいがどうでもいいことだ。巨額の国費を費消し、黒幕のユダヤ人を儲けさせることが、傀儡政治家としてのブッシュの役割なのだ。むしろ、いつまでも成功させずに、莫大な開発費を、ハリバートンやロッキード・マーチンに落とせというのが、ニューヨークの老人のご命令であろう。)そうなれば、三米重工業にも初年度5000億円のMD予算のうち半分もしくは過半数が転がり込んでくる。防衛予算は、利益率の非常に高い「特命」商売である。喉から手が出るほど欲しい。勢い、三米重工は、統率と背後の黒幕に尻尾を振ることになる。さらには、統率協会が北朝鮮との窓口になって、金正日に働きかけ、ノドン・ミサイルを発射してもらい、不審船を出没させているのである。統率が仲介して、北朝鮮にならずもの国家を演じてもらっているからこそ、MD計画で国家予算を無駄遣いすることが許されるのである。統率と北朝鮮の関係が、軍需産業利権のためであることなど、三米重工の幹部にとっては、先刻承知のことなのである。



いったん、同じ舎弟企業群の末端に加わった加東の会社には、上部の高位の組織である三米重工業から、OBが派遣されることになった。これで、名実ともに「裏権力組織の一単位」として認められることになる。三米重工業が提示してきたのは、役員になり損ねた前部長であった。習学院出のこの部長、杉山が三米に入社できたのには、極めて明快な理由があった。杉山の父君は、戦後防衛庁の将官を勤めた人物であった。しかも、旧陸軍軍人であり、マレー半島の戦争で勇名を馳せた大将軍の副官だった人物である。非常に毛並みのよい陸軍軍人の息子であったがゆえに、三米にも入れたし、部長にまで昇進できた。だが、そこまでだった。どうしても役員にはなれなかった。会社が提示してきたのは、東京のぱっとしない中小メーカーの常務職だった。気に入らなかった。だが、 杉山が若いときから所属している裏権力組織の方からは、非常に重要な拠点であり、統率や層和、ニューヨークの本家組織とも利害のある大事なポストだと聞かされた。杉山は、自分を納得させて、しぶしぶと、東京の杉並 の古びた社屋に赴任したのである。杉山を迎えたことで、加東の会社は、宗教舎弟企業群の中でも1ランク上にステップアップしたのである。

脱 税

加東は税務署に強い反感を持っていた。過去に、見解の相違から、追徴を受けたことがあったのだ。その際に、税務署の係官から、恩着せがましく、「追徴の減額をしてやろう」と高圧的に持ちかけられたときに、加東は檄高して相手を罵倒した経験があった。「お前が自分の裁量で法律を捻じ曲げるな。法律どおり、きっちりと徴税しろ。」そう、がなりたてた頃の加東は、まだ腐った経営者ではなかった。

だが、カルトの舎弟企業となった今は、とにかく、一円でも多く儲けて、上納しなければならない。社内の裏仕事グループもおなかをすかしている。全面的で大掛かりな脱税を進めなければならない。加東は、驚いた。カルト組織が、大型脱税の手伝いを全面的に請け負ってくれるのである。税務署の摘発情報は逐一入ってくる。税務署内部にもカルトの構成員はいる。そのカルト信者が内部情報をどんどん流してくれる。 「来週の火曜日、調査が入ります。」と。そして、なんと、調査に来た税務署員のうちひとりも、カルトの仲間だった。加東の会社の脱税は、これでやりたい放題である。絶対にばれない。脱税した数億円の中から、カルトに所定の手数料を支払う。裏技グループにも臨時ボーナスを出す。だが、表側の経理状態は、赤字ぎりぎりの数字に粉飾しておく。、一般社員には、会社の経営が苦しいと説明する。4億円程度の比較的大型の受注工事で、1億5000万円の予算超過が発生したと偽る。勿論嘘である。そして、それを理由にボーナスを削る。社員は、 予算の積算をした役員に白い目を向ける。馬鹿な積算しやがって、おかげで、ボーナスもろくに出やしないと。だが、その役員は間違った積算などしていない。役員の仕事は、社員の怒りの矛先を引き受けることである。裏ボーナスの額を考えれば、その程度の役回りなど、たいした苦痛でもない。 おまけに裏側での論功行賞で、出世にも繋がる。損な役回りではない。

日本には、いくらでも脱税のできる人たちがいる。同じ宗教カルトのグループに属したその人たちが、脱税で捕縛されることは無い。取り締まる側にカルトの仲間がいて、助けてくれるからだ。勿論、税務署のカルトにも 反対給付が用意されている。損をするのは、真面目に税金を払っている一般企業だけである。 カルトの脱税組織は、日本全国に網羅されている。カルトの舎弟企業になれば、この恩典を受けることができる。そして、「保険料」の類である上納金を上部組織に納めるのだ。こうして、本来は国庫や市町村に入るべき税収が、カルトの懐に消えていく。そして宗教舎弟企業は、すき放題の脱税をし、日本の国家財政を危うくする。


保険金

一方で、杉並本社の「裏仕事グループ」に不満が鬱積してきた。檜垣が約束した裏給与が滞っているのだ。思ったとおり、裏収入が入ってこない。オヲム 、つまり、統率・層和の半島人グループからの上納金の要求が厳しく、余剰金は片っ端からさらわれてしまう。白沢や仲村は露骨に不満をぶつけてくる。ヤバイ仕事をやらされているのに報酬が無いのは、約束違反だと詰る。檜垣も加東も困った。

東松山でも、また、困ったことが発生していた。子会社の営業職の男が、作業員のエレベーター事故死に疑問を口にし始めたのである。酒が入ると、男は、「あれは、誰かが殺ったんだ。」と 、東松山名物の味噌ダレの焼き鳥を頬張りながら、飲み屋の常連に吹聴した。放置しておけない。この男も処分対象か?檜垣から、この男のことと裏仕事グループの不満の問題を報告されたオヲムの担当者は、 無言で、うなずいた。それが、「処置します」という回答の印だった。両方とも解決すると言う意思表示だった。


東松山の営業職、
左藤梅は、久々に杉並の本社からやってきた親友の仲村龍二と酒を酌み交わしていた。杉並在勤時代からの飲み仲間である。一番の親友の来訪に心は弾んだ。だが、 普段なら、無駄に明るいといってもいいような、いつもの仲村らしさは無く、なぜか湿っぽい酒になった。 左藤の目を見ようとしない仲村のよそよそしさが気になった。だが、仲村の持つビールのグラスが、緊張で、かすかに震えているのに、左藤は気づかなかった。夕食後、仲村と連れ立って、夜道をふらふらと歩き出した。仲村は、ちょっとションベン。そういって、道端の暗がりに入ってい く。街灯と街灯の間の薄暗がりをふらふらと歩く左藤の背後から、濃紺のトレパン姿の男が音も無く近づいた。男の右手には、透明の液体が充填された注射器が握られていた。男は、注射器から液体を押し出し、左藤の首筋に噴射した。 即効性のある薬物だ。左藤は、その場に崩れ落ちた。「左藤は、夕食後、急に気分が悪くなり、付き添われて病院に入院した。」と周囲に報告がなされた。そして、一週間ほどして死んだ。死因は、誰もはっきり口にしなった。左藤の訃報を杉並本社にもたらしたのは、例の裏仕事グループのメンバーたちだった。なぜか、興奮したようすが見て取れた。彼の死を報告しに来た白沢は、死因を聞かれて、口篭もって、「よくわからないわ」と答えた。左藤は東松山でひとりで生活する独身者だった。田舎から兄が駆けつけた。兄弟で松竹梅と名前を分け合った三人は、一番下の弟を失って、「松竹」になってしまった。梅夫の遺骨は、兄の手に抱かれて、寂しく、東北のふるさとの街へと帰っていった。 松夫も竹夫も、末の弟の骨壷の灰に、特殊な致死性薬物の残滓が含まれていることも知らずに。

杉並の「裏仕事」グループは一種の集団興奮状態にあった。左藤には、多額の保険金が掛けられていたのである。

オヲムの舎弟企業化した後、加東の会社は、オヲムのために多くの便宜を図っていた。工場のある羽村や昭島に、 加東の会社名義で事務所を借りてやるのもその一環であった。オヲムは、上九一色村から逃げてきた信者たちをそこに収容した。彼らは、なにやら、おかしな事業をはじめた。アジア技研興業と看板の掛けられた事務所では、なんと「保険金殺人の代行業」を始めていたのである。もともと、オヲム時代からやっていた実績ある事業だと言う。メンバーも勝手のわかったプロばかりだと言う。 実は檜垣は、社内の「これは」と思う社員には、一年ほど前から、複数の保険金を掛けられていたのだ。組織が会社に介入してきてからすぐに,そうするように指示を出していたのだった。左藤は、家庭を持っていない、「騒ぐ家族のいない」狙いやすい独身男だった。裏仕事グループの臨時収入の道具として、1年ほど前からノミネートされ、保険まみれにされていたのである。

保険金殺人代行組織は、左藤梅夫の殺害に際して、周到な準備をした。保険金詐欺を疑われないよう、ダミー会社を設立し、左藤を勝手に代表取締役として登記し、巨額の 経営者保険や、会社保険を掛ける。それ以外にも会社名義で小口の保険を複数掛ける。死亡時受け取り保険金が300万円以下なら、保険協会のコンピューターにも登録されない。だから、小口でたくさん掛けられるだけ掛ける。驚いたことに彼らは、保険会社内部にも仲間を持っていた。その仲間たちは、あの仏教系の巨大宗教の信者でもあった。 左藤の身代わりに用意された同年輩の人物が、保険会社の健康診断に臨む。保険会社の嘱託医は、その人物がダミーだと知っていながら、涼しい顔をして診断書を発行した。

「はい、左藤さん、おおむね健康ですね。」

「ありがとうございます。」左藤の身代わりの層和学会員、金成進は慇懃に医師に頭を下げた。

いつものあの連中の仕事なら、絶対にばれない。俺も、小遣いがはいるし、誰も困らない。女房もあの宗教に入っているし。医者には、確信があった。保険会社の本人確認など、ほとんど形骸化していた。 医師が本人と認知する方法論すら規定がなされていなかった。さらには、医師がグルであれば、100%確実にうまく行く。被保険者の承諾書も、簡単に偽造される。用意周到な保険金詐欺が、保険会社内部関係者とともに進められ る。保険会社の内部関係者を保険金殺人に関与させるのは、保険金詐取を目論む首謀者にとっては、必須の条件である。事後、保険会社の調査部が、「事件性」を疑ったとしても、社内の人間の犯罪関与がわかれば、事件として部外に漏らせなくなる。会社全体の不祥事に発展してしまうからだ。そこで、保険会社は、何も言わずに黙って保険金を支払う。それが犯罪であることを知っていても、闇に葬る。会社の信用を維持するために。

左藤梅夫は、即死ではなかった。山朽敏雄の息のかかった病院で一週間ほど生きてから死んだ。いや、正確にはそうではない。一週間ほど意図的に延命された後、教団の用意した薬物で、引導を渡された のだ。 倒れてすぐに死んだのでは、原則として、検視解剖に回さなくてはいけなくなる。本当に解剖すれば、死因が薬物であったことが発覚してしまう。左藤は、検視を避けるために一週間生かされたのである。薬物の投与自身は、志願した裏仕事グループのメンバーのひとりが実行した。医師は、 最後の直接の殺人行為だけは、やってはくれない。裏社会では、ヤバイ仕事を引き受ける人間こそが、出世していく。グループ内での評価の欲しい仲村が、率先志願して毒物の入った注射器を握 る。裏仕事グループの何人かが、ベッドの脇で青ざめながら、仲村の所作を見守る。事後に逃亡脱落しないように、殺人場面に立ち合わせて「共犯」意識を植え込むのである。仲村は、親友を自らの手で殺害することにより、晴れて一人前の犯罪者となった。 犯行に直接関与させることにより、裏切りのできない境遇に追い込む。秘密を握ることで、次から次に、犯罪に従事させる。仲村は、便利で立派な犯罪実行行為者として、カルト教団から指名されたのである。

病院の医師も看護婦もオヲムではない別の仏教系宗教団体の構成員だった。病院自体が、特定の宗教と繋がっている様子だ。教団は違っても、医療関係者の彼らには横のつながりがある。宗教とはかかわりの無い「民族」という共通点があるのだ。一、二代ほど前から国籍は日本でも、心は違うところにある日本人が、わが国にはたくさん生息しているのである。そして、その日本人であって日本人ではないような人たちの見えない横のつながりが、厳然として存在するのである。

警察はあえて検視解剖に回すことはしなかった。山朽敏雄の根回しもあり、警察は、左藤の死亡事案を自然死として、穏便に処理した。警察が動かなければ、保険会社は、支払いを止める理由は無い。 各社とも支払いを承諾してきた。保険金は、特に問題なく、死亡後二週間ほどで、それぞれ支払われた。そして、えさを待つ野鳥の雛のように、口を開けて欲しがっている裏仕事グループのメンバーに、やっと、分配金が支払われたのである。白沢も仲村も破顔して喜んだ。こんな大金を一度に手にしたことは無かった。無二の親友の命を金に代えて手にした中村は、もはや、良心の痛みを感ずるほどの理性も失っていた。仲村は、札束を両手にしたまま、白沢と馬鍬い、下半身でつながったまま、ふたりして嬌声を上げた。 白沢は垂れ切った、先端の黒ずんだ乳房を弾ませて、男を貪った。梅夫は、この元親友と浮気相手のために、心ならずも、自分の命を金に換えて、献上したのである。

だが、オヲムは隠匿物資の存在を気にかけていた。警察の捜査も狭まってきた。オヲムの黒幕とて、警察全てを支配できているわけではない。警察全体の動きをコントロールはできていない。メディアの追求も気に掛かる。 息のかかった読書、経三、昧日は、コントロールできるが、伸潮をはじめとする週刊誌メディアは、その限りではない。広告代理店の雷通を通じて、偽情報を流し、オヲム事件の真相には肉薄できないようには配慮しているが、制御の利かない週刊誌系のメディアもある。彼らに東松山の隠匿物資を嗅ぎ付けられてはまずい。 どこで嗅ぎつけたのか、加東の会社の埼玉の子会社のひとつに、週刊誌の記者が取材に来たと言う。どこで、情報が漏れたのか?

隠匿 物資そのものを抹消してしまうしかない。そう、判断したオヲムの幹部、つまり、統率協会の外国人幹部は、杉並の加東に通達を出した。東松山の倉庫を倉庫ごと燃やすと。連絡を受けた加東は、ゆっくりと立ち上がり,自席の後ろの灰色の書類ロッカーを開けた。「火災保険」と書かれたファイルをぱらぱらとめくった後、加東は、オヲムに「火事 了解」の連絡をするよう、檜垣に目配せした。

東松山の倉庫が突如、火事になった。包装材料などプラスチック類の倉庫だった。どんどん燃えた。面白いように燃えた。よく燃えるように細工がされていた 。東松山消防署が駆けつけ、半焼状態で鎮火した。現場の消防署員は、上層部の隠れた思惑など知らない。必死に火と闘い鎮火させてしまった。現場の消防隊員は、まだしっかり鎮火していないのに撤収すると言う消防隊長の指令に首をかしげていた。このまま帰ったら、再出火するかもしれないのにと思った。いつもの火事では遭遇しないような変わった匂いのする火災現場だった。そして、案の定、消防隊が帰った後で、再度出火した。いや誰かが出火させた。そして、今度は倉庫は全焼した。1トンを超える北朝鮮純正の覚醒剤は灰となった。LSDの原料も消えてなくなった。 数種類の毒ガス類も酸化されて、別の化学物質に姿を変えた。もっとも、銃器や弾薬類は予め運び出され、加東の会社の系列の東北の工場に移されていたが。

加東は、
杉並本社で「消防署に燃されたようなもんだ。」と心にも無い憤懣を加えつつ語り、再出火が消防署の責任だと強調した。「火災保険で元は取れるんじゃないですか?」と聞かれた加東は、とんとんだと答えた。どす黒い悪意が、加東の口から炎のように顔を出 した。

武装蜂起

オヲム騒ぎは一段落した。加東の会社の隠ぺい工作も一応、成功し終息を見た。当面、恐れることは特に無い。オヲムの名を借りた統率協会と層和学会の半島系譜人たちは、オヲム撤収後の計画通り、全てを 水面下で進行させる。1995年末に実施するはずだった日本同時多発テロを、いつ、決行するのか?それまで、戦力を温存し、武装蜂起に備えなければならない。資金稼ぎも必須だ。

 

オヲムの武装計画の目的は、日本の司法によってもメディアによっても全く解明されていない。解明されては困る世界権力が 、オヲムの背後にいたからである。オヲムの騒乱を利用して、大きな世界規模の戦乱を招こうと計画していた、ニューヨークの摩天楼の老人は、 オヲム事件の真相を隠蔽するよう、日本の飼犬たちに命じたのである。 老人とつるんだ二大宗教、その二大宗教に支配される政権与党の2党、老人と在日宗教の双方と関係の深い大手新聞社三社とその系列のメディア、そして、ニューヨークの老人の支配権の及ぶ日本の広告界が、オヲム事件の真相隠蔽に八面六臂の活躍をしてくれた。「マインド・コントロール」なるオヲム事件の本質とは全くかかわりの無いたわごとを垂れ流し、世間の目を釘付けにして、オヲムの真相を見事に覆い隠して見せたのである。ニューヨークの老人は、隠ぺい工作の中心となった、子飼いの雷通の幹部の忠誠を高く評価した。 そして、ニューヨークの老人と直接のパイプを持った、大衆扇動のためのメディア、読書、経三の2新聞の幹部にも、その功労を称えた。

層和学会の支配下にある昧日新聞も「坂木弁護士がどこまでオヲムの背後関係を知っているか」探るために、動員された。昧日の子会社のTSBテレビが坂木弁護士のインタビューを撮影したのは、坂木弁護士が「組織にとってまずい」情報をどこまでつかんでいるかを探るための、層和学会在日裏部隊による茶番劇だったのである。そのインタビューの結果が、組織が「坂木処刑」を決めた直接の原因である。坂木は、組織にとって極めて危険な情報をつかんでいたのである。坂木弁護士の口から、オヲムと北朝鮮の関係が語られれば、全ては水泡に帰する。だから、緊急避難的に坂木弁護士は、処分された。オヲム事件の裁判では、殺害実行者は、オヲム信者だと言うことになっているが、これらは、濡れ衣を着る目的で名乗り出たダミーである。オヲムに潜入していた統率・層和の狂信者が、幹部から言い含められて、犯人を演じているに過ぎないのである。実際の犯人は、層和が雇った山朽組系権藤組のヒットマン3人であった。ヤクザの仕事だったのである。坂木一家は、自宅で絞殺されたことになっている。だが、これも事実とは相違する。坂木弁護士に近い、坂木弁護士とは「警戒心を抱かせない」関係のある女性が、坂木宅を訪れ、歓談して後に一家を外に連れ出した。予め、女と示し合わせて待機していたヤクザが、彼らを拉致して、山中で頭部を鈍器で殴って殺害したのである。坂木弁護士は、 もとより絞殺などされていないのだ。そして、神奈川県警の監察医が、真相隠蔽に動員された。たった3人しかいない神奈川の監察医のうちの一人、伊東医師は、オヲム事件の黒幕の要請どおり、オヲム信者の供述に辻褄を合わせて、坂木弁護士の死因を絞殺と断定したのである。 勿論、特別の報酬を約束されてである。

この伊東医師は、過去にも絞殺死体を水死と検視するなど札付きの「裏社会御用達」の監察医であった。この監察医に裏から頼めば、他殺死体も自然死と監察してくれるのである。保険金殺人で儲ける裏社会の人たちにとっては、得がたい最大の協力者である。 この監察医が「自然死」だとお墨付きを出せば、保険会社は、保険金を支払わざるをえない。事件性を疑ったとしても、監査医の診断は、絶対なのである。彼は、オヲム事件でも当然ながら、裏社会のために最大限の協力を提供した。K腹を肥やすために。この人物、最近では、横浜の路上の死亡事案で、実施していない解剖をやったと偽り、他人の心臓を解剖した証拠だとして法的に提出して大問題を引き起こしている。 そろそろ、裏社会のほうから口封じのための処分の動きがあるかもしれない。
坂木弁護士は、オヲムの背後組織の秘密をつかんだがゆえに、家族もろとも抹殺された。まことに残念な結果である。だが、坂木弁護士が裏情報をつかんでいたと言う事実は、オヲムの裏組織の計画に急ブレーキをかけた。日本有事と半島有事の同時作戦は、「坂木弁護士から、裏情報が外部に漏れているかもしれない。」という恐れから、中止、断念せざるを得なくなったのである。そして、オヲム事件をオヲムの単独犯行と偽り、全てを浅原と言う傀儡人物一人に押し付けて終息させる「撤収作戦」が開始されたのである。たった一人の弁護士の努力が、極東と世界を戦乱から救ったのかもしれない。50万の正規軍の大群が突如、38度線を越え、韓国になだれ込んで、我々の友邦、大韓民国を蹂躙し、殺戮することを、我々の国の首都のど真ん中に、生プルトニウムがばら撒かれ、首都圏が一切の機能停止に陥ることを、たった一人の法律家が阻んだのかもしれない。坂木弁護士と家族の命に代えて。

もうひとつ、オヲムの軍事行動を断念させた事態が、1995年当時、北朝鮮国内において発生していた。それは、軍部によるクーデター未遂事件であった。ソ連留学組の将軍が、金正日を打倒しようと立ち上がろうとした。だが、北朝鮮の密告システムに引っ掛かり、あえなく捕縛されてしまったのだ。北朝鮮では、何年に一度か、中隊規模のクーデター未遂事件は起きている。それだけ、軍人の間にも不満が鬱積しているということだ。だが、これらの試みは悉く、事前に発覚し、首謀者たちは逮捕され、すぐに処分されてしまうので、それ以上、重大な事態に発展することは無い。しかし、1995年当時の反乱は、金正日にとって、大きな脅威となる要素を孕んでいた。 密かに一番信頼していた高級軍人が、クーデターに参画していた恐れがあるのだ。頼りにしている軍部に反乱分子がいた。こうなると、南進どころではない。軍幹部を粛清し、組織を立て直さなくては、自分の命すら危ない。 下手に今、軍に作戦行動を命令すれば、38度線に向かうはずの軍が大挙して、金正日の宮殿を取り囲むかもしれない。そんな強迫観念に襲われた金正日は、計画を断念して、その旨を聞賎明に伝えた。聞賎明は、計画実行を強く主張したが、萎縮しきった小心者の金正日を説得することはできなかった。宮殿から、緊急避難用の隠し飛行場まで、トンネルを掘らせて、クーデターに備えている、小心者の独裁者には、南進どころではなかったのだ。こうして、金正日は、半島の軍事行動に呼応したオヲムの日本有事計画も、無期延期せざるをえなくなったのである。

(オヲムの真相隠蔽に、主体となって働いた、統率、層和の2教団は、口封じのために、巨額の金をばら撒いた。松本サリン事件で、オヲムのサリン散布よりもずっと早い時間に、毒ガス被害が発生していたことを、メディアに語った人物は、分厚い封筒を見知らぬ人物から受け取ってから、一切を語らなくなった。統率協会の支配下の民自党と層和学会の政党である公正党は、互いにオヲム事件の秘密を共有し、真相隠蔽のために野合した。 )

オヲムの武装蜂起とは、北朝鮮の朝鮮半島における軍事行動に呼応した陽動作戦だった。1995年11月、オヲムが東京上空でロシア製大型ヘリからサリンを散布することで、オヲムの軍事作戦は展開される手はずになっていた。 オヲムの早河は、強制捜査直前にウクライナで飛行機二機分の武器弾薬を調達している。これらが、秘密裏に日本国内に持ち込まれ、今でも、武装蜂起に備えて隠匿されているのである。武装蜂起の目的は、騒乱を起こすことそのものであった。騒乱は最初から成算のない、失敗確実の計画だった。どう間違っても、オヲムが国家転覆を成し遂げ、政権を奪取することなどありえなかった。 勿論、オヲムの一般信者は、武装蜂起の真の目的など知らされていなかった。彼らの大半は、オヲムの手で理想の国家を作るんだと純粋に信じていたのである。もっとも、彼らは騙され使役されるために勧誘された日本信者ばかりであったが。オヲムの核心的階層は、日本ではなく、半島の「系譜を持つ人たちだったのである。

オヲムの黒幕にしてみれば、 むしろ、武装蜂起を中途半端で失敗させることが目的だった。事後、反動を利用して日本に強権的な軍事色の強い政権を樹立することが求められたのである。オヲムの同時多発的な軍事行動は、日本中に大混乱をまきおこす。通信系統も破壊される。横須賀、横田、厚木、佐世保、嘉手納の在日米軍基地直接の攻撃を受ける。基地の戦闘部隊 にも、内部のカルト系日本人従業員の手引きで強烈な食中毒が蔓延する。日本と在日米軍が混乱のさなかにあるとき、朝鮮半島で、突如、38度線が破られる。50万の北朝鮮正規軍が韓国に退去して流れ込む。 緒戦は、先に攻めた方が絶対に有利である。一週間もしないうちにソウルは共産軍の手に陥落する。

第一次朝鮮戦争では、日本が米軍の反攻基地になった。日本から繰り出された米軍兵力が、北朝鮮軍と中共軍を蹴散らした。共産勢力は38度線の北に押し返された。金日成の息子は、この教訓を 決して忘れてはいない。まず、在日米軍兵力を無力化しなければ、北朝鮮による半島の恒久的占領はなしえない。まず、在日米軍の行動を妨害し、軍事反攻の準備をさせないこと。横須賀の空母の出港を遅らせる こと。沖縄の海兵隊をインチョン港に再上陸させないこと。嘉手納のB52爆撃機を飛来させないこと。その間に、韓国全土を占領し、北による支配を確立すること。そして、米軍の反攻の動きに対しては、日本に 向かって保有する核 を使用すると恫喝して、半島への米の軍事介入をけん制する。 そして、北朝鮮の友邦、中国が人民解放軍の大部隊を朝鮮との国境地帯に移動させる。アメリカが半島に対して反攻に出れば、中国も介入すると言うシグナルである。のど元に核爆弾を突きつけられ 、中国の参戦による全面戦争化を避けざるをえない格好のブッシュは、止む無く、朝鮮半島の放棄を宣言する。 米国内では、半島で核を使うことを主張する強硬派もいる。だが、北朝鮮に核の洗礼を浴びせれば、2日後には死の灰が、韓国に降り注ぐ。南北の間には、高い山が無いからだ。そして、風向きしだいでは、核の灰は、中国の東北地方や遼東半島を襲う。そうなれば、米中の全面戦争に発展してしまう恐れがある。ましてや、核攻撃には核攻撃で反撃されることははっきりしている。東風核ミサイルを持つ中国も黙ってはいない。だから、核は使えないのである。

「日本に核の洗礼を受けさせるのは忍びない。半島への無謀な軍事攻勢は、金正日の自殺行為的核攻撃につながる恐れがある。友邦国家、日本を壊滅させるわけには行かない。」

だが、これとて、北朝鮮とブッシュ一味の間の密約に基づく、シナリオ通りの半島放棄でしかない。半島の共産化は、ブッシュと背後の資本家にとっては、長年、渇望してきた理想的事態なのである。ブッシュ政権と北朝鮮が鋭く対立しているかのように演じてきたのは、互いに権力を維持し、金儲けするための必要不可欠な条件だったからである。

こうして、韓国はブッシュ政権の手で見捨てられ、半島に出現した統一共産国家は、恒久化される。ブッシュの背後の黒幕であるニューヨークの老人は、半島の赤色統一という所期の目的が実現し、小躍りする。老人が親の代から、裏でつるんでいた中国共産党の幹部も、老人の野望に加担してくれる。成立した統一朝鮮を中国が承認し、中国・ 統一朝鮮の共産連合が樹立される。ソ連に変わる「東側」の勢力が誕生する。第二次冷戦構造成立の端緒である。そのために、中国の旧勢力の象徴である、江沢民が今まで権力の座にとどまっているのである。江が軍事委員会の主任の地位にある限り、江が 、胡体制下でも院政を続ける限り、人民解放軍は、ニューヨークの老人の思惑で動かせるのである。そして、冷戦再構築成功の暁には、老人の仲間である統率協会の朝鮮人指導者も、巨大仏教系宗教団体の帰化人教祖も、同じように顔を歪ませ、老人と抱擁しあうのである。共産主義の復活を三人で称えあうのである。

そして、オヲムのクーデターは予定通り失敗に終わる。そして、オヲムの武装蜂起の本当の目的を知らずに動員された無知蒙昧な日本人狂信者たちが、捕縛される。オヲムの名を騙った統率や層和の朝鮮人信者、帰化人信者たちは、逮捕を逃れ地下にもぐる。この騒乱の反動で、日本には極めて保守的傾向の強い強権的な政権が樹立される。タカ派ばかりを並べた過激な右翼政権である。閣僚や重要ポストの人物は、どれも統率協会によって政治資金を注入されてきた、聞賎明の飼犬たちである。そして、連立政権の片輪となる公正党もまた、在日と帰化人によって支配される勢力である。かくして、日本は、今よりもまして、在日・帰化人勢力によって完全に支配されることになる。

こんな世界改造計画が、日本と朝鮮半島の動乱を契機に1995年に準備されていたのである。だが、その計画は、実行予定よりも半年ほど前になって、停止された。そして、オヲム事件と言う「撤収作業」が敢行されたのである。 この日本有事の蛮行にブレーキをかけたのは、家族もろとも抹殺されてしまった、あの坂木弁護士だったかもしれない。オヲム神霊教と外部の第三者の関わりを知った坂木弁護士は、オヲムの秘密を握っていた。坂木のつかんだ事実が公表されれば、オヲムと北朝鮮の関係がばれてしまう。そうなれば、長年の計画だった半島の武力統一も不発に終わってしまう。だから、急遽、作戦を中止し、坂木一家を抹殺したのではないか。 だが、彼らは、この試みを放棄したわけではない。加東の会社を舎弟企業化したオヲムから逃れてきた一派は、まさに、この騒乱計画を再度遂行するために下野してきた準軍事組織の面々だったのである。

そして、この騒乱計画を再度試みる環境を維持しておくために、オヲムに対する破防法の適用が見送られたのである。オヲムに破防法を適用する動きは、日本有事計画を諦めていない闇の勢力により廃された。オヲムは、来る日本有事の際に、武装蜂起の主体として濡れ衣を着るという重要な役割を果たすために、温存されたのである。そして、統率、層和から組織維持のための資金が、恒常的に流れ込んでいる。

 

薬 物

桧垣は自らの犯した経理犯罪にがんじがらめに縛られていた。高椙同様にターゲットにして小金を盗み取ってきた社員は、 ほかにも何人かいる。彼らが、高椙のように、桧垣の不正に気づけば大変なことになる。檜垣は夜も眠れない。会社に寄生している在日カルト組織に相談を掛ける。彼らは、犯罪と名のつくことなら、ありとあらゆる 対策を持っていた。どんな、問題でも、3つの解決策を持っている。 まるで優秀な企業のようだ。煩い人物の口封じの方法はいくらでもあるし、口封じだけではなく、同時に生命保険で儲けろと指示される。

カルト組織は、さまざまな類の薬物を所持し流通させていた。オヲムの薬物密造は、後にたくさん報道されているが、実際に、彼らはありとあらゆる薬物を駆使して、洗脳や犯罪に利用していたのである。
 

オヲムの第7サティアンは、オヲム裁判では、サリン・ガス製造プラントであったことにされている。だが、これは、明らかな嘘であり、裁判官、検察官も一緒になって、真実を隠蔽しているのである。(東京地検には、少なくとも12人の層和学会員の検事が作為的に 戦略的に集められているという。)彼らは、日本国の法律ではなく、層和学会の本部の在日幹部や、虎ノ門の某国大使館の中のユダヤ人ばかりの情報機関、さらに上のウオール街の老人の意向で、裁判を進めるのである。法律ではなく、 オヲム事件の黒幕が「あれは、サリンにしておけ。」と指示したがゆえに、第7サティアンは、サリンプラントだということにされたのである。そして、その真っ赤な嘘を暴かれないうちに、裁判も進まない中、早々と 第7サティアンのプラントは取り壊され、証拠は隠滅されたのである。「近隣住民が早く取り壊してもらって忘れたい」といっていると、どうにも下手な言い訳をつけて。

オヲム事件の公判で、プラントを設計したはずの張本人が、この設備でどうやってサリンを作るのか、技術的説明ができずに狼狽する場面があった。朝日新聞が記事にしている。そして、面白いことに、被告を追及する弁護士を裁判官と検事が「細かいことはいい。本人ができたといっているんだからいいじゃない」と信じがたい追求阻止を行っているのだ。東京地裁と東京地検には、特定のカルト宗教に影響を受けた裁判官、検察官が生息している。彼らは、法律の番人ではない。カルトの代理人でしかないのだ。悲しいことに、日本の司法は、オヲム裁判で死んだ。自殺したのである。

また、別の公判では、オヲムの土矢被告が、地下鉄サリン事件で使われたサリンは、自分の作った物と組成が違うと主張した。メディアは、土矢の主張を罪から逃れたいための詭弁だと決め付けた。だが、地下鉄サリンで使われた毒ガスは、土矢の作った粗悪品などではなかった。あの事件では、数種類の毒ガスが複合して使われている。中にはサリンもあったが、土矢の作った一液型ではなく、直前に、単体では無害の二液を混合して、猛毒サリンを発生させるタイプのものだった。サリンにしても、ほかの毒ガスにしてもオヲムの作ったものではなかった。れっきとした軍隊の化学兵器製造工場で作られた複数の毒ガスが東京に持ち込まれて使用されたのだ。オヲム風情の仕業ではない。第三国の正規の化学兵器が使用されたのだ。それでは、土矢の作ったサリンはなんだったのか?土矢は、オヲムでサリンを製造していたという事実を残すだけのために、研究を命じられていたのである。土矢が良質のサリンの生成に成功しようがしまいが、黒幕にとってはどうでも良かった。とにかくサリンらしきものであればよかった。最初から、土矢の作った毒ガスなどは使うつもりはなかったのだ。土矢たちオヲム信者は、罪を負わせるために、「オヲムの犯行だ」と世界に勘違いさせるために、騙されてサリン製造に投入されていたのである。そして、実際には、各種の毒ガスが使用されたにもかかわらず、警察は、サリンのみが使われたと偽った。オヲムでは、それだけ多岐にわたる毒ガスを製造などできていない。だから、辻褄を合わせるために、便宜的に「サリン」に統一したのであった。全くの嘘がまかり通っている。

松本サリン事件でも、謀略が用意され、国民も世界も完全に騙された。松本の事件では、確かに当日オヲムがサリン散布車を走らせた。だが、不思議なことにオヲムが走り回った時間よりもはるか以前に被害が発生しているのだ。さらに、宇宙服のようなものを着た人たちが目撃されている。オヲム信者ではない。自衛隊の化学部隊だったのだろうか?ここでもオヲムは、罪を全て押し付けられると言う使命を果たすために、騙されて「サリン散布車」を乗り回したのである。黒幕の甘言に乗せられて。実際の被害は、オヲムではない連中の撒いた毒ガスで発生していたのだ。そして、これらの作業に従事した信者たちは、一様に「アサハラの指示でやった。」と、証言している。彼らは、アサハラの指示で動く部隊ではなかった。彼らの本当のボスは、教団の外にいる別の宗教団体の幹部だ。彼らは、「全てをオヲムの責任にしつけて、オヲムの単独犯行だった」と思わせるために動員された、別の宗教・別の国家の息のかかったスパイ信者だったのである。全ての責任は、アサハラにあると誰にも思わせることで、世間の目が、オヲムの背後にいる統率や層和、そして北朝鮮に向けられるのを回避したのである。大変なお手柄だ。

松本サリン事件では、当初、民間人の甲野さんが犯人と決め付けられ、マスコミは甲野さんの周囲に群がった。しかし、これも、シナリオどおりの隠蔽劇の一幕だったのだ。層和信者である甲野さんは、結果として層和学会の危機を救った、教団の功労者と言うことにもなる。事件の黒幕は、最初から、甲野さんという薬物を多く所持している人物が、事件(予定)現場近くに在住していることを知っていた。そして、「ちょっとの間、彼に罪を擦り付ける。」目的で、偽被疑者として起用、否、利用したのだ。ご本人に自覚はないが。松本サリン事件の真犯人は、第三国の化学兵器部隊である。事件直後にその証拠を隠滅し、部隊員を安全に撤収させなければならない。その時間的猶予を作るために、警察とマスコミが、甲野さんに掛かりきりになり、ほかに目が向かないように工作したのだ。黒幕の息のかかった警察幹部が、マスコミに甲野さん犯人説を盛んにリークする。マスコミは一斉に甲野さんに群がる。真犯人は、その隙を利用して、さっさと遺留品を回収し、北陸の海岸から、夜半、ゴムボートで沖合いに出て、小型潜行艇に拾われて、領海外に逃れたのである、行く先は、北方にある半島の、東海岸の軍港だった。

東京地検の宗教臭のする検事たちは、背後の邪教のために、またまた、大ヒットを飛ばした。オヲムの薬物事件の起訴自体を取り下げてしまったのである。オヲム事件の審理を敏速に進めるために、瑣末な案件は切り捨てるというのが、東京地検の説明であった。極めて異例な措置である。過去には、被疑者死亡などの例以外では決してなかった異常な事態である。オヲムの薬物密造の背後にいて、暴利を貪っていたほかの宗教、そして、薬物の流通に携わっていた暴力団が、背後関係を暴かれるのを防ぐため、東京地検のカルト検事を動かして、起訴を取り下げさ せたのである。これが、汚い裏社会の犯罪隠蔽の手口である。日本は、ここまで落ちた。信じがたいが、ここまで零落れたのである。

サリン・ガスは、極めて毒性の高い毒ガスであり、微量でも漏れれば、大きな被害が出る。第7サティアンの設備には、換気設備が付随しておらず、またひどく老朽化していて、亀裂も多々見られたという。海外の専門家はあの設備を見て、一言こういったという。「あそこでサリンを試作したとすれば、オヲムの科学者全員と上九一色村の住民の半分は死んでいたであろう。」と。オヲムは当初、この設備で覚醒剤を密造していた。だが、覚醒剤の製造工程で、豚小屋に似た酷くいやな臭いが発生する。この臭いの公害に、近隣の住民がクレームをつけて、騒ぎになりかけたことがあった。後に、この臭いは、サリンの製造工程で出た副産物の臭いだったと公式見解が出されたが、勿論嘘である。サリンは、無色無臭の物質である。オヲムでは当初、内部で覚醒剤を密造していたが、いまいち、市場での評判がよくない。そこで、覚醒剤は、オヲムの本国である北朝鮮からの密輸品に切り替えた。そして、第7サティアンでは、LSDを製造したのである。このように、オヲムは薬物密造に深く関与した麻薬宗教であったのだ。だが、その麻薬の伝統はオヲム独自のものではない。オヲムの親組織である統率協会は、発足当初から、南米での麻薬密輸やマネーロンダリングに従事してきた筋金入りの麻薬密輸機関なのである。統率協会成立当初に、日本の旧軍の麻薬密輸組織の長であった小玉義男や笹河亮一の指導を受けて、麻薬事業に着手している経緯がある。麻薬事業のパートナーも、大プッシュとCIA、イスラエルのシャロンといった、錚々たる世界の裏社会の帝王たちである。そもそも統率協会の潤沢な原資の源は、麻薬なのである。その麻薬利潤が、日本の反共 連合系の議員にばら撒かれ、日本の政治が行われている。日本の政治は、朝鮮人の麻薬密輸業者が管理しているということだ。朝鮮人の宗教ヤクザの提供する金と宗教奴隷信者の下半身奉仕が、日本の政治の方向を決めるのである。日本がプッシュ政権に加担 し、国民の反対を押し切ってイラクに派兵したのも、無理も無い。在日宗教の下半身サービスの賜物である。コスプレサービスもあるらしいが、詳しくは宗教サービスの愛好者の民自党元幹事長(落選中)がよくご存知だろう。

統率協会は、オヲム事件以降も、日本の麻薬業界を支配している。日本で最もよく消費される麻薬は、覚醒剤であるが、その6割以上が北朝鮮から密輸される。密輸の主体は、オヲム・統率・層和とも関係の深い山朽組系権藤組であるが、権藤組は、当然ながら、二大在日宗教が日本に持つ影響力を最大限に生かして、麻薬商売を維持しているのだ。統率協会は、北朝鮮のピョンヤンに数千人の信者を常駐させているが、一説にはこれらの信者自身が、覚醒剤の製造に従事しているのではないかという。警察や司法にも強い支配力を有する二大在日宗教は、摘発を恐れることなく、自由に麻薬の流通に携わることができる。むしろ、警察内部のカルトが摘発情報を逐一流してくれる。捕まるわけが無い。覚醒事案では、「背後の密輸組織の解明が急がれる」と必ず報道される。そして、ただの一度も、背後の組織が解明されたためしは無い。当たり前だ。警察に、背後の組織が陣取っているのだから。しかも、宗教非課税という特権が、麻薬のマネーロンダリングに最適の環境を提供する。宗教団体の経理の中身は、誰にも触れない。だから、そこに汚い金が集まる。麻薬資金も一旦、田池太作や渋谷の統率協会本部に集まり、そこから、サンパウロやニューヨークに「よい投資先を探して」送金されるのである。

覚醒剤で摘発される例は確かにある。だが、捉まるのは本命の連中ではない。麻薬事業に新規参入してきた非主流のヤクザ連中が捕まる。主流の既存の大手業者が、警察内部の在日カルト勢力を動かして、摘発させるのである。大手業者は、供給を独占して、市場全体を抑えたい。新参者が勝手に参入してきて、投売りし、覚醒剤の市場価格を下げるのは、営業妨害のようなものである。だから、警察を使って、摘発させるのだ。社会の各単位を横断して繋がりを持つカルト組織は、犯罪者にとって、利用しないではいられない便利な犯行システムなのだ。

カルト組織は、檜垣にも薬物を手渡した。桧垣の恐れている犯罪発覚防止の対策として、さらには保険金殺人の手段として、薬物を使うよう指導してきたのである。 殺された東松山の左藤同様に、近い将来、殺害して保険金に買える目的で、生命保険まみれにしている社員が、ほかにも何人かいる。そのターゲット社員や、高椙のように不正に気づく恐れのある従業員 を狙って、薬物を飲ませる。毎日、お茶に混ぜて少しづつ摂取させる。それでショック死か事故を起こして死んでくれれば、会社に保険金が入る。時期を見計らって、薬の量を一気に増やし、歌手の小崎ユタカのように、ある程度計画的に突然死させることも可能である。さらに、万が一不正に気づいて告発を始めたとしても、警察に「薬物中毒」で検挙させ 、口を封じることもできる。実際、同じ裏組織の仕事で、消されたジャーナリストも5人や10人ではないらしい。裏社会の追求に動いていた、うるさい新聞記者が、時々この手で、社会的生命を奪われている例も いくらもある。突然死させられた新聞記者もいる。ま

檜垣の組織でも、社員の自家用車の吸気孔に毒ガスの発散装置を仕掛けるなどと言った手のこんだ手口も使ったことがある。運転中に中毒で事故を起こさせようとしたのである。失敗はしたが。 運転者は、乗車後、目の前がちらつき、視界が揺らめくのを感じた。窓を全部開け、大きく深呼吸した。不快感はしばらく続いたが、なんとか、運転は続けられたのだ。幸運にも、檜垣らの仕掛けた薬物は、乗車時点で殆ど揮発し、致死性を失っていたのである。ターゲットがいつ、車に乗り込むか、計算 を間違えたのだ。

この、車に毒ガス装置を仕掛ける試みは、過去になんどか成功したことのある、組織の常套手段であった。本人の知らないうちに、ダミー会社の社長に祭り上げられた、ある中年男性は、ダミー会社が受取人になった、多額の会社保険を掛けられた上で、自慢の四輪駆動車のエンジンルームに毒ガスの発生装置を仕掛けられた。ガスを吸った男性は、意識を失いガードレールに車をこすって、横浜の公道の真ん中に立ち往生した。その様子を逐一見守っていた裏組織のチームは、警察署のカルト警官を出動させ、車を歩道近くに移動しただけで、男性を放置して立ち去らせた。 その際、ボンネットを開けて、毒ガスの入っていたポリ袋を取り除くのを忘れなかった。警官たちは、男性が致死量の毒ガスを吸引していることを知っていた。放置して、死んでもらうのがカルト警官たちの仕事だったのだ。そして、男性は予定通り、翌朝、保土ヶ谷の道路上で死体で発見されたのだ。後は、いつもの通り、裏社会御用達監察医のご登場である。センセイが、解剖したことに偽り、心筋梗塞と断定して一件落着のはずであった。これで、保険会社から、会社保険が支払われれば、組織の仕事は終わりのはずだった。だが、保土ヶ谷のケースはそうは行かなかった。家族が騒ぎ出したのである。家族は、男性を収容せずに放置した警察を責めた。さらに、解剖を 日常的に手伝っていた葬儀屋が、解剖死体ではなかったと言い出した。解剖した人体は、臓器が取り除かれているから軽い。すぐにわかる。警察は動揺した。嘘の死体検案書を書いた裏社会御用達の監察医も青い顔になった。この事件は、遺族の手で民事訴訟が起こされ、監察医が、解剖した証拠・心筋梗塞の証拠として提出した心臓の検体が、他人のものでしかも女性のものとわかり、大問題となっている。監察医は、例によって、オヲム事件の坂木弁護士の検視を担当し、死因を偽った、あのいわくつきの人物である。


さて、この薬物の混入の仕事を引き受けさせたのは、桧垣の直属の部下の若手OLであった。彼女は 当初、抵抗した。だが、檜垣から脅され、反対給付を提示され、沈黙した。彼女の就職を斡旋してくれた会社の幹部も、彼女を懐柔するために乗り出した。かくして、毎日、薬物を日本茶に混ぜる作業をいやいやながら強要される日々が続いたのである。


そして、危惧した事態が起きてしまった。経理の不正を激しく追及する人物が現れたのである。

Kは、加東の会社の海外営業を担当する人物だった。年間の半分以上も海外出張に出ている、営業社員の中でも一番、仮払いの頻繁な人物である。欲深い檜垣は、当然、Kに目をつけた。数十万ほどは、Kの経費からくすねる事ができた。だが、高椙の一件の発覚以来、檜垣は、不正が露見することを酷く恐れていた。カルト組織から指示されたいくつかの方法で、Kを陥れようと画策した。

Kの直属の上司は、仲村と首藤である。二人を使って、どうやって、Kを陥れるか?桧垣の仮払い不正がばれて騒ぎ出す前に、Kの弱みを握っておかねばならない。Kに経理上の明らかな不正行為を働いてもらえば、それをネタに告発を封じ込めることができる。Kの経理不正を誘発する作業を二人に担ってもらわねば。首藤と仲村は、檜垣に呼ばれ、渋々、その裏仕事を承諾した。首藤は、Kを何度かそそのかしてみた。

「海外出張で、航空券を良く買うだろうけど、安いチケットで行ったとしても 正規料金で買ったことにしてもいいんだぞ。そのくらいは、営業担当の裁量の範囲だ。」

だが、Kは何か胡散臭さを感じた。わざわざ、それだけを二度三度伝えに来る営業次長、首藤の意図に不純なものを感じたのだ。中国往復の正規運賃18万円の航空券は、5万円で買える場合もある。月に3回は海外出張するKにとって、毎月、33万のお小遣いが入ることになる。だが、Kは勿論、首藤の口車には乗らない。5万円のものは5万円で請求する。これでは、檜垣は「経理不正」の証拠など作りようが無い。

どうしてもうまく行かない。薬物も使ってはみたが、倒れてくれない。そして、ついに犯罪露見の日が来てしまった。突如、不正を糾弾はじめたKの扱いに、檜垣も加東も困った。会長に退いた加東から、社長職を譲られていた「1億5000万積算間違い」担当の新社長、甲野も焦った。黙らせるための作戦が、「裏仕事部隊」によって緊急に発動された。檜垣と側近の女性経理社員、村中は、Kを小会議室に呼んだ。Kが不正を指摘している「仮払い」について説明すると誘った。だが、実際は、小会議室で、Kのちょっとした経費請求の過ちを大げさに「不正」だと決め付けて指摘し、黙らせた上で「反対給付・裏給与」を提案して、「裏仕事仲間」に勧誘する手筈だった。煩い奴は一旦、犯罪仲間に引き込んでから、「処置」するのが、裏社会のやり方なのだ。Kの机の引き出しにしまってあった海外の女からの手紙のコピーもとってあった。その英文の手紙が、脅迫に使えるかどうかは、檜垣自身にはよく解らなかった。英語学校は出たが、英語はとっくに忘れていた。だが、カルト組織の高学歴の信者に見てもらったら、「使えるかもしれない」「Kに後ろめたい部分があれば、反応するはずだ。」とのことだった。満を持して、Kに対峙したが、Kはつれなく断った。「そんなの後で説明聞くよ。いいよ、後で。」Kは桧垣の用意した偽の仮払い資料をひったくった。

村中は、Kと一対一で話をする機会があった。Kは、年上の村中に諭すように言った。

「村中さん、汚い手口で金儲けなんかしても、ヘンな宗教に吸い取られるのが関の山だよ。」

村中は驚愕した。Kは、何もかも知っているのだろうか?

「今なら、まだ間に合うよ。ヘンな連中の組織から抜け出るべきだよ。」

そう言ったKは、村中の手を、そっと両手で包んだ。村中は、その手から、暖かい、心地よい刺激が、自分の全身に広がっていくのを感じた。体全体が暖かくなる。なんだろう?この人は。なにか、不思議な力を感じた。あの人には、なにか特別な力が備わっているのだろうか?そんな感想を、裏仕事グループに漏らした村中は、一斉に失笑の対象となった。「そんな馬鹿なことがある分けないじゃない。」「黒幕の宗教のことなんか、知ってるわけ無いでしょ。」檜垣は、村中の小心をせせら笑った。だが、Kをこの時にしっかり始末しておかなかったことが、裏仕事グループ、カルト宗教、そして、さらに背後の巨大暗黒組織に致命的なダメージを与えることになろうとは、誰一人、夢想だにしなかったのである。

Kは、勿論、桧垣のグループの背後関係など知りはしなかった。檜垣と数人の幹部のK的経理犯罪であると思っていた。そして、その時点では、加東という企業グループ総帥への崇拝を失ってはいなかった。加東は、自分がまだKに信頼されていることを知っていた。背後のカルト組織は、そこのところを利用して、Kを抹殺しようと提案する。加東は動いた。Kが自主退社をするという。その前に最後に話をしようと、加東が持ちかけた。会議室で、加東はKに提案を持ちかけた。

「君も会社を辞めたら生活に困るだろう。いい方法があるから教えてあげるよ。医師の診断書があれば、健康保険組合から傷病手当金が出るんだよ。」 加東は前日にカルト組織と打ち合わせたとおりのシナリオで話を進める。

Kは、どこも悪くないので受給資格がないと答えた。

「そこのところは、何とでもなるんだ。例えば、精神疾患だったら問診だけで診断書を出してくれる。Kの知っているこの病院の医者が、便宜を図ってくれるから、行ってみたらどうかな?」

加東は、用意していた世田谷の病院の資料を提示した。Kは、黙って病院の資料を眺めた。加東は、魂胆を見破られそうな恐怖を抱いた。

「いや、別にこの病院でなくても構わない。君の知っている病院でもいいんだ。それに、この病院が診断書を出すんじゃなくって、ここから別のところを紹介してくれるんだよ。」

さっきとは話が違ってきた。加東は「この病院じゃなくてもいい....」

と伏目がちに繰り返した。語尾に力がない。Kは、加東の不思議な動揺を見逃さなかった。カルト組織は、Kに謀略を悟られることを恐れたのだ。だから、加東に少しでも勘ぐられそうになったら、話を引っ込めろと指示していたのである。加東は、あまりに過敏に対応しすぎた。そして、余計にKに不審を抱かせる結果を招いてしまったのである。

Kは、高校時代の友人が医者だからそちらで相談すると答えた。カルト組織には、煩い人物・告発者を安全に処分するネットワークがある。Kが裏事情も知らずに加東の指定する病院に行けば、カルト組織の医師の手で、薬物を使って「改造される」ことになる。犯罪の追及などに興味を持たない「温和」な性格に作り変えてくれるのだろう。もっと、危急の事態となれば、場合によっては、精神病棟に放り込んで口を封じてしまう手もある。そこまでしなくても、「精神科に通院した。」という事実だけでも残すことができれば、大きな収穫だ。Kが不正を暴き、騒ぎ立てたとしても「通 院歴のある精神病患者のたわごとだ。」と一蹴することができるのだ。加東の背後のカルトはそこまで綿密に計画して、加東に一芝居打たせた。そして、見事に失敗した。Kは、その病院に現れなかったのである。

この会話の後、加東はKを最寄のレストランに誘った。加東とふたりでレストランに向かう坂道を登って行った時、行く手を遮った男がいた。加東の次男でKの同僚の営業部員だった。次男は、加東をものすごい形相で睨めつけ、肩を怒らして無言のまま立ちはだかった。加東に強烈な抗議を意思表示したのだ。加東は舌打ちをした。Kは、後日、加東が経理犯罪の首謀者であると判った時、病院紹介の意図がなんであったか、おぼろげに解って来た。そして、加東の次男が、親父の犯罪の概要を知っているだろうことも。

にも失敗したことが実はあった。桧垣の不正を暴くために一芝居打ったのだが。退社の直前に、檜垣と村中を小会議室に呼び、今まで世話になったお礼として、プレゼントを用意したと二人に伝えた。

「まあ、いろいろありましたが、お二人にはお世話になりましたんで、お礼の品を用意しました。あれ、ごめん。そのプレゼントを忘れた。取りに行ってきます。」 そう言って、Kは席を立っていった。

不思議な沈黙が、檜垣と村中の間に発生した。たまらなくなって、村中が口を開いた。

「ねぇ、あの人、プレゼントなんていってるけど、ホントは.....」

檜垣が形相をかえて、人差し指を口の前に立てた。村中は、何がなんだかわからず、桧垣の顔を見る。檜垣が、小会議室のロッカーの上を指差す。ビデオカメラの赤いランプが光っていた。Kは、最後にKが席をはずしている間の檜垣と村中の「秘密の会話」を録音しようとしたのである。過去に同様の手法で、面白い情報を入手したこともあったからだ。だが、もっとはっきりした当事者の言動をしっかり掴みたかった。だが、その日は、桧垣のほうが一枚上手だった。檜垣は、目ざとく、ビデオカメラを見つけ、不用意な発言が記録されるのを予防したのである。さすが、プロの犯罪者である。本来ならば、「あの人、組織の方で処分してくれるっていうけど、うまくいくかしら?」といった会話が録音されていたであろうに。


組織の焦り

Kは、とにかく加東の会社を去っていった。社内では、Kの「ご乱心」という宣伝が効果を生み、社員の誰もが、真実には気がついていなかった。檜垣は、厄介者がいなくなって、ほっとした。加東も、とりあえずは、安心した。だが、組織は、Kの動向に注意を払っている。下手に放置すると、組織の秘密の漏洩に繋がるようなことをやりかねない。どこか、組織の目の届くところに置いておきたい。どうするか?

カルト組織の舎弟企業群の中に、過去にKが出入りしていた商社があった。その商社の専務とKが、台湾に一緒に出張した事例もあるという。カルト組織は、銀座の専門商社、アークテックの専務、堅山登志男に連絡を取った。アークテックには、カルト組織の経理専門家を送り込み、既に宗教舎弟企業として支配下においていたのだ。堅山は、人一倍見栄を張る俗物である。組織の中で、ランクアップしたい強い願望を持っていた。そこで、点数を稼ぐために、カルト組織から、要望され、Kを監視下に置く目的で、雇用することに応じたのである。堅山は、加東の会社を辞めて2週間ほどぶらぶらしていたKの自宅に電話をした。

「いや、電話したら退職したと聞いて、びっくりしましたよ。一度飯でも食いに来ませんか?」

Kは銀座に呼び出された。1995年10月、Kは、アークテックの国際部次長の席を用意され、毎日、銀座一丁目に出勤するようになったのである。

アークテックの社長室長、中ノ島は、Kを迎え入れたことに大きな危機感を感じていた。もろもろの犯罪行為を毎日遂行しているカルト構成員の中ノ島は、Kに不正を見破られるのを恐れたのである。Kの過去の「恐ろしさ」も、加東の会社を担当している在日カルト仲間から報告を受けている。危険すぎる。堅山にKの雇用を撤回するように迫った。だが、一旦、裏組織に引き受けを承諾してしまった堅山は、ここだけは譲らない。どうしても、「評価されたい」一心なのである。虚栄心の固まりなのである。中ノ島も説得を諦めた。

時間が、何事もなく経過する。Kは、とくに不穏な動きも見せず、仕事に励んでいる。どうやら、杞憂だったようだ。聞いているようなアブナイ男じゃあないじゃないか。大丈夫だ。酒を飲んで話しても面白いし、前の会社の不祥事のことにも全然触れないし。中ノ島は安堵した。そして、本業である犯罪に取り掛かったのである。


3人死んだ

それから4年ほどの間にアークテックの
3人の役員・社員が病死した。社長(当時)の新木寿子、関連会社社長(当時)の堅山駿三郎、アークテック課長の那珂川宅明の順であった。Kは、一人目の新木寿子の時は、あまり疑問には感じなかった。年齢からいって、不思議ではなかった。二人目になって、どうも裏があるように感じた。しかし、まさか堅山が、自分の父親を、金のために殺すとは思わなかった。3人目に至って、犯罪の影を口に出す社員が数人出てきた。Kもその一人だった。3件に共通することがある。

�@死亡事案の一ヶ月位前から、日頃、接触のない複数の人物から、特定の会社幹部(同一メンバー)に頻繁に電話連絡がある。死亡と同時に、これらの電話が一切無くなる。

�A3件の入院・葬儀などの手配に奔走するのが、常に同じメンバー(アークテック社長室長の中ノ島光一、中ノ島の配下の営業次長の原野信夫、営業部長の岸田洋一、そして専務の堅山登志男)であり、実に手際がよい。事前に計画したとおり進行させているように見える。メンバー以外の一般社員には、告別式段階まで一切手を出させない。

�B堅山と中ノ島との密室(社長室)での打ち合せが連日数時間に及んでから、それぞれの死亡事件が起きた。堅山は、非常に小心者であり、簡単に犯罪に手を出す男ではない。絶対に発覚しないという確信を持たないと、合意しない。中ノ島は、堅山を納得させ、説得するために多大な時間を使ったのであろう。

それ以外にも、不可思議なことはたくさんあった。

「トラサキ」と名乗る男性から、中ノ島の不在時、電話があり、「この電話は、羽村ですか?銀座ですか?」と聞かれた一般社員が居る。アークテックには、銀座と大阪、埼玉蕨以外に事業所はない。何らかの目的ために、羽村に一般社員の知らない隠し事務所を設けていた可能性がある。考えられるのは、複数の保険の加入業務を行うダミー事務所、もしくは脱税拠点だ。じつは、その事務所こそが、加東の会社の保険金殺人でも、関与した、オヲム逃亡者たちのアジトだったのである。加東の会社と堅山の会社は、同じ、裏組織に保険金殺人を依頼していたのだ。


一人目

一人目の新木寿子の死亡の際、堅山夫妻はちょうど結婚何十周年かのヨーロッパ旅行に出かけたところだった。現地に到着したところで、訃報を知り、とんぼ返りして、通夜に間に合った。中ノ島による帰りの航空券の手配など、手際のよさが際立った。堅山は極めて小心である。新木社長殺害の計画に同意する条件として、自分のアリバイを確実にしておきたかったのだ。中ノ島が、そこまで手配してやらないと、堅山は計画の実行に同意しなかったのである。

事後、岸田以外のメンバーは、それぞれ昇格した。犯罪面での論功行賞である。アークテックでは、創業社長が病死した後も、先代の夫人、新木寿子が名目上の社長の座に座っていた。堅山の義理の母親にあたる人物だ。この老女が存命である限りは、堅山は社長を名乗ることができない。虚栄心の固まりの堅山にとって、耐えられない事態である。おまけに、日本婦人の寿命はどんどん長くなっている。新木がいつまで生きているかわからない。死ぬまで、このまま自分は専務のままなのか?どっちが先に死ぬか解らない。堅山は焦る。

中ノ島の持ち込んだ新木寿子殺害計画は完璧だった。おまけに堅山には、ヨーロッパ旅行中というアリバイが設けてある。名前だけでも企業経営者である以上、新木寿子に多額の保険金を掛けても疑われることはまず無い。それに保険金の受取人は、義理とはいえ息子だ。だが、警察が薬物による殺人と気づいたらどうするんだ?堅山の心配はそこの点に集中する。中ノ島は、堅山の不安を取り除くために、一つ一つ懇切丁寧に説明していく。保険会社は、警察が「自然死」「事件性は無い」と判断した死亡事案については、原則的に保険金の支払いを行う。つまり、警察のお墨付きがあれば、保険会社から疑われることは無い。中ノ島の属するカルト組織は、警察内部にもネットワークを持っている。「自然死」「事件性なし」の判定を警察にしてもらうことができるというのだ。まさか、そこまで、日本の警察は汚れているのだろうか?堅山は俄かには信じられなかった。中ノ島は、具体的な人名を挙げて説明を始める。神川奈県警には、三人の監察医がいる。東京都は100人はいるというのに、なぜ、神奈川はたったの三人なのか?三人で実際の検視・解剖をこなすのは、物理的に不可能である。つまり、検視したことにして、嘘の死体検案書を乱発してきた監察医がいるのだ。神奈川県警も裏社会の便宜を図るために、あえて、3人体制を変えようとしないのだ。中ノ島は声をひそめて、堅山に解説した。

「実は、オヲム事件の坂本弁護士の本当の死因は、絞殺じゃないんですよ。後頭部を鈍器で....」
「それを、絞殺だと偽って、監察してくれた先生がいるんです。その先生が今回も、うちの仕事にも便宜を図ってくれます。」

裏社会の要請に応じて、死体検案書を好きなように書いてくれる監察医。殺人死体を自然死と認定してくれる。そんな監察医がいる。これなら、大丈夫だ。薬殺しようと何をしようと、解剖したことに偽って、「事件性なし」とお墨付きをつけてくれる。後は、数百万お礼をすれば済む話だ。安いものだ。警察内部のカルト信者に一括して礼金を渡せば、後は、彼らの中で分配してくれるのだ。伊東監察医の存在が、堅山の恐怖心を吹き飛ばしたのである。そして、埼玉県警にも警視庁にも、同じ筋の裏社会御用達監察医がいるのだ。

中ノ島の計画は、ついに堅山の同意を得て、発動された。結果、義理の母は骸となった。堅山は晴れて、代表取締役社長の座に着いた。夢にまで見た「社長の名刺」に小躍りした。今まで使っていた机も100万円を超える高級品に買い換えた。血の繋がっていない義理の母親の命は、高く売れた。保険金は億単位で入ったし、経営権も完全に掌握した。中ノ島にも原野にも分厚い特別ボーナスの袋が渡されたのである。よくやってくれた。背後の組織にも大金が入る。誰もが頬を緩ませる。


二人目

確かに金は入ったが、ひどく精神の疲れる仕事だった。もう二度とやりたくはない。当面、金も地位も手に入ったから、これ以上は望まない。早く忘れたい。それが、堅山の率直な感情だった。少し、静かに日々を送りたい。しかし、これで終わりではなかった。終わらせてはくれなかった。背後の組織は、一度成功すれば、二度三度と繰り返して儲けたい。 一度、裏社会の仕事に引っ張り込んだ相手は、利用できる限り利用する。新木寿子の事案から1年もすると、堅山には組織から「もう一度やれ」と圧力が掛かってくる。だが、今度は、誰をターゲットにしろというのか?

アークテックには、もうひとつ別の会社が間借りしている。堅山の実の父親が社長を務める堅山アソシエーツである。年商2億円程度の一人商社だ。90歳を超えた堅山の父親は、毎日元気に出社してくる。実際の仕事は、アークテックで雇用している女子社員が一人でこなしている。堅山も年に数回は、この会社のために中国に出張し、仕事を取ってくる。だ から、老社長には、週刊宝石のグラビア・ヌードを眺めるくらいしか仕事は無い。

組織は、この老社長を「カネに変えろ」と指令してくる。堅山の実父である。躊躇する。中ノ島の説得工作が延々と続く。老社長の財産は、中ノ島が把握している。老社長を殺害して、財産を根こそぎ盗み取ってしまう算段は、中ノ島が上手に考案してくれる。老社長に思わぬ借金があったことを装い、財産と相殺したと偽る。残った財産を息子たちで「平等にわけ」れば、ほかの兄弟からは文句は出ない。だが、実際には、堅山登志男が、その大半を手にする。こんなおいしい話はない。片山は、中ノ島の完璧な計画に心を動かされた。そんな頃、老社長が階段で転んで、出社できなくなった。殆ど寝たきりの状態になった。90歳だ。面倒を見る兄貴の奥さんに負担が掛かる。そのうち、堅山の家庭でも面倒を見ろと言ってくるかもしれない。日本の医療は老人の延命に驚異的な成果を生んでいる。いつまで、生きながらえるか解らない。この先 、どうせ寝たきりの親父の命を、早いところ金に換えたほうが、誰もが喜ぶ。そう自分を納得させた堅山は、中ノ島に老社長殺害計画承諾を伝えた。

老社長は、年末になって急に発病し、何日か寝込んだ後に亡くなった。いつものメンバーが動員され、いつもの手法で手際よく作業が進んだ。堅山は、父親の会社の社長も兼任することになった。そして、父親が大手の時計会社の役員時代から築いてきた財産の大半は、中ノ島の手で、ほかの兄弟の目から隠蔽され、堅山の資産に繰り込まれた。中ノ島らの夏のボーナスの袋は、10センチもありそうな厚みで膨らんでいた。

しばらくの間、平穏が続く。二人の老人が死んだことは、1年もしないうちに誰もの記憶から消えていった。会社の業績はいい。なにも心配は無い。だが、欲にまみれた連中は、いくらでも欲をかく。二つの事件で活躍した中ノ島、原野、岸田の三人組は、早くも次の犯行を準備していた。


三人目

営業部の古株の課長、那珂川は、中ノ島のグループの加わっていない一匹狼である。狼というよりも、あまり風采の上がらない野良犬といったところだろうか。アークテックには、一部資本関係のある提携 先の印刷工場がある。アークテックが受注した仕事を、印刷会社に下請けに出す。創業社長の愛人だった元専務の一族が経営する会社だ。この工場は、外部からやってきた工場長一人が全てを仕切っていた。その元専務の弟が、印刷会社の名目上の社長職にあったが、経理も技術も営業もわからない。工場長のやりたい放題である。その工場長は、中ノ島たちとつるんでいた。アークテックへの下請け代金の請求を水増しさせ、二重帳簿にして、差額を取り込んでいたのである。勿論、中ノ島のノウハウで始めた不正である。月間数億の外注費であるから、裏金も馬鹿にできない金額になる。工場長、中ノ島グループが、この裏金を分け合い、甘い汁を吸っていた。中ノ島は、あえて、この不正行為に堅山をも加担させ、堅山にも裏金を渡していた。文句を言わせないためである。もっとも、金額は 半分ほどに減らして報告していたが。

その不正に、那珂川が気がついた。気がついたが、沈黙して行動を起こそうとはしない。この利権を横取りしようと画策しているのだろうか?それほどの度胸と知恵が、あるだろうか?だが、油断はならない。放置はできない。中ノ島は、随分前から那珂川の女房を知っていた。化粧の濃い、派手好きな女だった。那珂川との遅い結婚の前にも、いろいろと色恋沙汰があったことも漏れ聞いている。中ノ島は、那珂川の女房を利用して、那珂川を金に代え、同時に口を封じる計画を発動した。実に頭の良く働く犯罪者である。中ノ島は、偶然を装い、那珂川夫人の勤め先近くで、那珂川の夫人と会う機会を作った。那珂川夫人は、久しぶりの邂逅に喜んだ。それから、中ノ島の中年女攻略作戦が開始された。

既に殺して金に代えた老社長の、部下だった30代前半の女子社員が、中ノ島の愛人である。顔は浅黒く、お世辞にもきれいとはいえないが、胸が著しく巨大であった。中ノ島は、その巨大な乳を持った女を相手に、 週に一度、性技の習得にはげんできた。そのベッド上の技術は、那珂川の夫人相手に駆使された。那珂川夫人は、中ノ島の虜になった。中ノ島と一緒にいれば、いつも高級なレストランに行ける。いっぱい飲むところも、格が全然違う。 そんな喜びも味あわせてくれる。何度同衾しただろうか?ある日、真昼間のラブホテルの一室で、中ノ島が切り出した。「カネ欲しくないか?家のローンで苦しいんだろ?」中ノ島は、那珂川夫人の少し垂れ気味の乳房を弄りながら、ささやく。那珂川夫人は、ねっとりとした目線で、中ノ島に応える。「どうしたら いいの?」

旦那が死ねば、家のローンは支払わなくてもよくなる。自動的に、夫人のものになる。残っている2000万のローンがちゃらになり、しかも、自宅は自分のものになる。旦那とは、最初から、愛も恋もない。知り合いの紹介で 、成り行き上、結婚しただけだ。中ノ島の計画する保険金詐欺では、夫人にも数千万の現金が手に入る。夫人が保険金の受取人だから、警察や保険会社に疑われる恐れもない。おまけに、保険料は、中ノ島が全部出してくれる。保険金殺人の過去の成功例を聞かされ、警察や保険会社にも、カルト犯罪を幇助するネットワークが形成されていることを知った那珂川夫人は、中ノ島の少し固くなり始めた生殖器にほお擦りして、「やりましょ。」と言った。

那珂川は、1999年1月6日、大事な客先の新年賀詞交換会に出席するために、堅山、中ノ島、原野、岸田の4人だけが、その朝出社していた。ほかの一般社員は、次の日が仕事始めだった。正月の事務所で、朝から、酒が振舞われる。みな、陽気に酒を酌み交わす。原野がなにやら、水割りを作ってくる。

「那珂川さん、 正月なんだから、一杯いきましょうよ。え、俺の酒飲めないって?」

あまり酒の強くない那珂川は苦笑して、原野の作った水割りを半分くらい飲み干した。なにか、普通のウイスキーとは違う味がしたような気がしたが。那珂川は、賀詞交換会に向かうさなかに、気分が悪くなって倒れた。翌日、出社したKたち一般社員は、会社が騒然としているのに驚いた。「那珂川さん、昨日倒れたんだって。」

那珂川を嵌めるために、一般社員よりも一日早い、「犯行グループ」と那珂川だけの仕事始めが仕組まれた。一般社員は、普段の年よりも一日長い正月休みを貰って、無邪気に喜んだ。犯行グループが、正月休みの間にじっくりと準備してきた段取りどおりで、「那珂川 の命を換金する」作戦は、滞りなく進行していく。予定通りの病院に、予めチャーターしておいたハイヤーで、予定通りの時間で那珂川を運び込む。予定通りのカルト信者のドクターが、待ち受けていて、集中治療室に運び込む。後は、警察の詮索を受けないために、一週間ほど、殺さないで生かしておく算段だ。

一週間ほどして、中ノ島がKに余計な報告をしに近寄ってきた。「那珂川さん、もう駄目らしいんですよ。あと何日かで....」
「え、それ、医者が引導渡すって言う意味ですか?」Kに聞かれてびくっとした中ノ島は、答えを濁し、うやむやにその場を立ち去った。

その日は、すぐにやってきた。夕方六時、中ノ島グループの三人が、那珂川の見舞いに病院を訪れるという。なにか、よそよそしい、気負った雰囲気の三人に、堅山が、「よろしく頼む」と声を掛けた。語尾が震えていた。三人は、堅山の声に反応せず、振り向きもせずに事務所を出て行った。アークテックの社内で、明確な権力バランスの変化があったのだ。 裏社会の面々にとっては、「ヤバイ仕事」を共同でこなすことが、グループの構成員としての義務であり、お互いに裏切らないという意思表示でもある。これから、病院の那珂川を殺しに行く三人は、当然、罪を共有する堅山にも同行を求めた。だが、堅山は、恐怖におののき、尻込みした。あまり、追いつめると逆効果と判断した中ノ島は、ほかのメンバーを説得し、堅山を会社に残すことにしたのだ。だが、三人は、堅山を許していない。もはや、自分たちのグループの長とは認めない。ボスは、中ノ島だ。この会社の実質的なボスも中ノ島だ。堅山の「よろしく頼む」が完全に無視された背景が、そこにあったのだ。この瞬間から、小心者の堅山は、もはや、組織の長として認められず、中ノ島が実質的なボスとなっていたのである。

その晩遅く、那珂川は予定通り、「病死」させられた。那珂川のばあい、最後の注射を突き刺して引導を渡す仕事は、原野が請け負った。三人の中では、ヤクザまがいの少年時代をすごし、前科もある原野には、この仕事は、さしたる負担でもなかったのである。原野は平然と注射器のシリンダーを押し、毒液を那珂川の体内に流し込んだ。なんの躊躇も無く。過去の成功体験が、原野を大胆に成長させたのである。 原野にとって、実は殺人は初めてではなかったのだ。

中ノ島の方には、もうひとつやるべき仕事が残っていた。もう一人、消さなくてはいけない相手がいる。
那珂川宅明が99年1月初に死亡すると同時期に、出入りの破綻済みの生命保険会社、大百生命の外交員も病死した。聞いてもいないのに、中ノ島がわざわざ外交員の病気のことをKに報告に来た。「あの外交員も長くないみたいですよ。」Kの反応を見たかったのだろうか?しかし、あったことも無い人物の病気をわざわざKに報告に来たのは、明らかに中ノ島の失態だった。警戒しすぎたのだ。大百生命の外交員は、中ノ島とつるんで、那珂川の保険金殺人を計画した当事者であった。だが、分け前を欲張りすぎて、中ノ島に過大な要求を突きつけた。中ノ島は、カルト組織を動員して、那珂川と同時に、この小うるさい小悪党を処分したのだ。外交員は、保険金が下りる直前に病死「させられた」。

中川の死亡後2〜3週間ほどして、メンバーの表情が一様に明るくなった。メンバー同士で冗談を言い合い、何かが起きたことか感じられた。保険金が降りると解ったのだ。万が一、保険会社がクレームをつけてこないかと心配していた中ノ島たちは、保険会社のカルトからの朗報に小躍りした。暫くして、中川の夫人がアークテックを訪れた。未亡人と中ノ島グループのメンバーだけが、密室に入り、1時間ほど談笑していた。絶え間ない笑い声と嬌声が聞こえた。Kと同僚は、夫人も事件に関与しているとの感を強くした。夫人が保険金の分け前をメンバーに渡しに来たのだった。Kと同僚は、この時点で、少なくとも中川の死亡事案案については、事件性があると確信するにいたった。

組織的保険金殺人

1999年1月 
何人かが、同じ疑惑を持った。保険金殺人の可能性が見えてきた。

月末になって、Kは、警視庁のホームページに短い告発メールを送った。中川卓明の死亡が、保険金殺人によるものであるという匿名のメールであった。警視庁からの反応は無かった。警視庁内部のカルト組織は、この告発メールに驚愕した。在日カルトの組織的な保険金殺人が発覚してしまう。絶対に阻止しなくてはならない。カルト組織は、すぐさま、アークテックに連絡を取った。アークテックの犯罪者たちは凍りついた。告発メールは、まだ、ほかの職員の目には触れていない。告発メールの処理をする部署は、もともと、カルト組織の仲間で固める人事体制が敷いてある。だから、カルト組織外に情報が漏れる恐れは無い。だが、どんな方法で、告発が漏れるかわからない。マスコミは大丈夫か?一体、誰が、メールを出したのか?その点はすぐにわかった。やっぱり、Kだった。4年前、堅山を説得してKを追い出しておけば、こんなことにはならなかった。中ノ島は、悔やんだ。

しかし、Kは何食わぬ顔をして、毎日勤務している。そして、なにやら、何人かの社員とひそひそ話に精を出している。Kと関係のある社員ばかり数人が、会社の出すお茶を飲もうとしない。中ノ島の愛人は、その事実を中ノ島に報告する。中ノ島は、焦る。事件に勘づいていた女子社員は、3ヶ月の試用期間終了後、さしたる理由も無く雇用契約を解除された。もう一人の男性社員は、一緒に仕事を担当している片山が仕事に実が入らず、明らかに上の空になっていることに気づいた。彼は、少しでも疑問に思うことを、Kに報告してきた。会社として、全く取引のない筈の企業から中ノ島への妙に親しげなファックスが入ったとコピーを持ってきてくれた。差出人のアジア技研工業が、事件とどう関わっているかは解らなかったが。 kは、そのアジア技研興業が、加東の会社の保険金詐欺でも背後で蠢いていた、同じ保険殺人代行会社であったとは知る由もなかった。両社のケースとも、裏で糸を引いた暗黒組織は、同一のカルト集団だったのである。

この暗黒組織は、実は、全国的に大きな話題になった、大きな保険金疑惑にも関わっていた。九州の熊木県で起きた、病院理事長夫人と看護婦たちの交通事故を装った保険金殺人事件 である。

99年9月台風18号が熊木県を直撃した。原林病院が被害を受けて、理事長が損保に請求を起こした。3社の見積合計額が、1800〜2000万だったのに、その交通事故で死んだ3人の看護婦も交渉に加わり、損保の担当者をつるし上げて増額させた。結局、合計で一億円を支払わされた。実際の被害は、6回の窓ガラスが割れたのと、床が水浸しになったこと。ガラスは入れ替え、床は雑巾で拭いておしまいだったが。随分と高いガラスと雑巾である。

99年2月、病院理事長が自宅で飼い犬に襲われ、瀕死の重症を負った。当時理事長自身に50億の生命保険が掛けられており、多額の特約保険金が支払われた。さて、誰が診断書を書いたのか?誰かその傷跡を見た第三者はいるのか?以後、当然ながら理事長の名前は保険会社のブラックリストに載った。

そんないわくつきの病院の理事長夫人と看護婦3人が、車ごと崖から転落して死んだ。なんと、総額70億円の保険が掛けられていた。県警の元刑事部長が、病院に天下っていた。勿論、理事長と同じ層和信者だ。 県警のノンキャリアでは一番の出世頭だ。層和学会内部での彼の地位が、県警刑事部長の地位まで彼を引っ張り上げたのである。ノンキャリの希望の星である。層和信者でないと、警察内部でも出世が遅れるのだ。 理事長の二人の娘は検事に嫁に行っている。警察と病院の宗教信者の間で、密接な裏連絡が取られる。熊木県警は、犠牲者の解剖もせず、てきぱきと自然死扱いで処理して、証拠を消した。層和の暗部、恥部を暴くので定評のある伸潮社の写真週刊誌が、この疑惑を記事にした。伸潮につづいて、マスコミ各社が、熊木に取材に入った。現地で取材に動いていたマスコミ関係者に、やくざ風の連中が付き纏い、威圧をかけた。これが、事故ではなく事件である極めて明快な証拠だった。ヤクザの絡んだ殺人事件であり、保険金詐欺なのだ。

理事長が、伸潮の社長を名誉毀損で告訴した。そして、不思議なことに数ヶ月後に告訴を取り下げた。名誉既存裁判とは、被告の主張が虚偽であると、原告側から証明しなくてはならない裁判だ。伸潮社の記事は、全て真実だったから、病院側には、嘘と証明する手段などあるわけがない。いったんは、告訴はしたものの、勝てない裁判であるし、逆に世間の目が集まり不都合だとわかり、取り下げたのだった。もとより、あまり頭の良い連中ではない。その告訴取り下げこそ、犯罪の実在を証明するものであるのに。

一方で、層和学会の本部が理事長の援護射撃に乗り出した。毎号、毎号、伸潮社を口汚く罵る毒々しい赤文字が、層和の月刊雑誌の中吊り広告に載る。山手線や埼京線の乗客が、毎日それを読む。その伸潮社誹謗中傷広告に「熊木県の保険金詐欺は事実無根」と、理事長を全面支援する文言が踊ったのである。層和も焦っていた。この事件は、明らかに層和関係者が組織ぐるみで実行した、保険金殺人事件なのである。層和の病院理事長と、層和の警察OB、層和の現役警官、層和出入りの在日ヤクザがつるんでやった凶悪犯罪なのだ。発覚すれば、層和も大変な危機に見舞われる。だから、層和の雑誌が、伸潮社を必死に叩く。だが、伸潮は決して屈しない。 一段高いところから、層和の悪あがきを少しばかり嘲りながら、観察しているのだ。穢れた悪に組しない伸潮の姿勢は、立派だ。 逆に、電車の乗客は、なぜ、層和は、胡散臭い巨額保険金疑惑の理事長を庇うのかと、訝しく思う。層和にとって、その広告は、逆効果でしかない。層和は、世間の常識の通用しない人たちの集団なのかもしれない。

林田益実といえば、犯罪界の第一人者、毒入りシチュー事件の主人公である。実は、元在日の帰化人である彼女もまた、在日暗黒組織の大事な顧客の一人だったのだ。彼女の罪状は、地域の催し物で毒入りシチューを食べさせ4人を殺害し、63人を中毒させたことだが、 それ以前に彼女は、暗黒組織の世話になっているのだ。父親の死で、2億円、母親の死で、少なくとも1億4000万円を手にしているのだ。これも自然死ではなかった。暗黒組織の手で作られた自然死だったのだ。林田風情に、億単位の保険金詐欺を実行して、首尾よく成功できるわけがない。裏にしっかりした組織があり、林田を全面サポートしたからこそ可能だったのだ。そして、案の定、林田の背後には、あの巨大在日宗教が潜んでいたのだ。

毒入りシチュー事件とは別に、不思議な裁判が平行して行われてきている。法廷内の隠し撮りをしたとして、林田が伸潮社を民事告訴したのだ。そして、林田には、なんと、10人の巨大弁護団がついているのだ。毒入りシチュー本裁判では数人の国選弁護人しか使えない林田が、なぜ、この金の掛かる民事裁判で10人を使えるのか?伸潮社は、層和学会の暗部を暴く、層和にとって天敵のような出版社である。層和が林田に働きかけ、伸潮社に対する裁判を起こさせたのだ。訴訟費用は、勿論、層和が出している。この事実は、林田の保険金詐欺事件に、層和と連なる在日犯罪組織が関与していたことを裏付けるものでもある。毒入りシチュー事件の当初から、林田益実の背後には保険金殺人を目的とした犯罪集団がいるのでは?との見方があった。保険金殺人に関しては、層和警察との連系プレーだという噂もあった。揉み消しには、層和検事に層和弁護士、層和裁判官までもが起用されている・・・そう考えれば、林田益実がなぜ伸潮社相手に裁判を起こしたのか、納得できるのである。層和は焦っている。林田に裁判を起こさせたのは、勇み足だったのだ。伸潮社には、解っている。熊木の70億の疑惑も林田の事件も、背後に層和の犯罪組織がいることに。層和の裏組織が、恒常的に保険金殺人に従事してきたことも。だから、いかに層和に叩かれても痛くない。層和の裁判官が、伸潮に不利な判決を下しても、打撃はない。伸潮は本気なのだ。在日裏社会と妥協するつもりはないのだ。

林田が、死刑判決が予想されたにもかかわらず、動揺もせずにいられるのは、暗黒組織
が見殺しにはしないだろう、最後は層和が助けてくれるという確信があるからなのだ。林田が真実を喋れば、暗黒組織が困る。だから、暗黒組織が司法に働きかけて、林田を極刑から救い出してくれると思っていたのだ。だが、一審では死刑判決が出た。「話が違う。」林田は控訴審では、完全黙秘をやめ、秘密を暴露しようと考えているかもしれない。どうせ死刑になるなら、洗いざらい喋ってしまえと。今、暗黒組織は、林田の動向を息を潜めてうかがっている。林田が口を割れば、組織と上部の在日宗教全体の危機だ。勿論、そんな事態になれば、公判直前に「自殺させられる」ことになるのだろうが。

同じカルト組織が全国展開している。どこの県でも、カルト組織が横の連携を利用して、隠れた保険金殺人を実行してきている。加東の会社や堅山の会社の案件で蠢いたアジア技研は、そんなチェーン店組織の一員だったのだ。保険金詐欺のフランチャイズ組織が存在するのである。恐ろしいことに。毎年、何人の罪なき人が、この組織の餌食になっているのだろう?


男性社員もKも犯罪の実在に確信をもった。男性社員は自分に危害が及ぶことを恐れ、夫人と相談のうえ、片山の慰留をふりきり、6月末に無理やり退職していった。後日、彼の自宅に空き巣が入った際、Kも彼自身も、メンバーによる間接的な脅迫であろうと思った。Kは相変わらず、アークテックでの勤務を続ける。目の前に、自分たちの殺人を告発した張本人が平気な顔をして座っている。堅山はひたすら怯えた。仕事が手につかない。原野は、意外な弱さを露呈した。食事がノドを通らない。見る見るうちに痩せていく。岸田は、一時はやめていた覚醒剤にまた手を出す。恐怖に怯えて、どうしても薬に頼ってしまう。どんどん、打つ量が増えていく。シャブ打ちの痕跡を見られないように、夏でも長袖のシャツしか着ない。会社に出勤するのがやっとの状態だ。だが、動揺を見せるなと組織から厳命されている。普段の生活を変えるなと。 中ノ島だけは、さすがに筋金入りの悪党である。内心戦々恐々とはしていたが、表には出さない。だが、ほかの二人同様に、毎日毎日が針のむしろである事には変わりない。中の島グループの三人は、 耐え難い苦痛の毎日を送った。もう我慢できない。この事態を打開したい。中ノ島と原野は額を寄せ合い、必死の形相で密談した。

1999年8月24日 中ノ島は決行した。失敗した。

アークテック主任の鶴井氏の送別会の席上で、Kは社長室長中ノ島及び営業次長原野の2名から、犯罪組織への勧誘を受けた。具体的には、「仲良くやろうよ。俺たちあんたとは、仲良くしたいと思ってたんだよ。」と、周囲に悟られぬよう、言葉巧みにアプローチしてきた。「嫌なこった。」とKは即座に答えた。続けて、「俺たち、堅山さんは好きじゃないんだよ...嫌いなんだよ。」と中ノ島が言った。Kは、中ノ島らが次には、現社長の堅山登志男の保険金殺人を計画しているのではないかと直感した。そこで、Kは、「嫌いなら、消しちまえじゃいいじゃないか?殺しちまえよ。」と応えた。お前たちの犯罪は、とっくに解っているという意味をこめて返答したのである。中ノ島は気色ばんでKの襟元を掴んだ。

堅山はメンバーの一員ではあるが、もはや、リーダーではない。アークテックのトップではあるが、小心者で、一番崩れやすい男。裏リーダーである中ノ島は、万一を考え堅山を消しておく必要を感じたのだろう。どうせう殺すなら、お得意の保険金詐欺を兼ねて金儲けにも繋げたかったろう。それに、堅山が居なくなれば、アークテックは、名実ともに中ノ島の思い通りになる。 堅山さえ始末できれば、後は、アークテックの資産を根こそぎ掻っ攫い、計画倒産してしまえばいい。そんな思惑もあり、古参の役員二人は、じょうずに上手に追い出してある。既にこの時点で、中ノ島は、組織上でもアークテックのナンバー2に成り上がっていたのである。

だが、中ノ島にとって、Kの存在は、どうにも怖くて仕方が無かった。過去の犯罪の発覚を阻み、かつ次の犯罪を安全に行うためには、Kを一旦は、仲間に引き入れる必要がある。金品を与え、堅山殺害にも加担させることで、共犯にしておきたかった。なんとしても。しかし、Kは、中ノ島の誘いを即座に拒否した。その場でKに騒がれることを恐れた彼らは、Kの飲むワインに薬物を混入させ、前後不覚にさせた。中ノ島らは、薬物によりKをその晩のうちに殺害する目的であったのか、取り敢えず口を封じたかったのか、わからない。Kは、お陰で体調を酷く崩したが、兎に角、翌日以降も無理をしてアークテックに出社した。

事後、Kの普段と余り変わらない顔を見た中ノ島・原の驚きようから見ると、本来致死量を服用させられていたのかもしれない。Kは、その後、数日間は、様子を見ていたが、メンバーが、改めてKの殺害計画を準備していることに気がついた。9月1日夕方に、米国T社の幹部が来社するに際して、どうしても同席してくれと堅山から念を押された。当夜にKの殺害計画を進めている恐れがあった。kは、27日午後早退し、そのまま家族ともども一時身を隠した。中ノ島は、計画がばれてkに逃げられたことに、酷く狼狽した。背後のカルト組織も探してはくれているが、全然、行方がわからない。焦り狂った中ノ島は、Kの子供の通学する小学校にまで電話を掛けた。子供が通学しているようなら、Kも近くに潜伏しているはずだ。だが、子供は休んでいるという。どこに行ったのか?告発の準備をしているのか?怖い。どうしTらいいんだ?

だが、背後の組織は、徹底して平成を繕うように指導してきた。そして、kの失踪を誠実に心配しているように振舞えと指南した。しかし、それでも、何か切迫した様子をメンバー全員が押し殺すことはできない。一般社員は、彼らの不思議な緊張を訝しげに眺める。Kは、恐れていることがあった。中ノ島が発覚を恐れて、小心者の片山を殺害すること・KとKの家族を追いまわすことだった。そこで、防衛策をとった。

一週間ほどして、Kはある女子社員を含め複数の社員の自宅に告発書簡を送付した。女子社員の母親は、書簡の差出人の名前に驚いて、すぐに会社にいる娘に連絡をとった。何も知らない女子社員は、中ノ島に書簡の到着を伝え、中ノ島は、すぐにファックスで送るよう依頼した。そうせざるを得なかった。かくして、告発の内容を複数の社員と家族、それに犯罪者一味が知ることになった。Kは女子社員が、間違いなく中ノ島に書簡を見せるだろうと計算した。そして、その通りになった。

中ノ島は、告発の内容を笑い飛ばし、Kの妄想であるとの印象を創ることに腐心した。単純で無知蒙昧な社員たちはころりと騙された。老獪な中ノ島にとって、一般社員など、いくらでも騙せる対象だった。犯行に薄薄でもきずいていた社員は、この時点では退職して一人も残っていなかった。しかし、残った無知蒙昧な社員たちが、犯罪の存在に懐疑的であろうと無かろうと、犯罪の概要を書いた文書を目にしたことに間違いは無い。少なくとも中ノ島たちが次の凶行に出れば、真っ先に自分たちが疑われるという状況を作ることに成功した。一味がKと周辺の人間に手を出せない状況を作るため、女子社員に無意識のうちに協力していただいたわけである。また、告発書簡には、次に誰が狙われるかを書いておいた。真っ先に片山が狙われると書いた。事件発覚の際に口を割るのは片山しかいない。片山を生かしておかないと、事件の真相を話す者はいなくなると、Kは考えたのである。

1999年10月12日 Kは、警視庁に告発した。

Kは、警視庁のホームページあてに3件の保険金殺人事件の告発メールを送付した。警視庁からの反応は無かった。同時にマスコミ各社にも、同様の情報をメールで流した。警視庁内部の犯罪組織は、告発メールが送付される恐れを充分予測していた。受け入れ部門には、カルト信者の職員が配置され、四六時中張り付いて、メールをブロックする役割を果たしていた。Kのメールは、入ると同時に警視庁内部の協力者の手で隠匿され、犯罪組織に回送された。その頃、Kの告発文を読んだというマスコミ関係者を名乗る人物からKの自宅に電話があった。会って話を聞きたいというので、Kは、10月18日に会うことにした。

1999年10月18日 扶桑テレビの記者から取材を受けた。

Kは、
フジテレビの報道記者を名乗る女性と午後2時にお台場のホテルサンコーのロビーで待ち合わせた。待ち合わせ時間を1時間間違えたKは、午後1時にはホテルに着いてしまっていた。彼女が来ないので不審に思い、彼女から聞いていた携帯電話に連絡した。彼女から2時のはずと言われて、自分の思い違いとわかった。1時間の間、ホテルの外で時間をつぶした。2時近くになって、彼女から携帯電話に電話が入った。彼女はホテルのロビーで待っていた。身長160cm位の長い黒髪のなかなかの美人である。現代女性には珍しく、髪を一切染めていなかった。
Kを見たとき、彼女は口をあんぐりと開け、なぜか非常に驚いた顔をしていた。理由はわからない。ホテルのコーヒーハウスに入って、彼女の名刺をもらった。そこには、扶桑テレビ ニュース・ハポンの信原麗子とかいてあった。Kの扶桑テレビあてのメールを見て取材をしたかったとのことだ。彼女は、既にアークテックの新木前社長が死亡していることを調査で確認済みだといった。

そして、加東の会社についても、会社の登記簿を取り寄せていた。Kは、登記簿を見せてもらい、事件の鍵となる人物の一人で子会社の専務である東井小八氏が、99年の初めに役員を降りていることを知った。その背景を知りたいと思った。彼もまた、あの組織の手で、何かされたのだろうか?犠牲になっていなければいいが。アークテックで死亡した中川や犯罪関与者の写真を彼女に渡した。信原さんとの話は、4時ごろまで続いた。それまでの間、信原さん曰く、上司と称する人物から10回近く、彼女の携帯に連絡が入った。話を切り上げて、次の打ち合わせに向かうよう催促されていると彼女は言った。それでも.彼女は腰を上げずにKとの話を続けた。非常に熱心に聞いた。

扶桑テレビは、経三新聞系列のテレビ局である。経三新聞は、統率協会との裏の関係が強く噂される右翼的新聞である。統率協会系の世界時報とも人事的交流がある。当然、社内に統率協会の組織内組織が出来上がっている。アークテック・加東たかしの会社の両方で保険金殺人に関与している統率協会の内部では、緊急事態で蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。Kの告発メールは各社に送付されている。この手のメールは、どこの社でも毎日何通も入るから、まず、まともに取り上げるメディアは無いだろう。それに、少なくとも、読書、経三、昧日、経日は、統率と盟友の層和学会がしっかりと支配しているメディアだ。在日宗教の犯罪の報道など、絶対にさせない。ほかのメディアも、盟友の層和学会が、大量の広告と出版請負で食わせてやっている関係上、いざという時は、層和と雷通の2方面から働きかけ、黙らせることができる。だから、今回の騒動でも、それほどの心配はしていなかった。だが、Kがどこまで知っているのか、これから何をしようとしているのか、どうしても把握しておく必要がある。そこで、扶桑テレビの統率信者は、部下の記者、信原に探らせたのである。信原は、上司の思惑も知らずに、Kに長時間の取材をしたのである。信原は、Kへの取材の後、帰社して根掘り葉掘り、取材の内容を上司に聞かれた。上司は目を血走らせて、「手短に話せ」「それでどうした?」と、酷くあわてて、信原をせかした。そして、報告を終えたとき、上司はただ、「この件はもう触らなくていい。取材もやめろ。」と指示したのだった。後に信原は、厚生労働省担当の記者に配置換えになったが、このインタビューをしたことがなにか関わりがあるのだろうか?本人も知らない。


1999年10月17日〜 Kは、東京港区のマンションに小さな事務所を開設した。4、5日の間引越しと整理に忙しかった。1999年10月22日
アークテックが通告書を郵送してきた。アークテックは、弁護士の名前を使って、通告書を出して来たのである。勝馬弁護士名義の通告書には、「告発の内容は全て妄想であり、これ以上告発活動をすると名誉毀損で告訴する。謝罪文を出せ。さらに未決済の支払金を弁済せよ。」との記載がある。後日、Kの方から、アークテックあてに一日も早い告訴を促し、未決済の支払金は相殺するとアークテック側の大幅借越しになるとする書面を三度送った。その後、今に至るまでアークテックから告訴は提起されていない。さらに、アークテックは、Kに対して、\3、358,113を返済すべきであると通告書にて主張しているが、以後催促など、ただの一度もない。中ノ島らの犯罪が実在せず,全てKの妄想であるとするならば、なぜ告訴しないのだろうか?なぜ、300万円以上もの大金を、Kに請求してこないのか?

中ノ島には、背後のカルト組織から、Kの告発を辞めさせるための方策が指示された。弁護士の通告書で、「法的権威」を振りかざして抑えつければ、大体の場合は、泣き寝入りする。それが、統率が過去に追及者に追求を断念させる緊急手段として、取ってきた手口だった。これで殆どの場合、沈黙するはずだった。だが、Kの場合は、いつの場合でも前例をことごとく破られる。今回も期待通りの反応をしてくれない。しかも、通告書を書いたことになっている弁護士は、実は、名前を使われただけだったのである。弁護士事務所にいるカルト信者が、先生の名を使って、勝手に通告書を出した。この事実は、後になって先生の命にも関わる懸案となったようだ。何年かして、勝馬弁護士の名前が第一東京弁護士会の名簿から消えた。弁護士会を変えたのだろうか?それとも亡くなったのだろうか?それとも........消されたのだろうか?暗黒の中にその答えはある。


偽捜査

1999年10月29日 警視庁からKあてに電話が入った。Kは、開設後間もない港区の事務所で、初めての来訪者を迎えようとしていた。12時55分、事務所の電話が鳴った。電話に交互に出た相手は、警視庁捜査一課の尾野・鈴本と名乗った。「警視庁にもらったE.メールの件で、話を聞きたいので10月30日(土)か31日(日)のどちらかに警視庁に来てください。資料まとめて持ってきてよ。」そう言われて、Kは、翌30日の土曜日に訪問することを約束した。電話を切るかきらないか、ちょうどその時に江戸化学工業の松沢営業部長と白岩化学の吉田係長が来訪した。1時ちょうどだった。韓国向けの樹脂乾燥剤の商談が目的であった。この時点では、Kは、警視庁からの電話が、正規の捜査に基づくものであると信じて疑わなかった。だが、刑事は、どうやって、開設間もないKの事務所の電話番号を知ったのだろう?親兄弟しか知らないはずの電話番号を。 それ以前に、なぜ、kが事務所を開設したと知っているのだろう?盗聴しかありえない。

保険金殺人組織は、kの告発を受けて右往左往していた。決定的な口封じの手段のはずの弁護士の通告書も何の役にも立たなかった。このまま、kの告発が続けば、どこかのマスコミが真面目に取り上げるかもしれない。カルトの支配力の及ばない警察幹部が知れば、とんでもないことになる。組織は、全力を挙げて、Kを抑えこむことに決定した。警視庁内部の層和学会信者グループが緊急招集された。いつも、裏仕事のたびに臨時編成される連中である。保険金殺人組織の構成員自体は、統率信者が殆どだったが、警察機構の中では、層和のほうが、堅固な信者ネットワークを構築している。事件を隠蔽するには、層和の方が、対応しやすい。統率も警察内部に組織内組織は作ってはいるが、公安部が主体で、刑事部は弱い。そこで、統率は、保険金殺人にも関与した権藤組に懇願して、警視庁の層和シンジケートを動かしてもらったのである。権藤組の権藤組長にしてみれば、今のシノギの6割以上が覚醒剤収入であり、ブツは、統率のルートで北朝鮮から運んできている。統率自身が、覚醒剤の密造に従事していることもわかっている。だから、統率の懇願は、断れない。それに助けてやれば、上納金もたっぷり吸い上げられる。この際、連中の手に入れた保険金、根こそぎ取り上げてやろう。権藤組長の工作が始まった。まず、今まで随分と裏仕事で助けてやった層和の政党、都議会公正党のドン、富井藤雄にあった。そして、警視庁の層和部隊を貸してくれるよう頼んだ。富井は、権藤に借りがある。東山村市の反層和議員をビルから突き落として始末したのも、権藤組の若い衆の仕事だった。ほかにも、何人も、煩い反対者を抹殺してもらっている。富井は、権藤の要請に頷いた。

警視庁捜査一課の層和警官、尾野、赤坂署の鈴本が、まず実働部隊として召集される。この二人は、地方公務員である前に、警察内部で層和のための裏仕事ばかりやらされている「層和問題専門警部補」である。赤坂署は、管内に在日暴力団組織、在日芸能プロなどを抱える裏社会御用達警察署である。在日裏社会の犯罪を幇助 、隠蔽するのが、赤坂署の最も重要な仕事であると言っても過言ではない。警察内部の裏組織の手で、赤坂署に随分前から、層和警官が集中的に集められてきたのである。 鈴本もそんな層和の警官の一人だったのである。鈴本は、kへの対応で大失敗した。kの実家に電話をした際、「赤坂署の鈴本です....」と口走ってしまったのだ。Kは、その話を耳にして、すぐに、赤坂署と裏社会の関係を思い出したのだから。 赤坂署は、芸能界のドンと言われるボーニング・プロの在日経営者、蘇芳氏と深い繋がりがある。ボーニングは、日本の覚醒剤業界の胴元である山朽組系権藤組系列であり、芸能界に覚醒剤を供給する拠点になっているのだ。芸能人を覚醒剤で縛り、ギャラの大半を吸い上げてしまう役割を担っている。その意味で、権藤組の利権を守り、覚醒剤商売の円滑化を図るのが、赤坂署の層和警察官の大事な職務なのである。権藤組長は、五代目山朽組の若頭補佐に抜擢されており、次の次の七代目を襲名する可能性すらある大物だ。警視庁が、層和警官を赤坂署に集めて、権藤組長と蘇芳社長のご機嫌を伺うのは当然のことなのである。

尾野、鈴本以外にサポート役がふたりが、それに、チームリーダーとして、警部の宮沢が起用された。そして、事と次第によっては、実力行使も必要になるから、権藤組の殺し屋数名も待機する手配がされる。だが、誰もやりたくないいやな仕事である。ヤクザとつるんで、罪なき市民を抹殺する手伝いを、現役警察官である自分がやらされるかもしれないのだ。だが、層和の最上層部からの指示は、断れない。それに、過去にも、本来監獄に行くべき所業はたっぷりやらされてきた。いまさら、逃げることもできない。

宮沢を中心に作戦が練られる。「告発に基づいて正規の捜査を行っていると見せかける。」「それで、捜査の結果、犯罪の事実はなかったとkに報告して、納得させる。」「勿論、カルト組織だけで行う偽物の捜査であるから、同僚警察官に知れないよう細心の注意を払う。kとの接触も同僚の目のない休日に限る。」これが基本方針となった。だが、kに偽装捜査を見破られたらどうするのか?偽装捜査などせずに、さっさと拉致して消してしまえという意見もある。いつまでも方針が定まらない。とにかく、kを呼び出し、ヤツが何をどこまで知っているのか探る、臨機応変にその場で判断して、拉致殺害するかも決めると言うことになった。 臨機応変と言えば聞こえがよいが、要するに、だれも結論が出せなかったのである。こうして、カルト信者警官の寄せ集め混成部隊による休祝日だけの「偽装捜査」が開始されたのである。それぞれ、所属部署はばらばらだが、それでは、一緒に捜査に動いていることが説明できない。そこで、全員が本庁の捜査一課員であるといつわることにした。尾野 だけは実際に捜査一課の人物だったが。

1999年10月30日 kは、警視庁に呼び出された。この刑事達がカルト一味の仲間だった。土曜日だった。Kは、地下鉄日比谷線で警視庁に向かっていた。車内で、大学時代の友人、上村氏にばったり会った。ほとんど卒業以来だった。互いに名刺を交換し、近々に再会することを約した。日比谷で電車を降り、徒歩で警視庁に向かった。土曜日であり、車は少なく、快晴。気持ちのよい朝であった。約束の午前10時を少し過ぎたところで、警視庁に到着した。

警視庁のロビーに入り、左脇の受付で、来訪目的を告げ、用紙に半分記入したところで、背後から声をかけられた。「お待ちしていました。」長門勇によく似た小柄な男が、そう言った。尾野警部補であった。もう一人の長身で額の禿げ上がった、眼鏡をかけた男が、鈴本であった。ギョロ目が印象的であった。制服を着た受付の警察官は、Kの書きかけの来庁者登録用紙をしまいこんだ。Kは、ロビーまで出迎えていただけるほどの重要人物であったようだ。どうやって警視庁に来たのか聞かれたKは、日比谷から歩いてきたことを尾野に伝えた。尾野は、最寄駅は霞ヶ関であると言った。尾野と鈴本に案内されて、警視庁2階の参考人聴取室に通された。入り口に施錠された扉があった。尾野は、インターホンで係官を呼び出して、「捜査一課。」といった。しばらくして、制服の警察官が内側からドアを空けた。

ドアの内部には、明るい別室があり、刑事らしき人間4人が座って、雑談していた。さらにこの部屋の左奥のドアを空けて、内部に通された。廊下を挟んで両側に小部屋が連なる構造だった。尾野・鈴本の他に3人の人間が中で待っていた。右手の2つ目か3つ目の小部屋に通された。同じ部屋に尾野・鈴本の両名とKが入った。残りの3人のうち、一人がドアの外の廊下のイスに座り、残りの二人は廊下を隔てた反対側の部屋に居た。廊下の一人は30代前半、残り二人は中年。
この身元不明の3人がKを見る目が印象的であった。まるで、悪魔を見るような、この世で一番会いたくない人間に会ったような、いやな顔をしていた。なぜそんな、疎ましい顔をしたのか、疑問に思った。そして、事情聴取の真似事が始まった。

直接の事情聴取は、尾野が行った。警察手帳の氏名の載っているページをKに見せ、刑事部捜査第一課の警部補、尾野義久(おのよしひさ)と名乗った。鈴本と名乗る眼鏡をかけた男は、書記役であった。Kの説明を殴り書きしたA3大の書面を、逐一、廊下の外で待っている別の刑事に渡していた。(聴取の内容を調書にする作業と思われるが、結局調書は作成されず、署名や捺印も求められなかった。)

持っていった資料を一通り、説明した。警視庁あてに送ったメールのコピーはないのかと尾野に聞かれた。「警視庁のホームページのメール窓口は、文章を貼り付けて送信するタイプだから、僕の方にコピーはない。中身は、マスコミ向けに出したやつと同じですよ。」と説明した。尾野の手元に、Kの警視庁あてのメールのコピーが無い様子だったので、不思議に思った。正規の捜査であるならば、当然一番大事な資料として、まず上司から渡されるはずである。

尾野:「あんたの告発が、オヲム真理教に関連しているんで、オヲム対策担当のKの部署に捜査の指示がきた。ほら、警察手帳にも挟んである記事のとおり、前からオヲム担当してんのよ。Kが中心になって、これから捜査を進めるから。いやね、オヲムの事件では、捜査一課は出る幕無くって、歯軋りしてたのよ。刈谷清志さん拉致事件でやっと出番が回ってきたわけよ。」 (後日、K宛の携帯の伝言でも、自らオヲム対策の尾野ですと名乗っている。)確かに、尾野は、捜査一課のオヲム対策要員だったようだ。滝木サリン裁判にも、本人が出廷して、何度か証言している。もっとも、滝木の事件自体が、捏造であり、オヲム事件の黒幕の指揮の下に、層和警官である尾野もまた、東京地裁で偽証をしているのであるが。滝木は襲撃などされていなかったのだ。

それから、延々と事情聴取が続いた。アークテックでの3人の死亡案件などについて、たっぷりと説明させられた。そのうち、昼時になり、食事に階下に降りないかと聞かれたKは、腹が減っていないのでと断った。しかし、鈴本から促され、1階の食堂に下りていった。その際、鈴本から「この部屋には鍵をかけるから、カバンを置いていってください。」と言われ、そうした。部屋を空けている間、残った刑事たちはカバンの中身を調べることが出来た筈である。そして、入っていたファイルのなかの書類をむさぼり読んだろう。そんな必要はなかった。そのファイルは、最後にKから尾野に渡されたのである。

食堂には、尾野、鈴本、30代の刑事の3人がついて来た。ほかの警察官たちから離れた席に案内され、菓子パンとパックコーヒーをご馳走いただいた。刑事という仕事にかかわる世間話。食事の間も、30代の若い刑事は、酷く落ち着かない様子で、顔がこわばっていたのを思い出す。何をそんなに緊張しているのかと、不思議に思った。

尾野は、タンクローリーの爆発事故で、ここ数日捜査に忙しいと言っていた。この事故は、層和学会の地区幹部の運転手が起こした事故である。なぜ、この事故に捜査一課が出向くのか不思議に思ってKが聞いたところ、原因が不明だから、犯罪の可能性があるなどと言っていた。だが、実際は、層和信者の関わった事件には、すぐさま、警視庁内部の層和警官が駆り出され、信者の不利にならないよう、捜査に介入する不文律になっていたのである。層和信者の不祥事は多い。信者が何かしでかすたびに、警視庁の層和警官部隊は緊急出動させられる。Kに対する参考人聴取もまた、警視庁としてではなく、層和としての偽装聴取だったのである。

食事の後、ロビーの近くの喫煙所に案内された。ここで、Kは今回の事件の話の続きをしようとした。すると、鈴本が「ここでは、例の話はしないでください。周りの刑事もそれぞれ立場があるので。」と、よく意味のわからない説明であった。ようするに、部外者に聞かれてはまずかったのだろう。

午後も聴取は続いた。鈴本が聴取室を出たり入ったりし、外の中年刑事たちとやり取りしているのがわかった。酷く動揺している様子が窺えた。この辺りから、Kはどうもおかしいと感じるようになった。昼休みの間にKのファイルを見た刑事たちは、情報が既にマスコミ複数社に流れている事を知ったはずである。当日、Kに対する何らかの計画を持っていたとしても、実行できなくなったはずだ。

Kは、既にマスコミと接触があること、特に扶桑テレビの自称報道記者、信原麗子という女性と連絡していることを、伝えた。刑事たちの固い表情は変わらず、信原についてただの一言も発言しなかった。奇異に思った。組織の仲間だからか?

鈴本から、聴取は今日一日では終わらないので、再度11月3日(祝日)に来てくれと依頼された。特に話し残したことはなかったはずだが、そう言われた。Kは、休みの日は都合が悪いため、ウイークデイを希望すると応えたが、鈴本は理由を説明せず、再三休日を主張した。ウイークデイでは捜査に都合の悪いことでもあるのか?正規の参考人聴取ではなかったからだ。警視庁の内部の層和警官を寄せ集めて、参考人聴取の真似事をやって見せただけのことだ。平日では、層和以外のまともな警官に見られてしまう。だから、鈴本は、休日の聴取に固執した。そのあまり頭の良くない対応が、Kに疑惑を抱かせてしまったのである。

Kは、3人の死者が、それぞれ違う病院で死亡していることから、殺人を請け負う複数の医師のネットワークが存在すると考えていた。そのようなネットワークを組めるのは、オヲムの類しかないと、その時点では考えていた。オヲムが統率と層和の傀儡であることを、その時点では知らなかったのである。

警察やマスコミに補足されていないオヲムから派生した地下組織がある事は、以前からわかっていたが、その地下組織が、暗躍していると判断していた。しかし、オヲムそのものではなく、分派して、いまやオヲムと直接かかわりの無い、独立した組織であるとの認識をもっていた。また、別の宗教団体の支配下にある、オヲムを偽装した連中かも知れないという考えもあった。どうやら、最後の推論が正解だったようだ。
 

小 野 3人の死亡者の主治医はオヲム信者であるかどうか、調べてみたけど信者リストには該当者はいなかった。
K オヲム信者は、脱会者も含めて全員捕捉できているんですか?
小 野  信者から押収した光ディスクで、信者はすべて把握できている。それ以外にはいない。
K もし、該当者がいないなら、もう事件性はありえないってことじゃないんですか?
小 野 いや........まだざっと調べただけで、これから細かく調べるから....。(この言葉を何度も繰り返した。なぜか、動揺が見えた。)

そして、鈴本からK本人の家庭環境や病歴について執拗な質問が始まった。病歴といっても、血液・尿検査をいつどこでやったのかばかり聞かれた。このあたりから、連中の正体が見えてきた。鈴本が、頻繁に外の部屋と出入りを繰り返していたが、後述の「宮沢」などと、事後の対策を練っていたのであろう。Kの尿の検体に何をするつもりなのか、大体読めてきた。

檜垣は、ほかのターゲット社員同様にKの毎日飲むお茶にも禁止薬物を混入させていたのだ。Kが精神の異常をきたしてくれることを狙った犯行でもあったが、警視庁の層和警官たちはもっと別の利用方法を考えていた。Kの血液や尿の検体が残っていれば、「薬物中毒」に仕立て上げることも可能と考えたのだ。だが、そんな手口も使えないほど、事態は逼迫していた。そんな手を使うよりも手っ取り早く始末してしまえ!そう息巻く層和の幹部もいた。層和警官たちは、自分たちの損な役回りを嘆いた。自分がやった保険金殺人でもない。自分に利益配分があるわけでもない。むしろ、犯罪の主体は、統率協会じゃないか。教祖同士が在日仲間だとは言え、なんで、俺たち、末端の層和がこんな危ない橋を渡らなきゃいけないんだ?層和であるがゆえに、試験結果・能力にかかわり無く、警部補に抜擢された彼は、嘆いた。 本来ならば、いまだに巡査長のはずなのに。だが、層和の在日幹部は、この件を速やかに解決するよう、警視庁の層和信者組織に厳命を下してきた。絶対に解決しろと。5人の層和信者は、自分が人選されたことを酷く恨んだ。貧乏くじだ。


15時ごろまで聴取は続いたが、Kが過去に脅迫状をもらったことがあると話したことろ、その脅迫状をどうしても今日中に見たいと、鈴本が言い出した。帰宅後すぐにファックスで送ると答えたが、どうしても今日、自宅に同行してコピーを受領したいと言う。

「これから、車で行きましょう。」と、鈴本が言ったとき、隠された意図を感じた。Kは、車では時間が掛かることを説明し、電車で行くことを主張した。鈴本は執拗に車を主張する。カルト組織は、Kをどう処置するべきか判断がつきかねていた。単に、拉致して始末してしまえという強硬な意見もあった。層和でも過去に何度か、そういった荒っぽい解決の方法をとった事実があった。だが、Kの発信した情報がどこまで拡散しているかわからない。下手に、処分してしまえば、どんな反動が起きるか解らない。それが怖い。一応、層和の仲間の山朽組系権藤組のヤクザ数人は外で待機させている。家まで車で送るとKに 言って、途中で拉致に切り替え、後は権藤組に始末してもらう手もある。だが、カルトの内部で意見調整ができない。Kの弁護士がどこまで知っているか、坂木事件の時のように、Kの家族まで拉致殺害しなくてはすまないのではないか? だが、そうなると弁護士だの、両親だの、一体どれだけ消せばいいんだ?とても、現実的には無理な話だ。これでは、意見はまとまらない。尾野と鈴本は、また外の部屋との往復を繰り返し、 宮沢に指示を仰いだ。宮沢も判断ができない。判断を間違えれば、巨大な1000万組織の存亡にも関わる事態を呼び込んでしまう。とても怖くて決断できない。そういう時は、決断をしないのが、人間の性だ。彼は、何もしない道を選択した。そして、最後の最後に、尾野が間に入って電車で行くことを了承した。「いやあ、本当に車が嫌いなようですね。電車で行きましょう。」といった。組織は、この時点で、拉致殺害を断念したのである。そして、鈴本・尾野が神奈川の自宅まで本当について来た。東海道線のなかで、Kは「記念」にお二人の写真を取らさせて頂いた。ソニーのサブノートパソコンに付随したカメラで写真を撮られても、OAに詳しい人物でなければ、気がつかない。(写真を撮ったことは,Kが後日彼らにメールで伝えた。その写真を目にしたとき、組織の面々は頭を掻き毟った。絶対的な証拠を握られてしまった。もう、どうにも隠蔽のしようがないと。)  

平塚駅についてトイレに入ったKは、携帯電話で話しをしながら改札口を出てきた。「いやあ、参った。今日警視庁に行ったことが、姉にばれてしまいましたよ。叱られましたよ。」。そして、駅から自宅まで徒歩で向かう間に、自宅に電話し、「え、友達が5人も来てるの?」。「尾野さん、うちのカミさん、風邪ひいているっていうのに、友達が来てるっていうんですよ。何考えてんだか?」二人は、硬い表情をしながらも黙っていた。身を守るためには、時に嘘も必要である。

自宅マンションに到着し、脅迫状の コピーを渡すまで、二人は階下の入り口近くで待っていた。帰ってもらう際、鈴本に警察手帳・名刺の提示、フルネームの開示を求めたが、「いや、今日は持っていないので、」と、慌てた様子で連絡先をメモで残していった。そこには、03(3581)4321内735-321鈴本と書いてあった。そして、「この内線番号には鈴本は私ひとりですから。」と言った。どうしてもフルネームを言いたくなかったらしい。鈴本の名刺の内線番号、735−320と上記メモの735−321の部署に、事件に関わった警察官が隠れているということだ。
また、鈴本はKの姉の連絡電話番号を繰り返し聞いた。Kは、姉が主人の承諾を得ないと教えられないといっていると断った。ちなみに、姉の配偶者が弁護士であることは、事前に説明しておいたのだ。

自宅に着くまでの間に、警視庁の宮沢と名乗る男から、自宅に電話があり、尾野・鈴本が到着したら連絡がほしい旨伝言があった。当日警視庁であった刑事A〜Cのうちの一人が宮沢であろう。そして、宮沢が犯罪組織のボスに近い、幹部であるかも知れない。

Kはこの時点までに下記のことに大いに疑問を持った。

1)正規の捜査であるならば、参考人調書が取られるべきである。鈴本が調書の準備らしき速記をしていながら、調書を作成しなかったのは何故か?捜査をつくろった偽装であったとしたら、逆に調書を取らないと不審に思われる。だが、Kの告発の内容を知り、慌てふためいて調書どころではなくなってしまったと解釈する。さもなくば、聴取の間の連中同士の打ち合わせで、聴取の証拠を残しておくのはまずいと判断したのかもしれない。

2)参考人には、日当及び交通費が支払われる規定が東京都条例にある。今回のケースでは、日当1万円に該当する。日当も交通費も支払いを行わなかった事実をどう説明するのか?日当は、会計課から支払われる。正規の捜査でなければ、当然支払のための書類は作れない。警察では、この参考人日当の着服が問題になっているが、今回のケースでは、着服以前の問題である。

3)尾野が10月29日に始めて電話をしてきたのは、Kの開設したばかりの港区の事務所であった。事務所の電話は、警察であればNTTに照会して調べられる。しかし、事務所の存在自体を知っているのは、家族や一部の取引先に限られ、部外者では、Kから事件の取材をした扶桑テレビ記者の信原麗子だけある。刑事がどうやって知りえたのか?:信原が犯罪組織の一員であり、Kから得た情報を宮沢らに流していたのだろうか?もしくは、宮沢らがKを尾行し、Kの電話を盗聴していたということか。他には、合理的な説明はできない。尾野は、事務所に電話する前に、自宅の留守電に伝言を残している。その後、すぐに事務所に電話してきた。Kが帰宅して伝言を聞いてから行動するのでは、遅くなると考えたのか?焦っていたのだろう。

4)Kの自宅の電話は、対外用の主番号と家族・友人用のダイヤルイン番号に分けてある。同日夕方、「宮沢」が電話してきたのは、ダイヤルイン番号の方であった。勿論,番号案内では解らない番号である。家族と友人以外知らない番号をなぜ宮沢が知り得たのか?:盗聴していたからであろう。もし、正規の捜査に基づくものであるならば、NTTに問い合わせて知ったことになる。その場合、捜査部署がNTTに提出した「捜査関係事項照会書」が残っているはずである。そして、どんな捜査に情報を使用するのかも書いてある筈である。

上記2点については、Kは、11月23日、尾野に問いただした。後述する。

5)なぜ、聴取に休日ばかり指定するのか?ウイークデイでは都合の悪いことでもあるのか?:上司や同僚には秘密で、捜査の真似事をしているのであるなら、休日でないとまずい。平日では、本来与えられている仕事もあり、体が空かない筈だ。

6)脅迫状のコピーをなぜ、わざわざ自宅まで取りについてきたのか?ファックスで送れば済んだはずである。:別の目的があったから。しかし、中途で実行を諦めたと考えるしかない。

7)Kの血液検査と尿検査が、今回の事件に何の関係があるのか?

8)鈴本はなぜ、身分を開示できないのか?警察手帳を提示しないのも、所持していないのも規則違反である。都合の悪いことがあるのか?本当に本庁の捜査1課の刑事なのか?後述するが、実際は赤坂署など所轄の署員であった可能性がある。

9)滋賀県警の押収した光ディスクに載っていたオヲム信者の数は、3500人程度であった。最盛期10,000人いた信者の三分の一に過ぎない。尾野が、このリスト以外に信者はいないと断言したが、根拠はない。

10)Kは、「8月24日、アークテックの中ノ島・原野によって、薬物を飲まされた。検体を複数箇所に保管してある。」旨、尾野・鈴本に説明をした。正規の捜査であるならば、当然この検体の提出を警察官が求めてくるはずである。彼らは、なぜそうしなかったのか?検体から、変なものが検出されると困るから?それ以外に合理的な説明はない。

Kの姉の自宅の電話番号を鈴本がしつこく聞き、Kが本人の同意がないと教えられないと断ったこと、電車で平塚に行くことを主張したこと、自宅に訪問者がいることを伝えたことなど、尾野の方は、どうやらKが彼らの正体を疑っていると薄々解ったようである。繰り返し姉の電話番号を聞く鈴本をさえぎり、強ばった顔をして「いや、結構です。」と言った。

(注記:警視庁の内線番号については、不審な点がある。警視庁で内線番号のつく部署の場合、下4ケタが0110(代表)と決まっているので、鈴本がメモに書いた「03(3581)4321内735-321」も鈴本の名刺の「03(3581)4321内線735−320」も本来常設されている番号ではない筈。Kや関係者からの電話を受けるために、わざわざ設けた内線番号であろう。さて、どこに転送されていたのか?層和学会が転送先立ったら面白いが。)

その後.....10月30日〔土〕の夜、その日にあった出来事を考えてみると、何らかの対抗策をとるべきとKは考えた。相手が、強大で組織的ではあるが、間抜けでもあることがわかってきた。
そこで、まず接触のあった扶桑テレビ記者にファックスで連絡した。10月17日に長時間、あれだけ熱心にKの話を聞いてくれた彼女は、本事件の信憑性を理解していたから、当然、警察官の動きに興味を示すはずであった。
翌日、31日〔日〕にも追加で彼女にファックスを入れた。当然彼女から、すぐに反応があると思っていた。なかった。
彼女は上司からこの件には触らないよう厳命され、ほかの仕事を大量に与えられて、忙殺されていたのである。

1999年11月1日〔月〕
警察官が、偽装捜査に動き出した。

警視庁のカルトは、今回の参考人聴取がカルト警官を寄せ集めた偽装であったと判明するのを酷く恐れた。あくまでも、警視庁としての正規の捜査であるように粉飾したい。k自身は騙せなくても、周囲の人間だけでも、そう思い込ませたい。そこで、Kの周囲の人間に働きかけることにした。それは、同時に、Kに対して圧力を掛ける意味もある。

休み明けの月曜日、彼らは鈴本に、早速Kの東京の実家を突然訪問させた。何も身分を証明するものがないと疑われると考えたのか、警視庁刑事部捜査第一課、警視庁警部補 鈴本忠一という名刺を持ってきた。名刺には、手書きで内線番号735-320と書き加えてあった。

午前中のうちに到着した鈴本は、警察手帳をほんの一瞬、両親にちらつかせた。しかし、両親には所属や氏名まで確認できなかった。そして、用意しておいた名刺を提示した。捜査を開始した旨、両親に伝えた。息子の妄想であると思わせるためだろうか、「正規の医師の死亡診断書が出ているので、保険金殺人とは考えにくいんですよ。息子さんの考え過ぎじゃないんですかね。」といったという。正規の診断書を出した医師が犯罪組織の構成員である疑いを捜査している筈の男が、言うべき言葉ではない。それでも、年老いた両親は、鈴本の迫真の演技にまんまと騙された。

一方、Kはこの時点で既に、警察官たちが犯罪組織の一員であり、偽装捜査を関係者の前でやって見せようとしていると考えていた。警視庁本庁に呼び出されて事情聴取を受ければ、普通の人間なら、まさか偽装捜査とは思わない。さらに、捜査のふりをして、数日後事件性はなかったとKと関係者に報告すれば、「何だ、やっぱり思い違いだったのか?」と納得してくれる筈である。普通ならば。これで、告発活動は抑え込めるし、必要に応じてKを拘束する手段を講じることも不可能ではない。

Kは、鈴本が実家を訪れた目的が、Kに対する恫喝であると感じた。告発をすれば、家族に危害を与えると言う暗示をするために、わざわざ休み明け一番に実家に行ったと考えた。そこで、彼らの意図を読み、次の手を打った。

11月1日〔月〕昼前に警視庁捜査一課長あてに、思い切りいやみったらしいメールを送った。メールの内容を読めば、正体を見破られたことがはっきりしたはずである。連中は思い切り焦ったと思う。

警視庁あてのメールは捜査一課長宛の部分と宮沢・尾野・鈴本宛の部分とをつなげたかたちで入れた。捜査一課長宛としても、絶対に届かないのを承知の上である。宮沢らは、もちろん一課長の目には触れないようにメールを隠蔽したと思う。11月3日の文化の日には、警視庁を再訪できないという趣旨のメールではあったが、ほかにも色々と書いておいた。宮沢らの捜査が擬装であることを見破りながらも、慎重に言葉を選んで、犯罪組織の動きを封じ込めるための文言を並べたつもりである。宮沢たちが次に何をしてくるか、予測してその通り書いておいた。別件逮捕の計画も考えておいた。さらに、3人の役員・社員の殺害を依頼したアークテックに対する取引のもちかけともとれることを書いた。数日して、まだ会社にいる一般社員から話を聞く機会があった。

11月1日、午後4時ごろ二人の警視庁刑事がアークテックに来たと言うのである。そして、中ノ島と応接室に入り、数時間話をしていった。さらに、翌2日にも刑事が再訪している。

10月30日にはじめてKから事情聴取をして、実質捜査初日である11月1日の午後に、主犯格に面会しているのである。捜査員二人が、尾野と鈴本であることは、その一般社員に写真を見せて確認したところ、間違いなかった。

Kの上記のメールで、追い詰められ善後策を中ノ島と協議するためアークテックに行ったと考えるが、一方で警視庁警察官と身分を明かして訪問しているのは、あくまで捜査の一環という印象を一般社員に与えるためであった。彼らにしてみれば、「事件性がないことがほぼわかったので、念のため被疑者の中ノ島に確認を取りに来た。」との解釈を一般社員がすることを期待しての行動である。中ノ島から、一般社員には「Kが殺されると騒いでいるので、刑事が調べに来た。ばかばかしい話だ。」と言う趣旨の説明がなされた。一般社員は無知蒙昧であるから、これで納得する。Kは、見事に同僚からキチガイ扱いされるに至った。本人は構わない様子だが。彼らは、一般社員がK同様の疑惑を持つことを恐れていた。だから、Kの告発が精神異常に起因すると社員に印象付けることが、必要だった。その意味で、刑事の来訪は頭のよい選択だったかもしれない。そんな、計略を思いつくのは、中ノ島しかいない。中ノ島の悪知恵は、天下一品である。

一方で、彼らは刑事のアークテック訪問が、Kの耳に入るとは計算しなかった。Kは、8月以降、あえて誰とも連絡を取っていなかったし、盗聴を予測して一切情報が漏れないよう配慮していた。Kに情報をもたらす内部関係者がいるとは考えなかった筈である。Kは、中ノ島も警察官も偽装捜査が見破られたことで、逆に犯罪の実在を証明してしまったことに酷くうろたえた。そこで、緊急に警察官と会って善後策を練る必要が出たのであろう。会議の場所をアークテックとしたのは、さすが、中ノ島の知能犯的判断である。アークテックで、Kが警視庁に提出した書類をつぶさに調べ、策を練った。尾野の電話は、アークテックがKと金銭面で取引する容易があるという趣旨を伝えるものだった。警視庁の警察官が、殺人事件の口止め料を仲介してくれるのである。全く、すごい国である。日本は。だが、Kの目論みは、アークテックから金を引き出し、その金を支払った事実を突きつけて、犯罪の実在を立証しようとしたものだった。だが、その試みは、鈴本に対する怒りが粉砕してしまった。後述する。

1999年11月2日〜
警察官は、Kの周囲の人間に働きかけた。
警視庁の連中は、Kの告発活動を阻止するために家族に働きかける手段をとった。実家の両親に対する接触は、専ら鈴本が担当した。2度ほど実家に電話して来た。両親は、Kが警察官に疑惑を持っていたことを知っていたので、なぜ警察手帳や名刺を提示しなかったかなど、問い質したが、鈴本は必要がないと思って提示しなかったと説明した。老練の刑事が、世間知らずの老人を騙すのは簡単である。Kは、鈴本に騙された両親から、鈴本の提示した名刺を入手するのに苦労した。
鈴本の目論みは、�@両親にKの告発が妄想だと思わせ、両親からKの動きを止めさせようとした。�A両親に頻繁に連絡をとる事で、Kに対する圧力をかけようとしたと考える。彼らに出来ることは、それしかなかった筈だ。
真面目に生きてきた普通の老人は、幾らなんでも警察官がそこまで穢れているとは思いもしないし、ましてや自分の周囲に警察官絡みの大犯罪が起きるなどと、現実的に考えることもできない。息子の妄想と考えることが、一番安易な逃げ込み場所であろう。それは仕方がない。
後で解ったことだが、11月2日か3日のどちらかに、アークテックでKと疑惑を共有していた人物の神奈川の自宅に空き巣が入った。取られた物はなかったようだが、部屋内が荒らされていたと言う。彼は警察を呼んだが、不可思議なことがあった由。彼の部屋は1階部分で、2階にもガラス窓を破って侵入した形跡があったのに、刑事は2階の方を一切調べようとしないと言う。K氏がなぜ調べないか、詰問したところやっと動き出したと言う。もし、この空き巣が彼に対する間接的な脅迫を意図するものであるなら、捜査にやってきた刑事についても疑惑がある。もちろん、その後この事件は迷宮入りである。窃盗犯もそれを取り締まる警察も、同じカルト組織の仲間だったのである。

 1999年11月8、9日 尾野から電話が入った。8日、尾野から、自宅に留守番電話が入った。「今度、奥さんと一緒に会いたい。」というどすの効いたヤクザまがいの脅迫だった。 「奥さんに聞かれたらまずいネタを握ってるぞ。」という脅しである。要するに、警官は、アークテックから仕入れたKの個人的な情報を使って、脅しを掛けてきたのである。
カルト組織は、もはや脅迫をし掛けるしか、Kの行動を阻止する方法は無かった。「奥さんに会いたい」はとは、奥さんに知られるとまずい事を掴んでいるぞという脅しである。警察官が民間人を脅したのである。そこで、翌9日、警視庁捜査一課長あてに再度メールを送った。それから、何度か、警視庁の犯罪被害相談室や中ノ島あてにメールを送った。相手を休ませない。それが、Kのやり方だった。

11月23日(木、祭日) 警視庁の刑事が自宅にやってきた。また、祭日だ。この警官たちは、一般同僚の目に付かない祭日にしか行動できないらしい。ご苦労なことだ。

11月20,21日と続けてアークテックの中ノ島あてに最後通牒をファックスで送付したが、アークテックの解答を持ってきたのは警視庁の刑事二人だった。

午後2時頃、警視庁の鈴本と尾野が、Kの自宅を突然訪問した。扉をあけたKは、ちょっと待てと言い残し、中に引っ込んだ。鈴本と尾野には、Kが家の中で2回どこかに電話をしているのが聞こえた筈だ。「例のふたりが今来ましたので、もし何かありましたら、後のことはよろしくお願いします。」そう言っている声が聞こえたであろう。

しばらくしてKは、扉をあけて外へ出た。内心、やっぱり怖かった。2人を促してエレベーターに向かった。階下に下りて、ロビーの入り口で3人は話した。尾野の顔は、まるで黄疸でも出ているかのように、黄変し薄汚れていた。5日も寝ていないかのようにやつれ、体は小刻みに震えている。よっぽど怖かったのだろう。Kの方だって、怖かった。鈴本は頭のよくない警察官とわかっていた。頭の悪い奴に限って、切羽詰れば過激な行動に出る恐れがある。 

「今、第三者に連絡をとりましたので。」と言ったら、鈴本が口を開いた。「じゃあ、その人が来てから話をした方がいいんじゃないですか?」「いやあ、時間がかかるから。」とKは答えた。鈴本は、Kが別の警察官の誰と接触があるのか、調べていたのだろう。既に、警察官の横の連絡で、圧力を掛け、黙らせる算段をしていたのかもしれない。腐った組織は、警視庁だけでなく,首都圏に広がっている。鈴本は、威圧的態度を崩さず、背広の左内側に始終手を入れていた。そこに、拳銃があるということを示したかったのだろう。この男は、世界最低の警察官として、ニッポン警察史上に名前を残す。Kはそう確信した。

K 「尾野さん、捜査の結果はどうなったの?保険金は下りていたの?」
 
  尾野は震える声で、搾り出すように答えた。

 

尾 野

「調べたら、特に何も出てこなかった。中川さんの場合は、ちょっとあったけれど、子供の学資保険の類でね、ほかにはなかったですよ。」そう言いながらも、尾野の両膝はがくがくと震え、今にも倒れそうな程、動揺しているのがわかった。なんだか、かわいそうになってきてしまった。

K 「それじゃあ、要するに事件性はなかったということですね?」
尾 野 「そうです。」
K 「解りました。殺人の事実がないとわかったならば、それで結構です。ご苦労様。僕のほうも、こんなつまらないことにいつまでも関わっていられないんですよ。早く仕事を再開しないと、お客さんに迷惑を掛けるんでね。」
実のところ、彼らが何も出来ないように、人通りのあるマンションの入り口まで同行させたが、まだ危険はあった。今日のところは帰らせようと思った。
小 野 「後は、お宅とアークテックとの間の交渉事だから。警察は、もう関係ないから。」
この言葉の意味を、その場では理解できなかった。鈴本が、左胸のホルスターにしきりに手を入れるのが気になっていたのである。後で考えれば、Kの最後通牒にある通り、賠償金要求を支払うから、告発を止めてくれという意味であった。しかし、このとき、Kは鈴本の威嚇的態度に激高し、正しい判断が出来なくなっていた。 組織は、「金銭でかたをつけるから、もう、これ以上の追求はやめにしてくれ」、そう、kに伝えるために、尾野と鈴本を寄越したのだ。組織も、ほとほと困っていた。偽装捜査であることは早々に見破られ、カルト宗教組織による犯罪であるとしっかり把握されてしまった。こんなことが公になれば、教団も在日社会も警察も、何もかもおしまいだ。だからカネを出すから、頼むから沈黙してくれと、懇願しに来たのだ。だが、kは、そうは理解してくれなかった。鈴本を連れて行ったことが仇になった。組織の長、宮沢は、顔を歪ませて、絶句した。
K 「そうですか。ところで鈴本さん、あんたは何で身分を明かせないんですか?あんたの下の名前は何と言うんですか?警察手帳を見せてください。」
鈴 木  無言....
小 野 「いやいや、今度の件は、Kが担当しているんで。Kが責任持ってやってますんで。」
K 「解りました。警察手帳を見せてください。」尾野は、ぶるぶると震える手で、警察手帳を差し出した。「あれ、警備課って書いてあるじゃないか?」
小 野 「それは、(警察手帳を)管理する部署のことです。」
K Kは、尾野の警察手帳を半ば強引に引き寄せ、ページをめくった。
「おう、本当だ。たしかに刑事部捜査第一課警部補、尾野善久って書いてあるわ。あんたのことは信用するよ。あれ、捜査一課長って、金子っていう人なの?」
小 野 「いや、前の人です。」
K 「尾野さん、僕はあんたのことは信じるよ。鈴本さん、あんたはなんで身分を明かさない?信用しろって方が無理な話だ。」
鈴本は、終始無言を決め込んだ。背広の内側に手を入れ、しきりにホルスターを触って、威嚇した。非番の日に短銃を携帯すること自体が、規則違反である。Kは、この男が心底嫌いになった。まずいことは全て尾野に押し付け、自分だけは正体を知られたくない、安全を確保したいという、実につまらない男に思えた。一番嫌いなタイプだった。絶対に許すべきでないと思った。この時点で、取引に応じて尻尾をつかもうという気持ちも吹き飛んでしまった。 組織は、kを怒らせてしまった。鈴本という不心得もののおかげで。
K 「尾野さん、僕が東京に事務所を持っているって、どうやって知ったんですか?どこから聞いたんですか?」
小 野 警察で調べました。」搾り出すように答えた。
K 「それじゃあ、何で宮沢ってやつは、うちのダイヤルイン番号に電話してきたんだよ?どうして知っていたんだよ?」
小 野 ......ワタシはね、宮沢みたいにダイヤルインには電話していないでしょう。」
K 「そうですね。ところで、宮沢って誰なんですか?このあいだ警視庁であった3人のひとりでしょう?」
小 野 「いやいや、この件はワタシが中心でやっているので。ワタシが責任持ってやってますんで。」
警視庁の犯罪者一味は、表に出る一番やばい仕事は全て尾野に押し付け、自分たち上の階級の連中は絶対に正体を明かさないよう、逃げ回っている。実に汚い連中である。尾野氏は貧乏くじである。彼が、またまたかわいそうになってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



こうして、短い会話の後にふたりは帰っていった。尾野は、背中を丸めてとぼとぼと歩いていった。 kは、尾野のうらぶれた後姿を憐憫をもって眺めた。おかしな宗教に入らなければ、なかなか味のある親父さんじゃないか。勿体無い、と。 尾野は組織の中で一番危ない役を押し付けられ、この日も、組織の幹部から強要されてKに会いに来たのではないか?近所で、幹部が嫌がる尾野の背中を押して、無理やり来させたような気がした。犯罪組織の中にも、警察の階級は歴然として存在するのだろうか。

彼らが帰った後も、Kの興奮は収まらなかった。何人かの関係者に電話で刑事の来訪を伝えた。
Kの実家には、午後、今度は鈴本から電話が入った。捜査の終了を告げ、「後は、息子さんとアークテックとの間の交渉だから。」という内容だった。年老いた父親は、必死にこの電話を小さなテープレコーダーに録音した。彼も、息子に身の安全にそれが必要なことと、漠然と解っていたのである。鈴本は、Kと直接会って、取引を持ちかけた筈が、Kに意思が伝わっていないことを恐れたのだろう。そこで、両親に電話して念を押したかったのかもしれない。

しかし、実際のところKは、取引のことなど頭から飛んでしまっていた。取引に応じるどころか、まずアークテックの中ノ島に同日夜、10時40分、ファックスを送った。そして、12時を過ぎてから、3通目の請求書ファックスを送った。その日の警察官の来訪を脅迫と捉え、当日分の慰謝料を上乗せした改定請求書を添付した。普通なら、この2本のファックスで、取引拒否の意思表示ととる筈だ。

1999年11月24日
警視庁の鈴本は、また自宅近辺に現れた。

Kが、取引を拒否し、逆に各方面への告発活動を再開したことに一味は困惑したであろう。翌、24日Kの自宅となりのスーパーで、夕方、鈴本が弁当を買っているのを、買い物に出た家人と友人が目撃した。家人は、23日に来た刑事の顔をよく覚えていた。眼鏡を外して偽装した積りだったかもしれないが、家人にはわかった。Kの帰宅を待って、拉致でもする積りだったのか?家人は、経緯を知っていたので恐ろしく思い、すぐに実家に電話をした。そして、昨日来宅したのと同じ刑事を見かけたことを伝えた。鈴本は、それを盗聴していたのだろうか、居なくなった。おかげで、遅く帰宅したKは拉致もされずに済んだ。

1999年11月24日以降
変な連中がうろつき始めた。11月23,24日の出来事に前後して、いろいろと変な連中が自宅やKの周囲に出没するようになった。 日中めったに人通りのあるような場所ではないのに。もちろん、全てが組織の人間ではないだろう。Kの勘違いもいくつか含まれるだろう。しかし、中には後からオヲム信者や別の宗教団体の信者とわかる連中も居た のだ。

駅の横断地下道の出口で、物陰に隠れてKの写真を長望遠レンズで撮影している男がいた。近づいていったら、足早にその場を離れ、近くの花を超望遠レンズのまま撮影するふりをしていた。いい写真は取れただろうか?先回りして、正面に現れてみたら、何故か道の反対側に逃げていった。後で、幹部に間抜け振りを怒られただろう。

11月27日の夜、ある関係者の自宅近くで20代後半〜30代前半の不審な男女を見つけた。酒屋のそばでワゴン車を止め、どう見ても酒屋の店員と配達員にしか見えない格好で1時間以上立ち話をしていた。異様に大きな声で、大学時代のサークルの話をしていた。男の方は、缶入りドリンクの段ボール箱を一つ抱えたままの姿で、1時間話を続けていた。男の左耳に携帯電話用のイヤホーンがさしてあるのにきづいた。近寄って、パソコンで写真を撮ったら、そそくさと車に乗って居なくなった。もしかしたら、関係者がKに情報提供していると考え、その人物の拉致や脅迫を計画していたのかもしれない。

 - 続く -